酒と、血糖値と、栄養と。からだの選択は2択です。
シリーズ1)あなたが糖尿病になった原因は「栄養素不足」にあった!【糖尿病・原因・栄養素不足】の続きです。
実際のかんたんな栄養バランスの考え方をご紹介します。
飽食の時代の栄養失調でお伝えしたこの三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)とビタミンやミネラルとのバランスの関係を絵であらわしてみましょう。
次の図の絵とあわせて考えていただきたいのですが、食べた三大栄養素の全量を一番左の黄色のボックス(□)、三大栄養素に見合うビタミンやミネラルの全量を真ん中の緑色のボックス(□)、ここで作られたエネルギーの全量を右の赤色のボックス(□)で表現してみます。
エネルギー源である三大栄養素(左の黄色のボックス)は、それに見合ったビタミン・ミネラル(緑色のボックス)がないと、すべてをエネルギー(赤色のボックス)に変えることができません。作られたエネルギーは、体の中では「元気」や「体温」といった形に変えられます。健康状態の人を図で書くと(図①)のようになります。
糖尿病の患者さんの場合、口に入れた三大栄養素とビタミン・ミネラルのバランスが崩れています。これは太っている、痩せているといった体型のいかんにかかわりません。図で書くと(図②)のようになります。
いずれにしても、「摂取した三大栄養素に比べて、ビタミン・ミネラルが不足している」栄養失調の状態がありますから、何度も言うように、これを改善しないと糖尿病も改善しません。
私が「食事療法というのは、単に食事を減らすことだけではない」と考えているのも、このような考えからです。「食事を減らす」のではなく、むしろ「栄養不足の解消をする」視点こそが大事だと考えています。
この視点を基本に、投薬、食事療法・運動療法を組み合わせれば効果が出てきます。これまで「糖尿病は治らない」とあきらめていた患者さんに「あきらめなくて良かった」と思っていただける解決法だと私は確信しています。
そして冒頭で、糖尿病は体型のいかんにかかわらないと申しました。
糖尿病は肥満の人の病気のように思われがちですが、それは発症当時のこと、発病者の50%がBMⅠ(体格指数)=25以下の普通体型の方です。拙著を書く前の7年前の当薬局のお客さまを見ても、BMI=25以下の普通体型が52%、その中でBMI=22以下の痩せ型の方が44%もいます。たとえ痩せ型であっても、さらなる食事の制限を指示されている人は当時少なくありませんでした。
この体格指数と言うのは、最近の健康診断では必ず表示されている数字ですg、体重(kg)を身長(m)で2回割った数字です。25以上が肥満とされています。
次にお示しするこのグラフは、2002年に厚生労働省が発表した「肥満指数と死亡率の関係」です。
グラフで色のついた肥満している人と痩せている人は、統計的に明らかに死亡率が高いBMI群です。ご覧になって分かるとおり、ちょっとくらいなら小太りな方がいいのです。
「日本保険医学会誌85」(1987年)に載せられた軽症糖尿病における肥満度、BMIと死亡比率との関係をみても、同じような形のグラフになっています。
このように見ていくと、糖尿病は痩せるだけでは解決しそうもない病気だということが分かります。むしろ、痩せている人がこれ以上食事を減らせば、さらに悪化する危険性も増えるのです。食事を減らせば、本来体が必要としているはずのビタミンやミネラルの量まで減ってしまうからです。
良かれと思って努力したことが逆効果になることは、避けなくてはいけないと考えています。
次回は、このようなボックスで表す簡単な栄養バランスの表現をする理由「栄養素が足りないと、運動効果も半減」をお伝えする予定です。
(少しでも早く知りたい方は、こちらをご覧になって戴けば10年間の取り組みをいち早く知っていただけます。読者は自力で血糖正常化に成功しておられます。→「糖尿病は栄養をとれば健康に戻る」(経済界))
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