【経営者・管理職必見】“できる人”ほど育成がうまくいかない-幹部が育たない組織の落とし穴-

強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。
「もっと感謝されたい」
「認められていない気がする」
こうした声が職場で聞こえてきたら、
それは組織の“危険信号”かもしれません。
どんなに優秀な人でも、認められない環境ではやる気を失っていきます。
逆に、小さな努力でも「ありがとう」「助かったよ」と言われる職場では、
不思議なほど前向きな空気が生まれていく。
それが「承認文化」の力です。
でも、「感謝が大事」とわかっていても、
- 「どう褒めていいかわからない」
- 「口に出すのが照れくさい」
という管理職は少なくありません。
今回は、ストレングスファインダーを活かして
“心からの承認”を職場に増やす方法と、
実際に感謝が飛び交う職場へと変化した事例をご紹介します。
↓合わせて読みたいコラムがこちら↓
“この人のためなら”と部下が思えるか?-信頼をつくる上司の「小さな習慣」-
※ストレングスファインダーとは?
米Gallup社が開発した診断ツール
全世界で3,000万人以上が実施しており、人材育成、組織開発に活用されている。
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目次
1、エンゲージメントのカギは「承認文化」
Gallup社の調査では、従業員エンゲージメント(仕事への熱意・職場への愛着)に
最も影響を与える要素のひとつが
「自分が一人の人として、上司や周りの同僚から認められていると感じるかどうか」
であることが明らかになっています。
ところが、日本の職場ではこの「承認」が圧倒的に足りていない。
褒める文化が乏しく、
- 「当たり前のことは評価しない」
- 「わざわざ言葉にしない」
が根づいているのです。
すると、やがて現場はこう変化していきます:
- 指示されたことだけやるようになる
- チーム内の会話が減る
- 「自分なんて…」と自己否定が増える
職場が冷えていくのは、「能力」よりも「関係性」の問題。
そこに気づかない限り、育成も定着も難しくなります。
2、「承認文化」が根づいた職場の変化
ある企業では、月1回の「ありがとうを伝える会」をはじめました。
やることはシンプルで、
その月に感謝を伝えたいメンバーへ、手書きのメッセージカードを渡すだけ。
最初は恥ずかしがっていたメンバーも、
徐々に「ありがとう」が飛び交う空気に慣れていきました。
すると、1年後にはこんな変化が起きていました。
- 仕事を“手伝おうか?”と自然に声をかけ合うように
- 部署を超えたコミュニケーションが生まれた
- 離職率が前年の3分の1に低下
誰かが誰かを認めることで、自分も認められるようになる。
承認文化は、心理的安全性とエンゲージメントの土台をつくる“目に見えない資産”なのです。
3、ストレングスファインダーで「褒めポイント」が見えてくる
承認を増やす上で、ストレングスファインダーは非常に役立ちます。
なぜなら、相手の資質(強み)に注目することで、“その人らしさ”に気づけるからです。
例えば:
- 達成欲が高い人 →「最後までやり切ってくれてありがとう」
- 共感性が高い人 →「気づいて声かけしてくれて助かったよ」
- 親密性が高い人 →「いつも関係性を大事にしてくれてるね」
- 内省が強い人 →「じっくり考えてくれて助かった」
ストレングスを“見る目”があれば、
日常の何気ない行動が“感謝の対象”に変わります。
そしてこれは、形だけの褒め言葉ではなく、
「相手の本質を認める」言葉になります。
だから、言われた側の心に刺さるのです。
4、「強みで承認する」文化をつくるには?
ここでポイントとなるのは、
リーダーが率先して「資質を使って認める」行動をすること。
部下のストレングスを言葉にしてフィードバックする習慣を持つと、
職場全体が少しずつ変わっていきます。
例えば、1on1の終わりにこう言ってみてください:
「さっきの話を聞いて、君の“調和性”がすごく発揮されてたと感じたよ」
「あの時すぐ動いてくれたのは、“活発性”の強みだね。ありがたかったよ」
このように、「資質」と「感謝」をセットで伝えることで、
単なる“いい人評価”ではなく、“その人ならでは”の価値を認めることができます。
5、承認文化が生み出す“心理的安全性”
「資質に基づく承認」は、相手の自己効力感(自分はやれる)を高め、
さらに「自分らしく働いていいんだ」という安心感につながります。
このような土壌で育つチームは:
- ミスを責めるのではなく、共有して学び合う
- 周囲の成功を祝福できる
- 上司・部下の関係も“人間対人間”として築ける
人が育ち、組織が変わるために必要なのは、知識やスキルよりも、
「自分の存在が受け入れられている」という感覚。
承認文化は、それを日々の中で育む“空気”なのです。
【次回コラム】
「育て方がわからない…」を超える-部下の強み発見から始める1on1-
“やる気が見えない部下”を前に、どう声をかければいいのか?
強みに注目する1on1の実践ステップをお届けします。
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