老後に広い家は要らない!? 適切な住まいの広さ
高齢者の家庭内の事故の多さが問題になっています。「老後の生活のためのリフォーム」を考える際のポイントを見てみましょう。
家庭内で起こりやすい高齢者の事故
東京消防庁の統計によると、平成27年に日常生活における事故によって救急搬送された人は約12万9千人。その半数以上が高齢者となっています。
また同統計では、高齢者の事故の中で最も多いのが「転倒」によるもので、救急搬送された数は48,205人となっています。
いずれも東京消防庁管内のみの数字です。全国レベルで見れば、もっと多くなるでしょう。
問題なのが事故の発生場所です。発生場所は「住宅等居住場所」が最も多く、次いで「道路・交通施設」ですが、「住宅等居住場所」を「屋内」と「屋外」に分けてみると、屋内での発生が9割以上を占めているそうです。
寝たきりになるおそれも・・・
内閣府もまた「高齢者の家庭内での事故」への注意を呼びかけています。そして、事故原因として「転落」「転倒」の多さを指摘していますが、注意したいのは高齢者の場合、転落や転倒によって骨折する危険が高いという点です。
転落・転倒による骨折部位は肩、手首、背骨、大腿骨が多く、なかでも大腿骨の骨折は治りにくく長期間の安静が必要になり、寝たきりになるケースも少なくありません。
危険を回避する住宅リフォーム
高齢者の家庭内の事故は、立ち上がる・座る・歩くという日常のごく自然な動作中に起きるという特徴があります。
そこで「老後の生活のためのリフォーム」として、まず、考えたいのがバリアフリーです。家の中にある「段差」という危険要因をできるだけなく少なくするということです。
また、階段、廊下、浴室、トイレ、玄関は事故が起きる危険性が高い場所です。それぞれに手すりを設け事故を未然に防ぎましょう。
リフォームに際しては、家の中の「危険要因をなくす」、そして「危険に備える」、この2つの観点から検討を加えていくことが大切です。