弱点を直すより、強みを伸ばせ― オシム監督とストレングスが教える「人が輝く組織のつくり方」 ―

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー



強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

「できないことを直すより、できることを伸ばせ」
この言葉は、オシム監督が選手たちに伝え続けた哲学です。


日本の指導文化では、
“弱点を克服すること”が美徳とされてきました。


しかし、オシムはその逆を行きました。
「人は、苦手を克服しても平均にしかならない。


でも、得意を伸ばせば、誰にも真似できない強みになる」
この考え方こそ、現代の企業経営や人材育成に
もっとも必要とされている視点です。

日本の職場は「できない探し」が得意

多くの企業では、評価制度も研修も「改善」を前提に設計されています。

・報告書の“ミス”を指摘する

・会議で“足りない視点”を補う

・面談で“成長課題”を見つける
これらは一見、良い習慣のようで、
実は社員の“自己効力感”を削ぎ落としています。

なぜなら、「できていない部分」を見続けると、

人は「自分には価値がない」と感じてしまうからです。
やがて挑戦しなくなり、
組織全体が“守りの姿勢”になります。

オシム流「良いところを自覚させる」指導

羽生直剛さんは、オシム監督の指導をこう振り返ります。
「オシム監督は、悪いところを直そうとはしなかった。

‘良いところ’を見つけて、自分で自覚させてくれた」

たとえば、試合中にうまくいかなかったプレーがあっても、

その後に「なぜうまくいかなかった?」と問いながらも、

必ず「でも今の判断は良かった」「その発想は面白い」と
“良い点”を拾ってくれる。

選手は「自分は認められている」と感じ、
もっと考え、もっと挑戦するようになった。
まさにこの循環が、
強みを伸ばすリーダーシップの本質です。

ストレングスの視点から見る“伸ばす文化”

Gallup社の研究によれば、

「自分の強みを日常的に活かしている社員」は、

仕事への熱意が6倍高く、離職率は大幅に低いことが分かっています。

私自身、企業研修でストレングスファインダーを活用する中で、

このデータを“実感”として見てきました。

たとえば、
慎重さの資質を持つ人は「考えすぎて動けない」と言われがちです。

しかし、それは裏を返せば「リスクを最小限にするプロフェッショナル」。

彼らの判断は、組織に安定をもたらします。

また、着想や戦略性が高い人は、

周りから“落ち着きがない”と誤解されることもあります。


けれども、その柔軟な発想こそが新しい突破口になる。
“欠点”ではなく“才能の形”として見れば、
組織の見え方はまるで変わります。

「直す文化」から「活かす文化」へ

強みを活かすとは、甘やかすことではありません。

むしろ、リーダーにとって勇気のいる選択です。

「なぜできない?」と叱る方が簡単です。


しかし、「どうすればあなたの強みを活かせるか?」と

一緒に考える方がずっと時間も労力もかかる。

それでも、長期的に見れば、

“人の強みを信じて伸ばす”組織の方が、
圧倒的に成果を出します。

オシム監督がそうであったように、

リーダーの仕事は“人を変えること”ではなく、

“人の良さを引き出すこと”。
そして、その良さがつながり合うとき、

チームは驚くほど強くなるのです。

最後に:強みを活かすことは、信じること

「弱点を直す」文化は、
“人をコントロールする”発想から生まれました。
でも、これからの時代に求められるのは、

“人を信じて任せる”リーダーです。

社員一人ひとりの強みを信じ、

それぞれの持ち味が活きる環境をつくる。

それが結果的に、会社の競争力を高めていく。

オシム監督が残した言葉のように、
「個を活かすチームこそ、最強のチーム」
その哲学を、ビジネスの現場に広げていくことが、

私たちの使命だと思っています。

【関連イベント】


【オシム直伝】羽生直剛氏が明かす“個を活かす組織作り”

ストレングス専門家・山田裕介と語る経営者向け特別セミナー

【開催概要】
日時 11月22日(土)
開始 14:30 (開場14:20)
終了 16:30
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※「ストレングスファインダー」および「CliftonStrengths」はGallup, Inc.の登録商標です。
本記事およびセミナー内容はGallup社による承認・提携を受けたものではありません。

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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