熱の効果か
母の、2年ぶりの更新結果は要介護5だった。
介護保険制度上では、最重度である。
通知を見た時、何とも言えない、重い気分になった。
ケアマネジャーに報告すると、「複雑ですね・・・」と、言ってた。
(そう、そう言いたかった気分)
2年前よりは確かに、介助が必要なことは増えた。
前から手を引いたら歩けていたのが、もう一人、後ろから支える係?が要る。
お箸で少しは自分で食べる時もあったが、もう口を開けるだけ。
しゃべる言葉も、文章はもうめったに出てこない。
それでも、相変わらず、ナイスなタイミングでの相槌や聞き間違えの反復をして
笑わせてくれるし、秋ごろはむせることが増えて、飲み物は全てとろみをつけていたのが、最近はまたなんでも飲めるようになっている。
食事も、口を開けるだけだが、口から入ってくるものが何かは判断できている。
麺類ならすするし、オカキならしっかり奥歯で噛む。
まだまだできることがたくさんあって、わかっていることもたくさんあって、
それを伝えることもできるのに・・・
なんというか、これから先の、
まだどうなっていくのかまったくわからないその先、
今もうすでに要介護5になってしまったら、
その先は、なんなのか、どうなるのか、
その先のほうがよっぽど長いように思えるのに
単に数字のランクだけでない、
先の見えない不安が、
5という数字にかんたんにまるめこまれたような、
5という数字には、なんの恨みもないのだけれど、
なんともいえない「複雑」な感じがある。
だからといって、先週の母と今週の母になんの違いもないのだけれど。
これからも目の前の母をみるだけだよね。
母と「今」を一緒に過ごすだけだよね。
その時その時、いろいろ起こったとしても。
今度は、好きなモノ、何食べようか
美味しそうに食べる母の顔。
そんなことだけを一生懸命考えていたい。