老後に介護しやすい家をつくるには動線確保が重要
高齢者の家庭内の事故で多いのが転倒・転落です。そのため、床に用いる素材については視認性があり、万が一転んでもケガが少ないように、衝撃をやわらげてくれるタイルカーペットなどをおすすめします。
高齢者が家庭内で転倒する理由
高齢者の家庭内での転倒事故の原因として「つまずく」ということがあげられます。ちょっとした段差につまずき転倒するケースが多いのです。
そして、もう一つの大きな原因が「滑る」ということです。若いうちは、「滑り」に瞬時に対応することができても、高齢になり、筋力・運動神経が衰えてくると体を立て直すことができず転倒してしまうのです。
フローリングにスリッパは危険
現在、住まいの床材としてフローリングが多く普及しています。
そして、そこをスリッパを履いて歩きます。このフローリングにスリッパという組み合わせは非常に滑りやすく、足元に不安がある方には転倒の危険性があります。
そこで、この「滑りやすさ」を抑える床材が求められることになります。
高齢者が多く利用する施設(病院や老人ホーム)では、床材として塩化ビニールシートが使われています。一般のマンションでも、キッチンや洗面室など水回りの床材として使われているものです。
しかし、家の中に塩化ビニールシートを敷き詰めるのは、少し味気ないかもしれません。
そこでおすすめしたいのがタイルカーペットです。
タイルカーペットの有効性
タイルカーペットは、フローリングのように表面がつるつるしていません。この点で「滑り」による転倒防止に有効です。万一の転倒の際にも、その衝撃を和らげる効果があります。
また、高齢からくる視力の低下も転倒の原因の一つです。タイルカーペットはこの点でも優れた床材です。
同色のものばかりでなく、例えば2色のタイルカーペットを使うことで床面の色に変化が出ますので視認性を上げることもできます。
この他、滑りにくい床材として、コルク床、防滑加工フローリングなどがあります。
高齢者の方がなじみのある畳は衝撃を吸収してくれるのですが、滑りやすい、また視認性が低いというのがデメリットとして挙げられます。