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まきずし状態にして

坂部智子

坂部智子

テーマ:母の介護

夏以来、しばらく落ち着いていた母の“睡眠”だが、
またここ1か月ほど、夜、寝なくなっていた。

睡眠導入剤と安定剤を併用している。
薬を飲んで、早いと15分ぐらいで、うつらうつらとしかける。
油断していると足元がおぼつかなくなるので、
タイミングを見計らって、布団まで連れて行って、寝させる。
・・・・のに、しばらくして覗くと、掛布団をめくって、チンと座っている・・・

「寒くなるから寝とかなアカンで~」と寝転ばせながら言うと、
「うん」と言ってすぐに寝息を立てはじめる。
・・・のに、またしばらくすると起きてくる
寝さす→寝る→起きて座っている →寝さす→寝る→起きて座っている → ・・・・
ほぼ40分~1時間サイクルで、夜通し延々繰り返す・・・

こちらがついつい寝込んでしまい、次に気づいたときはもう
背中と手が冷たくなっている・・・(寒い家なもんで・・・)
足を伸ばしたまま、めくった掛布団につっぷして寝ている状態(体やらか~)。
寒いし、しんどいやろうに・・・
いったん起きてしまうと、また後ろ向きに寝転がる・・・ということが、できないようだ。
母も眠たいし、別に起きたいわけでもない(ような)のに、体は、起きて座りたがる。

実際、コロンコロンと起き上がりこぼしのように、夜通し格闘するのは、
こちらもたいがい参る・・・
二人して風邪をひきかねない・・・
いや、もうすでに鼻グズグズで風邪ぎみやし・・・

昨日、思い切って、強行手段にでた。
睡眠薬に走るのはイヤだったので、起きたがる体の方を止めることにした。
体の自由を制限させたのだ。
母の布団の上に、大判の毛布を横向きに掛けて、両サイドを敷布団に敷きこんだ。
(母 + 尿漏れ防止のミニ毛布 + 毛布 + 掛布団)を横向きの大毛布で
グルッと巻いて包み込んだ・・・という状態。

これは、いわゆる「身体拘束」か・・・と、嫌な気持ちが頭をよぎる。
(あれから、「高齢者虐待」の本を読んだり、いろいろ調べているモンで・・・)
しかし、母も“寝たい”のだと、思い直す。

寝さして、しばらくして、襖の隙間から、そっと様子をうかがう。
寝息がやんだ・・・頭を上げて、肩を起こそうとしている・・・・
首を伸ばして、右向いて、左向いて・・・
パタンと、枕の上に頭が戻ってきた・・・ら、もう寝息が聞こえる・・・
あっさり、あきらめたようだ。

あきらめるというより、一連の動きは、ほとんど無意識なよう。
その後、数回くりかえしたが、あとは朝までそのまま寝ていた・
今朝は久しぶりに母の顔もすっきりしている。

あ~~~
こんなことで、あの寝られへんかった、夜中、ほんまにイライラもしてた時間が解決するとは。
いいねんや~これで~~
ちょっとまた、いろいろ考えすぎて、私が頭でっかちになっていたのだろう。

陥りやすい罠はたくさんあるけれど、
ようは、なんのためにそうするのか。
その行為が、どんな想いから出てきているものなのか。
その結果が、介護する側される側双方にとって、少しはベタ~なものなのか。

客観的に考えてみること。
第三者にOPENにすること。

そんなこんなな、母の介護の日々。
また次何か新たな問題が出てきたときは、
もう少し気楽にいろいろ、まずやってみることができそうだ。

ひとまず、安眠確保 完了。

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