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もったいない

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

先日訪問したAさん(92歳 女性 要介護2)
事前にケアマネジャーからは、
「尿失禁があるがプライドが高いため、リハビリパンツの使用をすすめるのが難しい。」
との情報をいただいており、「なんとかうまくすすめてみて・・・」という依頼があった。

訪問時Aさんは、テーブルの上に布きれを広げて、眼鏡もかけずに針に糸を通してはった。
靴下の穴にツギをあてて繕っていたのである。
ベッドに敷いてあるハイカラな柄のタオルケット・・・は、バスタオル4枚を縫い綴じた手作りだった。
「大きい目(縫い目)やろ~~」「カッハッハッ~」と笑ってはる。

ベッドの横にポータブルトイレが置いてある。
ケアマネの依頼をなんとか伝えるために、遠回しに、ポータブルトイレの置き場所や、
ベッドからの移乗動作を聞いていたら
「間に合わへん時もある」
「パンツ濡れて、日に何回も替える」
「ちゃちゃちゃっと洗ったら済むことや。すぐ乾く」と、
あっけらか~んという感じで教えて下さった。
「カッハッハッ~」と笑ってはる。

Aさんにとっては、濡れても「自分で洗ったら済む」コトなんである。
上述のいろんな作業からもうかがえるのは、
「自分でできることは自分でする」
「使えるモンは使う」という在り方。

“プライド”なんかではなくて、「洗ったら済むパンツを いちいち履き替えて使い捨てる」
というのは単に“もったいない”のだと思った。

そらもったいない。
もちろんもったいない。
もったいないと重々承知で、それでも介護負担の軽減や、いろんなストレスからの開放など
あらゆる“正当な理由”で、使い捨てのパンツ(オムツ)を使うコトを
日々私もすすめるし、自ら母の介護でも選択している。

けれど、このAさんは、もうほんとうにあの丁寧に繕っている靴下を見たら
「自分で洗える間は、好きにパンツを濡らして」と思った。

そしてこの先、洗うことが苦になったら、
その時には 思い切ってパンツを使い捨てしてもらおうと思う。

事務所に戻ってからふと、最近よく耳にする、洗って使う“布ナプキン”(生理用です)
のことを思い出した。
吸収用の布をタオルなどにして作ったら、綿のパンツを重ねてはくよりは濡れるのが少なくなるかも。
タオルや、ツギあて用の布を活かせるから、“もったいない”はクリアできそう。
と思って、あちこちサイトを探した。

見つけた記事を、いかがなもんかと、ケアマネに提案として渡している。
さて、どういう方向にすすみますか。

自分が作るのは・・・え~~めんどくさい~~と思ってしまうけど、
ミシンも来たことやし(今だにまだ糸通しを確認していない・・・)
ちょっとがんばって、見本品を作ってみようかな。
出来たら、ここに写真を載せるぞ・・・
いつになるか・・・いやいやがんばる・・・・予定デス・・・

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