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立てないときは

坂部智子

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テーマ:母の介護

今朝、母を起こしてトイレに連れて行こうとしているはずの父が
「あかんあかん~」と大きな声で叫んでいる・・・
おどろいて部屋をのぞくと、ベッドから降りて立ち上がった母が
床に座り込みかけていて、その母の両手を父が必死でひっぱって立たせようとしていた・・・
母は、お尻を下そうと足をつっぱって、すごい力で父の手を引っ張っている。
父は、中腰の危うい恰好・・・

思わず、「いいからっ、座り!!」と言って、座らせた。
しばらく母と一緒に床にしゃがみこんで、落ち着いたようなので
「立てる?トイレいこか?」ときくと、「ふん」と言う。
ゆっくり手をもって、一緒に立った。やれやれ。トイレにも無事に行けました。

運動機能的には、母はまだ十分立てるし歩けるので、
上記のように座り込んでしまっても、気分が乗りさえすれば、また立てる。
父のように、へんな中腰で、力で母を引き上げようとすると、
自分が“ギックリ腰”になりかねない。若い時から←は常習なので、要注意なのに・・・

万が一、床にへたり込んでどうしても立てなくなった場合は、
電動ベッドを下までおろすと20cmほど(マットの厚みを入れても30cm弱)なので、
膝立ちか、四つ這いもどき・・・の姿勢になると、そのままベッドに倒れ込める。
ベッドに上がってから、また高さを上げる・・・ことで、無事にベッドには戻れるのだ。

父も、「あ~そうか・・・」と言っている。
落ち着いて話すと、「そやそや、前にも聞いとったなぁ~」と笑うが、
とっさにはやっぱり焦ってしまって、絶対引き揚げなアカンっ!!と、
ムキになってしまった・・・という。トイレにも連れていかなアカンし・・・と。

トイレは、そのためにポータブルがあるねんし、
無理なら、寝転がってオムツを替えることもできる。
瞬間的にそこまで頭が回らなくても、基本は母の動作に逆らわない・・・ことが大事。

やはり、寒くなると、母もどうしても動きが悪くなるのだなぁ・・・と思った。
夏場に出来ていたことが、またいろいろ出来なくなってくるかもしれない。
が、ある程度は予想がつくので、父にもくれぐれも焦らないように話した。
父の体力の衰え・・・も、少しずつ、進んでいる気がする・・・なぁ・・・

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