リーダーにも「才能の偏り」がある-ストレングス×マネジメント実践事例-

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー



強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

「どうしてあの人は、あんなに細かいんだろう?」
「なぜ、そんなにすぐ動けるの?」

職場で交わされる“ちょっとした違和感”。
その正体、多くは「才能の偏り」から来ているのをご存知でしょうか?

ストレングスファインダーでは、誰もが34の資質(才能)を持ち、
その中でも上位にある5つほどが強く現れるとされています。

それはつまり、私たちは皆「偏っている」ということ。

完璧なバランスを持つ人はいません。
むしろ、その“偏り”こそが、リーダーとしての武器になります。

今回は「ストレングス×マネジメント実践事例」として、
ある製造業チームの中で起きた変化をお届けします。

リーダー自身が自分の資質に気づき、
マネジメントのスタイルを変えたことで、どんな影響が生まれたのか?

共感性や自己確信、達成欲などの資質がどう活かされたのか、
ぜひご覧ください。

↓合わせて読みたいコラムがこちら↓
「全員に同じように接してませんか?」-スタイル別マネジメントで“伝わる・動く”チームへ-

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1、なぜリーダーにも「偏り」があるのか?

人は誰しも、思考・感情・行動の“クセ”を持っています。
これは長年の経験や環境ではなく、生まれ持った才能(資質)のパターンによるものです。

例えば──

  1. 「達成欲」が高い人は、ゴールまでの道のりに強いエネルギーを注ぎます。
  2. 「調和性」が高い人は、対立を避け、バランスを大切にします。
  3. 「内省」が強い人は、即断よりも考える時間を優先します。

これらはどれも“正解”。

しかし、自分と異なる資質を持つ相手と仕事をするとき、
「なんでそうなるの?」という摩擦が起こります。

リーダーが自分の偏りを知らないまま部下と接すると、
そのズレがチーム内に緊張を生み、やがてエンゲージメントの低下へとつながります。

2、事例:自己確信と達成欲が強いリーダー

A社(製造業)での事例をご紹介します。

リーダーのBさんは、
「自己確信」「達成欲」「目標志向」といった資質がトップ5に入っていました。
彼の特徴は、決断が早く、目標達成に対して強いコミットを持つこと。

部下に対しても「やる気とスピード」を強く求めるタイプです。

一方、部下のCさんは
「内省」「共感性」「調和性」といった、関係性や思考の深さを重視するタイプ。

Cさんは「言われたことは理解したいし、
自分の中で納得してから動きたい」と考えるスタイルでした。

この2人の関係は、最初はうまくいっていませんでした。
Bさんは「なぜ即座に動かない?やる気がないのか?」と感じ、
Cさんは「なんでそんなに圧をかけるの?怖くて意見が言えない」と感じていたのです。

3、ストレングスファインダー導入で起きた変化

そんな中、全社員でストレングスファインダーを受検し、
結果を共有するワークショップを実施。

資質の違いが「優劣」ではなく「特徴」であることが伝えられました。

Bさんは、Cさんの「内省」が強く出ていることに驚きます。
「俺だったらすぐやるけど、彼は“考えること”が才能なんだな」と初めて理解しました。
そして、「すぐ動け」と言うよりも、
「一度考えを聞かせて」と声をかけるようになります。

Cさんも「Bさんは“考える”より“やる”が得意なんだ」と理解し、
「とりあえず一歩動いてからでも、自分の考えを伝えていけばいい」と思えるように。

結果として、2人の間には信頼と尊重が生まれ、チーム内の空気も柔らかくなっていきました。

4、 偏りを“強み”として活かすマネジメントへ

ストレングスファインダーが教えてくれるのは、
「誰もが偏っている」ことを“前提”にマネジメントを考えることの大切さです。

Bさんのような「目標達成型リーダー」は、
チームに推進力を与える一方で、部下の心情を置き去りにしてしまうリスクもあります。

逆に、「関係性重視型リーダー」は、
チームの信頼関係を育む一方で、決断の遅れが課題になることもあります。

どちらが良い・悪いではなく、
「自分がどう偏っていて、どんなサポートが必要か」をリーダー自身が知ること。
そして、「自分と違うタイプの部下」とどう関わるかを考えることが、マネジメントの第一歩になります。

5、チームが変わる瞬間

BさんとCさんの変化を見た他のメンバーも、
「自分ももっと相手を知ろう」と意識を変えていきました。

そして、「このメンバーなら相談できる」「このリーダーならついていける」
と思える関係が生まれていったのです。

チームが動き出すきっかけは、いつも“関係性”の変化から。
その最初の一歩が、「自分の資質を知る」ことだったのです。

【次回のコラム】

感謝が飛び交う職場のつくり方-承認文化とエンゲージメント-
「褒めたいけど、何をどう褒めたらいいかわからない…」という管理職の方へ。

ストレングスファインダーを活用して、
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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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