うちのサービスを知らずして倒産はさせない（3/3）

「七千万円足りない」九期連続の赤字を黒字転換

山根さんとタッグを組んで再生した企業は数知れません。七千万円の運転資金が足りないと発覚したある会社は、銀行から「もう貸せない」と言われていました。しかし山根さんは、九千万円の融資を取り付け、九期連続の赤字だった経営を黒字に転換。「あなたと会っていなかったら今の会社はない」と言われたそうです。

またある企業は、取引先からのクレームで四億円の請求を受けましたが、状況を精査。その結果、クレームが取り下げられたばかりか、逆に信頼が増して受注が増えたのだとか。その社長からは「命を救ってくれた恩人」と感謝されました。

「経営の本質は何かを見極めて助言できるかどうか、それにかかっています。数字を見るだけでなく、これまでの経験則と、人の心に配慮することが大切なのです」とにっこり。孤独で不安な経営者からいつ連絡があっても大丈夫なように、夜は携帯電話を耳に当てながら寝ていることも明かしてくれました。

改めて経営者に問い掛ける山根さん。「何のために会社を始めたのですか？本音は『儲けたかった』からでしょう。私たちは共に歩み、励まし合い、一緒に検証しながら黒字経営に導くお手伝いをします。十個指導するうち一つでもやってもらえれば成果は出ますから」。そんな言葉から、山根さんは、企業が改革に成功した時の喜びを、社長、そして社員と心から分かち合える真のパートナーなのだと実感しました。

（取材年月：2016年4月）

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