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財田和典

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財田和典(たからだかずのり) / 経営コンサルタント

株式会社リンクウィル

コラム

技術伝承はほんとうに必要なの?

2021年10月11日

テーマ:外部人材活用

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: キャリアコンサルティング経営戦略採用支援

こんにちは。「専門家を使う専門家」のコラムの翻訳者、えりかです。


今回のコラムでは、“技術伝承はほんとうに必要なの?”についてお話します。

このコラムのポイントは、“技術は伝承できるが、技は伝承するのが難しい”ということが重要になってきます。また、「技術伝承が古文書づくり」にならないように警告を出しています。

今回の話は、コンサルタントを使う側の企業にはもちろん有益な内容ですが、「コンサルタントになりたい。」「コンサルタントに転職したい。」方にも是非、お勧めします。
さて、専門家を使う専門家の話が始まります。
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今回は、最近また話題になっています「技術の伝承」についてお話します。

「技術の伝承」とは、シニア技術者の退職とともに、その人についていた技術が後進に伝承されずに失われてしまう事を課題として、そのためにDXやAIを使いシステムとして技術が継承されるようにしていくことです。技術伝承の事例としては、「暗黙知をこのように形式知にして伝承しました。」と言う方法ややり方についての素晴らしい事例が見受けられます。

さて、「技術の伝承はほんとうに必要なの?」と言うのが本日のコラムのタイトルです。


私の経験ですが、10年ほど前、ある機械メーカーから、「鋳物技術に長けた方を探してほしい。」と言う依頼を受けました。この会社はグローバル展開をしている東証一部上場企業で、しかも100年近くの歴史をもつ会社です。また、鋳造の事業もグループ内でやっておられますので、鋳物技術のわかる方はいらっしゃるだろうと思いましたが、「以前はいたが今は退職していない。」と言う回答でした。それではグループ会社も含めて、何か技術集としてまとめられたものがあるでしょうとご質問しましたところ、「それを作成した人物が既に亡くなっているので、文間の微妙なニュアンスがわからないので困っている。」つまり、「使えない。」という結論でした。
この会社では、他社で鋳物技術を極めた人材による指導として「鋳物技術の移植」というお手伝いをしました。
最初は、この会社最大の困り事である「鋳物部品の品質不良対策」から入りました。どんどん成果が出るにつれて、鋳物技術の奥の深さに驚かれました。そして、社内の「技術古文書(その会社での表現)では書かれていない、他社では常識の技術だが、当社にとっては目から鱗の新しい技術を吸収しないといけない。」と言うことになり、大学院卒のある若手社員を選任担当者として任命し、「彼を当社グループで鋳物のわかるNo.1にする。」と言う方針が出されました。
彼を指導した先生は、「鋳物技術集とかのテキストは自分で買いなさい。テキストやマニュアルに書かれている事は、他社でも同じように学んでいるよ。それでは競争に勝てないよ。君が学ばないといけないのは、私が何十年かかって手に入れた技なのじゃないかな。」と突き放すような事を言いましたが、彼は先生の技を移植すべく、本当に一生懸命勉強しました。単に渡された文章を読んで理解するだけではなく、そこに書かれていない先生の考え方まで理解して、そこで初めて先生のやり方がそのままできるようになりました。
そして「技術の移植」に成功しました。

その結果、わかったことは、「技術と技(技能)は違う」と言うことです。
詳しく説明しますと、
「技術」はそれを持っている人が、このようにやったら誰でもこういう答えが出るという普遍的な再現性を持ち、しかも科学的に確立されたレベルにあるものと言えます。
「技術」は、その科学的に確立されていることより、進化させることができます。
つまり、ある人が持っていた「技術」の上に更に新しい観点を加え、その「技術」を進化させられます。また、「技術」は移転もさせやすい。

ところが「技(技能)」はそれを持っている人だけが使いきれるものであり、このようにやったらこういう答えがでるという個人的再現性は持っていますが、科学的な解明はされていないスキルです。

「技術」は文書化できるので伝承できる。
「技」は文書化できにくい(されていない)ので伝承は難しい。


伝承するために膨大な時間を割くより、「技」を活用することを考えた方が経営としてのメリット大である。
繰り返して申し上げますと、
「技術」は誰でも学べばわかるという「標準化」や「マニュアル化」されていますが、
「技」はその人しかやり方がわからないという「属人性」を持っています。
つまり、「技術」は、本来はそれを持っている人が他の人に指導ができ、
その結果として移転することができるものである。
「技」は人と一体化しているので伝承が極めて困難なものである。

ここでお気づきかと思いますが、
「技術」は移転=コピーできるので常に新しい技術を求める競争が避けられない。
「技」は移転=コピーできないので、それを受け継いで伝えるには一定期間の「師匠と弟子」の関係が必要です。

伝えられれば会社にとって競争にさらされにくい貴重な秘密財産になります。

「技術伝承」に膨大なパワーを割くべきか、他社では常識の技術だが、当社にとっては目から鱗の新しい技術を吸収するという「技術移植」に取り組むべきかは経営者の判断です。
しかしながら、最近の「脱炭素」「CO2削減」などの企業が避けて通れない2035年までに解決しなければならない経営課題に取り組むのは、優先順位はどちらかは明白でしょう。
社内の古文書を再度、作りますか?それとも当社にとっての新しい技を学びますか?
後者をお選びでしたら、その役割を「技神顧問」が担います。
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