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坂部智子

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テーマ:母の介護

10月になって、めっきり涼しくなった。
自転車に乗っていると、もう心地良いを通り越している・・・寒~~!!!

敬老の日も、福祉用具の日(10月1日)も終わり。
こういう仕事や、母の介護をしていて、最近特に感じるのは、
“老い”や“介護”のことが当たり前の日常であればあるほど
なんだか、イベントめいたものが、とても遠い。
仕事柄、もちろん関わりはあるのだけれど、
私が本当に伝えたい、知ってほしいと思うのは、もっと生々しい現実。
というか、当たり前に繰り返されているその日常のあれこれ。

生々しいというと、マイナスなイメージになりかねないけれど、
けっこう、そうばかりでもない。
「母の介護」について言えば、家に戻って、毎日一緒に過ごすようになってもうすぐ3年になる。
3年前よりも今のほうがずっとずっと落ち着いて過ごせている。
母の認知症は明らかに進んでいるが。
この3年で、できなくなったコト、わからなくなったコトは、膨大。
3年前には、母の言動のちょっとしたことが、受け取りきれなくて、あれこれ思い悩んでいた。

当時の日記には、「もうあかん、ほんまかんべんしてくれ」
「いらいらする。自分が情けない、でもどうしようもない・・・」などなど
ほぼ毎日、どっかでこっそり泣いていたと思われる記載がある。

あのころの自分に、言ってあげたいことが、今はたくさんある。
こういう仕事をしている“プロ”としての気負いや、頭の中での知識やらに
がんじがらめに追い込まれているなあ~~というのが、今の私には見える。

以前に、“知恵カフェ”の「家族に介護が必要になったら」でも書いたけど、
やっぱり、一番しんどいのは、この、介護に向き合うようになる最初のところ。
“向き合う”、“受け取る”ということが なによりの大きな山。

どうやって、そこを通り過ぎたのか・・・と聞かれると、具体的な解決策は、無い。
ただ、時間が、一緒に過ごす日々の中で、
怒って、泣いて、絶望して、それでも諦めきれなくて、何かにしがみつこうとして、
そうやって、もがき倒した、たくさんの時間が少しずつ積み重なって、
気が付いたら、明らかに3年前とは違う気持ちで、過ごせていた。

最初からわかっていたのは、“こころ”の葛藤については、自分で超えるしかないということ。
知識としてわかっていた。
そのことに、かえって追い込まれた・・・という気もする。

けれど、本当に、ここだけは、誰にも変わってもらえない。
逃げたり、ごまかしたり、見ない振りしたり、先送りにすると、
それだけ、しんどい時間が長くなる。

介護の環境を整えることや、介護の技術面での援助など、
いろんなサポートはあるし、いろんな選択ができる。
イベントで、メインになるのは、やっぱりいつもココ。
ある意味、ココは、どうにでもできる。

伝えたい。
“こころ”の葛藤時代は、自分で乗り越えることだけど、その先には必ず、光があることを。
果てしなく続く、介護の渦中であっても、その光を感じることはできるということを。

そんな想いが ますます強くなっている今日この頃デス。


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