もみ・・・じ
父の回復があまりに早く、いろいろと振り回されていて、
母のことは全くすっかり忘れるぐらいになってしまってますが、
これは、先週のこと。
先週の日曜日、
東京から幼馴染のみっちゃんが、父のお見舞いにはるばる泊りがけでやってきてくれたので、夕方、小規模多機能施設へ母を迎えに行った。
奥の席から、スタッフさんに手を引かれてこっちに歩いてきた母。
私の顔を見るなり、笑顔になって、「あぁ~~」と言った。
「あらあら、やっぱりわかるんやね~」とスタッフさん。
いやいや、私が誰かはもうわからないのだ。
それでも、瞬間、母の中で何かがつながったんだろうな。
すごいすごいうれしかった。
この奇跡がまだまだ続く。
うちの車に乗って帰ってきたのだけれど、運転しているのは、もちろん父ではない。
父よりでかい、ごつい、若い・・・???
顔をじっと見て、「すごいお父さん」と言ったらしい・・・(すごいの意味は、いったい??)
そして「お父さん、いない」とも言ったらしい・・・
車が家の前に着いた時、「自分の家」と言った。
部屋に入って、いつもの食卓の椅子に座って、みんなでおやつを食べようとした時、
「帰ってきた~」と言った。
どれもこれも、その状況にぴったり合った大正解なコンメント。
そして、月曜日の朝、迎えに来てもらうまで、
いつものように、歌って笑って、楽しく過ごしたのでした。
車が動き出したとき、こっちは思わず涙がでかけたけれど
母は何を気にすることもなく、後ろを見ることもなく、行ってしまった。
母は、まさにこの瞬間を生きているんだと思った。
過去も未来も、思い煩うことなく、ただ、今この瞬間、
感じたまま、浮かんだままを言葉にして、表情にして、しぐさにして。
その瞬間に寄り添えて、よかった。
大好きな人たちと一緒に、過ごせて、本当によかった。