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中田和宏

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

中田和宏(なかだかずひろ) / 鍼灸師

トキの森鍼灸院

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コラム

育児疲れでもうへとへと。お母さんの強い味方、それはこのツボ!

2021年10月15日 公開 / 2021年10月28日更新

テーマ:はりきゅうとツボ

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 鍼灸治療不妊鍼灸育児休業 申請



 古くから鍼灸治療、特にお灸は病気の治療だけでなく健康保持増進として庶民の強い味方でした。

 明治以降、現在に至るまで様々なお灸に関する研究がされてきています。

 お灸をすえることで免疫を強くする白血球や抗体の産生が増加します。

 結果、感染症にかかりにくくなると言われているのはそういった研究の成果の一つです。

 アフリカで結核治療にお灸を足の三里にしているって知ってましたか?

 よくお灸をすると白血球が増えるって言われますが、白血球が増えすぎるとそれは白血病なんで、コトバに注意です。

 正しくはほどよく増える。この辺のあいまいな結論が現代の医学研究としては相容れないのかもしれません。

 たくさんの人からデータを取ってみると、低下している人は増え、増えすぎている人は減る傾向になるのが鍼灸治療の面白いところです。

 結果として増加も低下もしない真ん中へんによっちゃうもんだから効果がないとみなされることになるんです。

 患者さんは調子が良くなったって喜んでるんですが。



 さて、今回のケースは38歳のお母さん。

 3年前の出産後から体調が思わしくなく、加えてお子さんが幼稚園に行くようになってからいろいろな感染症を家に持って帰るようになって、それがお母さんにうつって咳や熱が1ヶ月ごとに起きててしんどくてどうしようもないと相談に来ました。

 子供が大きくなって幼稚園や保育園に行くようになりやれやれと思ったら、熱を出してすぐ帰ってくる、園でインフルエンザだお休みだ、治ったと思って登園しだしたらまた別のカゼをもらってきてはお休みに。なんてことはよくあることです。

 彼女は専業主婦。スッキリしない体調で家事をし、子守をし、子供が熱を出したら看病をし、あげくに自分もうつって熱発を繰り返しています。

 子供は大きくなればそんなに病気をもらってこなくなるものですが、どうもお母さんは体調が悪いせいで軽い風邪でももらってしまうようです。そして体力がないのでひどくなってしまう。

 友人に鍼灸治療のことを聞き、当院を受診されました。お話を伺ったところ、もともとは明るく活動的な方のようです。

 それから数日前に寝違えをして右の首が痛いのでその治療もしてほしいとのことでした。

①寝違えによる頸肩部痛

②産後の体力低下と抵抗力の低下による倦怠感

の2つを治療することにしました。

 右寝違えの痛みをまず取らないとつらいので当初は連続して毎日治療することにしました。

 さいわい首や肩の筋肉に炎症はなかったので鍼治療で対処することにし、それが落ち着いたら体力回復を目指して週1~2回の灸治療に切り替えると伝えました。

 灸治療を中心に冷え取りと食欲の調節(食べすぎないように)を目指します。灸治療は太極療法という方法を取りました。 

 全身の15箇所のツボに小さなお灸を3つづつすえていきます。

 時間にして15分ほどで終わります。熱くありません。

 お灸が気持ち良いとおっしゃってました。ちなみに体調が悪いと熱くなく元気になってくると熱く感じます。面白いですね。

 治療の経過です。3日続けて治療して寝違えは治りました。

 その後、家事労働で肩が凝れば鍼治療を併用しつつ灸治療を継続しました。

 途中、カゼを引いて熱発したこともありましたが2ヶ月間で8回の治療を行い、体調が良くなりました。

 起床時のだるさがなくなり、子供の風邪がうつらなくなり、どか食いをしなくなりました。

 元気が出てきたせいか、自宅でパソコンを使った仕事にチャレンジするようになりました。

 その後2ヶ月間、2週間に1度程度の治療を続けましたがまったく風邪を引かず(お子さんが引いているにも関わらず!!)、お灸が熱くなってきたこともあり、治療を終了しました。

 今回のケースは、お子さんが風邪をひいていても、お母さんが元気だったらうつらないという良い結果を短期間のうちに出せました。

 若い方だったこと、熱心に治療に通ってくれたこと、お灸を嫌がらなかったことなど、早く良くなる条件が揃っていました。

 お母さんの強い味方、それはこのツボ

「三陰交(さんいんこう)」

 場所は足首の内くるぶしの7cm上、すねの骨のきわにあります。3つの経絡が交わる場所と言われていますが、昔は二つしか交わっていません。いつの時代にか誰かが名前に合わせて真実?を捻じ曲げた可能性があります。三陰とは厥陰・少陰・太陰の太陰のことでした。三陰交は足太陰脾経という経絡に所属しています。




 すねの内側のツボはおなかの症状に効果があります。婦人科系や消化器系、泌尿器系です。

 ですから月経障害、不妊症、周産期のマイナートラブル、冷え性、便秘、膀胱炎などの症状の緩和に使われます。お母さんに限らず女性の強い味方です。

 三陰交はお灸が良く合います。最近では市販の簡単なお灸が売っていますので利用するとよいでしょう。

 やけどが心配ですがほとんどの製品がやけどにならないよう熱さをおさえています。また、お灸する場所が湿っているとやけどしやすいのでティッシュペーパーなどで汗や水分をふき取ってからお灸をするとやけどにならずにすみます。

 お灸が苦手な方は鍼のメーカーから「こりスポッと」というものが出ています。Amazonで購入できますし、当院で購入していただければツボとり貼付サービス付きです。

 むかしから産後の肥立ちが悪い、カゼを引きやすい、胃腸の調子が悪いなどの症状には、鍼灸師にツボを教えてもらい自宅でお灸をすえました。
 
 セルフケアとしていい習慣です。治療にいらしていただければお灸のツボをマークします。

育児につかれたら「三陰交」を押せ!

この記事を書いたプロ

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