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中田和宏

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

中田和宏(なかだかずひろ) / 鍼灸師

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コラム

冬の不摂生が春に爆発!その理由とは?春の不調の傾向と対策

2022年4月9日

テーマ:健康とはり

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 冷え性改善冷え性 対策膝の痛み




初めに




 この冬こんなことをしていませんでしたか?

  • 年末年始、食っちゃ寝食っちゃ寝して、太った!
  • 寒いからずっとこたつに入って運動サボった
  • 寒いからいっぱいお酒を飲んだ(言い訳)
  • まん延防止だったからネット通販で全国のうまいものを買って食べまくった
  • うちの会社はコロナ関係なくバンバン仕事させられて疲れた
  • 雪すかし頑張って腰や肩を痛めた(まだ痛む)
  • コロナでダンナ(子供)が家にずっといたのがストレス




 不可抗力の部分もありますが、冬に体調を崩すとそのツケは春にやってきます。
 今年の冬はまあまあ雪が降りましたね。最悪ではないにしろ数日雪すかしを頑張ったんではないでしょうか。本来なら冬は気温が下がって雪が降りつららが下がり、からだの活動だけでなく経済活動もゆっくりになるのが自然です。
 文明が発達して気候に左右されず経済活動ができるようになりました。しかし人間のからだは人類誕生よりそう大きく変わってはいないはず。
 日が昇れば起きて働き、日が沈めば寝る。冬寒くなれば家の中の仕事を中心にして外出を控え、春になったら外に出て作物を作り狩りをする。夏の暑い日は木陰で休み、秋には冬を越すための収穫を行う。



 こういう生活を約200万年前から続けてきたのにここ最近の数百年で大きな変化をきたしました。そしてこの数十年間で飛躍的な進歩を遂げたわけです。ちょっとオーバーな表現になってしまいました。
 つまり、自然と共に生きてきた我々のご先祖とは反対に自然を征服して文明を築き、便利な世の中にしてその中でもがき苦しんでいます。



 昔に戻れって言っても無理なんですけどね。

春に体調が悪くなるワケ


 冬の不摂生は春に現れます。私が鍼灸治療をするようになって気づいたことは、春にぎっくり腰の患者さんが増えるということです。
 不摂生の内容としては

  1. 食べ過ぎ飲みすぎ、
  2. 寒冷地での肉体労働、
  3. 冬に訪れる気分の落ち込み、
  4. 過労、
  5. ストレス


などです。こういったことが原因となり自律神経のバランスを崩し腰痛を起こします。

季節と体の関係


 東洋医学は季節や気候と体の関係を重視しました。ご経験があるかもしれませんが、雨が降る前にひざが痛みだす、前線が近づくと頭痛がする、気温が下がると肩がこってくる、曇りが続くとなんだか気分がすぐれない。これらは特別なことではなくて人間が本来持っている予知能力や感受性のセンサーが働いた結果です。私はそんなことはないって?それは鈍感なのか、それともすこぶる健康なのでしょう。大変すばらしいことです。



 人はどこかに具合の悪いところがあるとこれ以上ひどくならないようにとセンサーの感度をマックスにして外界の状態を探ります。そしてその結果を痛みやいろいろな症状で知らせます。知らせを受け取ったら体を休めましょう。また、寒ければ暖かくし、気分がすぐれなければ外出を控え休みましょう。
現実には難しいのかもしれません。できるだけからだの訴えに忠実にということです。

きっかけはいろいろ


 腰痛などの痛みを訴えて受診された方のお話を伺うとそのきっかけはいろいろありました。

  • 重いものを持ち上げて腰が痛くなった
  • 朝起きてしばらくしたら首を動かすと痛くなってきた
  • クルマを運転していて足が痛くなってきた


 そして一番多かったのが「なんでなったのかわからない」でした。
 痛みの発生のきっかけは若い人ほど明確に覚えています。年配の人ほどどうして痛くなったのかわからないと言います。
 体の不調や疲労が積み重なって症状が出てきます。そんな前のことなんか忘れてるので何がきっかけなのかわからないのです。少しずつ積み重なっていくのが分かりにくくしている要因です。
そしてほんの些細な日常の動作で、あれよあれよという間に痛みが強くなってきます。

日ごろからのメンテナンスが大事


 腰痛のベテラン?になると一年のうちでいつ悪くなるかが分かるといいます。
もし、いつも体のどこかに違和感や痛みを感じていたら生活習慣を考えなおした方がいいでしょう。その症状がひどくなっているようでしたら施術を受けた方がよいかもしれません。こういった症状の多くは重篤な病気の前触れとは限りませんが放置しておくことは将来のQOLを低下させる要因となります。

早めの施術で難を逃れる


 どんな病気もそうですが、ぎっくり腰や寝違えなどの急性症状は起こってからすぐに治療したほうがはやく良くなります。耳鳴りやめまいなどもそうです。
筋肉に原因がある痛みだと、発病してから時間がたつにつれ症状がひどくなるだけでなく筋肉のこわばりも強くなり、場合によっては炎症を引き起こして良くなるまでに時間がかかってしまいます。

冷え性を訴える女性のはなし




 72歳の無職の女性が「手足の冷えと両ひざ痛」を訴えて1年前に受診されました。
 4年前から整形外科でひざに注射(ヒアルロン酸?)をしながら良好に経過していました。当院受診の2カ月前に体操を頑張ってやったところひざ痛が強くなりました。MRI検査では3年前の状態と変わりないといわれ、とりあえずはほっとしたとのことですがひざ痛は強くなっています。ひざを曲げなければ痛くないのですが歩いたり動かすと痛いそうです。ひざの内側に痛みがあるといいます。冷え性は若いころからで、手のひらから指にかけてと、ひざから下が冷えるとのことです。お風呂に入ると一時的に温かくなるのですがすぐに冷えて来るそうです。約10年前に腰椎椎間板ヘルニアの手術をして良くなっています。
 からだを見せてもらいました。中肉中背で血圧は少し高めでした。食欲や睡眠に問題ありませんでした。



 ひざははれや炎症はなく可動域も問題ありません。右大腿四頭筋が緊張していました。左は右よりも軽いですがやはり緊張が強く出ています。
 関節に問題がないので大腿四頭筋の筋痛症と考え、この筋肉のコリをとって血行を良くしてひざの痛みが改善するよう鍼灸することにしました。冷え性については東洋医学的な観点からツボや経穴を調べて弱っている部分を補うように施術しました。自宅では大腿四頭筋のストレッチと筋トレをしてもらうことにして、やり方を指導しました。
 1か月間5回の施術でひざ痛がなくなり手足がぽかぽかになったので継続施術を終了し、メンテナンスとして月一回の受診で体調管理をすることになりました。
 その後約1年間は毎月施術をし元気に過ごしていました。その都度、ひざや冷え性の増減はありましたが問題視するほどのことはありませんでした。メンテナンスをしているおかげだと私も患者さんも喜んでいました。
 それが昨年秋ごろから来院されなくなり半年が過ぎました。3月になり予約のお電話の後来院されました。お話を伺うと、3月に入ってふらつきと冷え性が強くなってきたといいます。ひざは痛くないとのことでした。来院されていなかったこれまでのことを伺うと、コロナで孫の学校が休みになったり、親の都合で孫守りをすることになって受診できなかったそうです。鍼灸だけでなく趣味や友達付き合いもできなかったといいます。
 この方は冬の寒冷や孫のお世話の疲れやストレスで体調を崩したことが分かりました。冷え性とふらつきは東洋医学ではセットと考えます。「冷えのぼせ」です。冷えのぼせを改善するよう施術し、お家では足湯をするよう勧めました。2週間3回の施術で症状はなくなりました。しかしお孫さんのお世話はまだ続くので施術を継続しています。
 鍼灸治療は症状の改善だけでなく、体調管理のメンテナンスにたけています。昔はお家でお灸をしていました。今では自分でお灸をする人はほとんどいらっしゃいません。ですから月1~2回治療院に来てもらって施術することを勧めています。



おわりに


 異常気象と言われて久しいです。夏と冬が長く続いて春と秋が短いという1年が続いています。冷暖房があり、クルマがあり、食環境がよくなった現代でも人間のからだはむかしと変わっていません。
 東洋医学の基本は自然と人間の調和にあります。その調和が崩れかけている現代、どうやって健康を守ればよいのでしょうか。南北に長い日本ですから北と南では健康を維持するやり方が違って当たり前です。気候などの外的環境と体内環境とストレスなどの精神環境の調和を考えて過ごすようにしましょう。
 

この記事を書いたプロ

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