感謝が飛び交う職場のつくり方-承認文化とエンゲージメント-

山田裕介

山田裕介

テーマ:自律・自走型組織、組織開発・変革、ストレングスコーチング、コーチング、ストレングスファインダー



強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

「もっと感謝されたい」
「認められていない気がする」



こうした声が職場で聞こえてきたら、
それは組織の“危険信号”かもしれません。

どんなに優秀な人でも、認められない環境ではやる気を失っていきます。


逆に、小さな努力でも「ありがとう」「助かったよ」と言われる職場では、
不思議なほど前向きな空気が生まれていく。

それが「承認文化」の力です。

でも、「感謝が大事」とわかっていても、


  • 「どう褒めていいかわからない」
  • 「口に出すのが照れくさい」

という管理職は少なくありません。

今回は、ストレングスファインダーを活かして

“心からの承認”を職場に増やす方法と、
実際に感謝が飛び交う職場へと変化した事例をご紹介します。

↓合わせて読みたいコラムがこちら↓
“この人のためなら”と部下が思えるか?-信頼をつくる上司の「小さな習慣」-

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1、エンゲージメントのカギは「承認文化」

Gallup社の調査では、従業員エンゲージメント(仕事への熱意・職場への愛着)に
最も影響を与える要素のひとつが

「自分が一人の人として、上司や周りの同僚から認められていると感じるかどうか」
であることが明らかになっています。

ところが、日本の職場ではこの「承認」が圧倒的に足りていない。
褒める文化が乏しく、

  • 「当たり前のことは評価しない」
  • 「わざわざ言葉にしない」

が根づいているのです。

すると、やがて現場はこう変化していきます:

  • 指示されたことだけやるようになる
  • チーム内の会話が減る
  • 「自分なんて…」と自己否定が増える


職場が冷えていくのは、「能力」よりも「関係性」の問題。

そこに気づかない限り、育成も定着も難しくなります。

2、「承認文化」が根づいた職場の変化

ある企業では、月1回の「ありがとうを伝える会」をはじめました。

やることはシンプルで、
その月に感謝を伝えたいメンバーへ、手書きのメッセージカードを渡すだけ。

最初は恥ずかしがっていたメンバーも、
徐々に「ありがとう」が飛び交う空気に慣れていきました。

すると、1年後にはこんな変化が起きていました。

  • 仕事を“手伝おうか?”と自然に声をかけ合うように
  • 部署を超えたコミュニケーションが生まれた
  • 離職率が前年の3分の1に低下

誰かが誰かを認めることで、自分も認められるようになる。

承認文化は、心理的安全性とエンゲージメントの土台をつくる“目に見えない資産”なのです。

3、ストレングスファインダーで「褒めポイント」が見えてくる

承認を増やす上で、ストレングスファインダーは非常に役立ちます。

なぜなら、相手の資質(強み)に注目することで、“その人らしさ”に気づけるからです。

例えば:

  • 達成欲が高い人 →「最後までやり切ってくれてありがとう」
  • 共感性が高い人 →「気づいて声かけしてくれて助かったよ」
  • 親密性が高い人 →「いつも関係性を大事にしてくれてるね」
  • 内省が強い人 →「じっくり考えてくれて助かった」


ストレングスを“見る目”があれば、
日常の何気ない行動が“感謝の対象”に変わります。

そしてこれは、形だけの褒め言葉ではなく、
「相手の本質を認める」言葉になります。


だから、言われた側の心に刺さるのです。

4、「強みで承認する」文化をつくるには?

ここでポイントとなるのは、
リーダーが率先して「資質を使って認める」行動をすること。

部下のストレングスを言葉にしてフィードバックする習慣を持つと、
職場全体が少しずつ変わっていきます。

例えば、1on1の終わりにこう言ってみてください:
「さっきの話を聞いて、君の“調和性”がすごく発揮されてたと感じたよ」
「あの時すぐ動いてくれたのは、“活発性”の強みだね。ありがたかったよ」


このように、「資質」と「感謝」をセットで伝えることで、

単なる“いい人評価”ではなく、“その人ならでは”の価値を認めることができます。

5、承認文化が生み出す“心理的安全性”

「資質に基づく承認」は、相手の自己効力感(自分はやれる)を高め、

さらに「自分らしく働いていいんだ」という安心感につながります。

このような土壌で育つチームは:

  • ミスを責めるのではなく、共有して学び合う
  • 周囲の成功を祝福できる
  • 上司・部下の関係も“人間対人間”として築ける


人が育ち、組織が変わるために必要なのは、知識やスキルよりも、
「自分の存在が受け入れられている」という感覚。


承認文化は、それを日々の中で育む“空気”なのです。

【次回コラム】

「育て方がわからない…」を超える-部下の強み発見から始める1on1-

“やる気が見えない部下”を前に、どう声をかければいいのか?

強みに注目する1on1の実践ステップをお届けします。


株式会社ストレングスアスリードでは、

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次回もお楽しみに!

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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