指示待ち組織から、考える組織へ― オシム監督に学ぶ、“任せる勇気”がチームを変える ―

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー


強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

・「上司の顔色を見ながら動く社員」

・「自分で考えるより、言われた通りにやるほうが安全」
そんな声を、経営者からよく聞きます。


でも、社員が“指示待ち”になっているのは、本当に本人のせいでしょうか?

日本サッカーを変えたイビチャ・オシム監督は、こう言いました。
「考えない選手はいらない」
厳しく聞こえるこの言葉の裏には、

「考える力を信じ、任せる勇気を持て」というメッセージが隠されています。

なぜ、社員は考えなくなるのか

多くの組織では、「失敗を避ける文化」が深く根付いています。

・上司に確認してから動く

・報告書を何度も修正する

・自分の意見を言うと“出過ぎた”と受け取られる

このような経験を重ねるうちに、
社員は「自分で考えるより、言われた通りに動く方が楽だ」と学んでしまうのです。

けれども、これでは“考える組織”は育ちません。

考える習慣が奪われた組織は、スピードも創造性も失っていきます。

オシム流「考えるチーム」の育て方

オシム監督が就任した当初、
選手たちは「次に何をすればいいか」を指示されるのを待っていました。


しかし、彼はあえて指示を出さなかった。

代わりに、こう問いかけたのです。
「今の状況で、君ならどう動く?」
最初は戸惑い、答えられない選手も多かったそうです。


けれどもオシムは焦らず、問いを繰り返し、選手自身に考えさせた。

やがてチーム内で
・「自分の判断でプレーする」
・「仲間と意図を共有する」
文化が生まれていきました。


それこそが、自律して動くチームの始まりでした。

経営の現場でも“問い”がすべてを変える

企業においても、「指示」より「問い」が組織を強くします。
たとえば

・「この仕事、どうしたらもっと良くなると思う?」

・「お客様の立場だったら、どう感じる?」

・「次はどんな工夫をしてみたい?」
これらの問いを投げかけるだけで、
社員は“考えるスイッチ”を入れ始めます。


オシム監督がやったのは、まさにこのプロセスです。

リーダーの仕事は“答えを出すこと”ではなく、

“考えるきっかけ”をつくること。

この意識が変わるだけで、
組織のエネルギーはまるで別物になります。

「任せること」は“信じること”

私が企業の現場で感じるのは、

「任せる勇気」があるリーダーほど、
チームの主体性が高いということです。
任せるとは、放任ではありません。

相手の可能性を信じて、任せる。


そして、失敗しても責めずに、共に振り返る。
このプロセスを繰り返すことで、
社員は「考えて動く」習慣を身につけます。

オシム監督も、こう語っていました。
「人は、自分で考えたときに一番成長する」
まさにそれが、経営にも通じる真理です。

ストレングスファインダーで“考える土台”をつくる

私が活用している クリフトンストレングス(ストレングスファインダー) では、

社員一人ひとりが“どんな思考パターンを持っているか”が見えてきます。

たとえば──

・「戦略性」が高い人は、複数の選択肢を考えながら動く。

・「調和性」が高い人は、周囲との関係を大切にしながら進めたい。

・「達成欲」が高い人は、目標が明確でないと動きにくい。

これを知っているだけで、リーダーは「なぜ考えないのか?」ではなく、

「どうすれば考えやすくなるか?」に目を向けられるようになります。

“考える組織”を育てる第一歩は、人の考え方を理解することなのです。

最後に:考えるチームが、未来をつくる

今、多くの企業が抱えている課題は「社員が考えないこと」ではなく、

「考える余白がない環境をつくってしまっていること」。

リーダーが問いを投げ、信じて任せ、対話を重ねる。

その積み重ねが、“考える文化”をつくります。

オシム監督がそうであったように、

経営者が「考える力」を信じることから、
チームの未来は動き始めるのです。

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専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

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