心理的安全性は“空気”ではなく、意図的につくるもの-信頼を生むリーダーの3つの行動習慣-

山田裕介

山田裕介

テーマ:心理的安全性、ストレングスファインダー、強み、才能



強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

「最近の若手は何を考えているか分からない」

「声をかけても反応が薄いし、本音が見えない」

「部下が何を感じているのか、まるでわからない」


そんな“見えない壁”に、もどかしさを感じていませんか?
以前のコラムで書きましたが、最近ご相談を受けるのことが多いのが
若手とのコミュニケーションギャップです。

“適度な関わり”とは、どうやって築くものなのでしょうか?

それを支える鍵が「心理的安全性」です。

本日は、成果を出すチームに共通する“信頼の土壌”を、
どうすれば上司が意図的に育てられるのかを解説します。

↓合わせて読みたいコラムがこちら↓
心理的安全性=“仲良しクラブ”?-その誤解が組織を止めている

1、心理的安全性は、雰囲気ではなく「仕掛け」から始まる

心理的安全性とは、
「ここで自分らしくいても大丈夫」と思える状態のこと。

Googleが成果を出すチームを分析した結果、
最も重要な要素は「心理的安全性」だったという調査結果
(プロジェクト・アリストテレス)も有名です。

しかし、心理的安全性は“仲がいい”ことではありません。

  • 表面上は穏やかでも、沈黙が支配している
  • 空気を読んで、言いたいことを言えない
  • 本音よりも「正解」を探して発言してしまう

これは「安全」ではなく、「不安定な平和」です。

本当に心理的安全性があるチームとは、

意見の違いが尊重され、ミスや質問が歓迎される文化を持つチーム。

そしてその土台は、リーダーが日々の“ふるまい”
で、
意図的につくるものなのです。

2、心理的安全性を育てる、リーダーの3つの行動習慣

① 「できていない自分」を見せる

完璧なリーダーの背中を見て、部下は憧れるかもしれません。

でも、「完璧すぎる存在」は、逆に距離をつくるのです。

  • 「実はあのとき、判断を迷っていた」
  • 「私にも苦手なことがあってね」

こうした“弱さの開示”は、部下にとって
「話してもいいんだ」と感じられるきっかけになります。

「この人も人間なんだ」と思えたとき、
初めて人は本音を話せるようになるのです。

② 「まず受け止める」が基本姿勢

部下が勇気を出して発言したとき、

最初に否定や正論が返ってきたら、もう二度と話してくれなくなります。

  • 「そういう視点もあるね」
  • 「それ、面白いアイデアだね」
  • 「話してくれてありがとう」

こうした“肯定から入る”コミュニケーションが、
対話のドアを開きます。


ストレングスファインダーやDiSCなどを活用すると、
「自分とは違うスタイル」への理解が深まり、
無意識の否定を防げるようになります。

※ストレングスファインダーとは?
米Gallup社が開発した診断ツール
全世界で3,000万人以上が実施しており、人材育成、組織開発に活用されている。
詳細が知りたい方は、こちらをクリック

※DiSCとは
DiSCとは、1人間の行動特性を
「D(Dominance)主導」「i(Influence)感化」
「S(Steadiness)安定」「C(Conscientiousness)慎重」の
4つのスタイルに分類・分析することで、
自己理解だけでなく他者理解を深め、
相手との適切なコミュニケーションを促進します。

③ “聴く習慣”を設ける

忙しい中でも、部下の話を「聴く時間」をあえて取っているか?

  • 週1回の1on1
  • 月1回の“フィードバックMTG”
  • 日報に「今週の気づき」「今の不安」欄を設ける

こうした「聴くための仕組み」は、

部下に「聞いてもらえる安心感」を与え、
主体的な発言と提案を引き出します。

3、【事例】「指示待ち」と呼ばれていた部下が、自ら動き始めた

B社のマネージャーである高橋さん(仮名)は、

「どうせ言っても、また否定される」と部下から思われていました。

資質で見ると、彼は「最上志向」「規律性」「達成欲」が強く、

“質の高いアウトプット”を求める完璧主義タイプ。

しかし、部下の資質には「共感性」「内省」「調和性」が並び、

“安心できる環境”でこそ本領を発揮するタイプでした。

最初に高橋さんが始めたのは「弱さの開示」。

  • 「自分にも苦手なことがある」
  • 「ミスしても、責めないから言ってほしい」

次に1on1を導入し、「聞く時間」を増やしました。

すると、1ヶ月後には「○○のやり方、変えてみてもいいですか?」と

今まで自分から動かなかった部下が、提案をするようになったのです。

5、まとめ

心理的安全性は“空気”ではなく、
上司の言動によって生まれる“文化”です。

  1. 弱さを見せる
  2. 否定しないで受け止める
  3. 聴く場を設ける

この3つの行動習慣を、意識的に取り入れることで、

「この人の前なら、安心して話せる」チームができていきます。

そしてこの安全な土壌があるからこそ、

次回のテーマである「信頼」も育っていくのです。

【次回コラム】

“この人のためなら”と部下が思えるか?
-信頼をつくる上司の「小さな習慣」-


心理的安全性の次に必要なのは「信頼の蓄積」。

上司が何気なく行う“あの一言”や“ちょっとした行動”が、

部下の心に火をつける力を持っている。
その秘密をお届けします。

「部下が本音を話してくれない」
「チームの空気がどこか重たい」
そんな課題を感じている方へ。

ストレングスファインダーやDiSCを活用した

心理的安全性と信頼関係を高めるマネジメント支援を提供中です。

まずは無料相談・資料請求から、お気軽にどうぞ。
【↓お問い合わせフォームはこちら↓】
お問い合わせフォーム

次回もお楽しみに!

↓会社案内はこちらから↓

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

社員のやる気を引き出すリーダー育成、オーダーメード研修のプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫のビジネス
  4. 兵庫の人材育成・社員研修
  5. 山田裕介
  6. コラム一覧
  7. 心理的安全性は“空気”ではなく、意図的につくるもの-信頼を生むリーダーの3つの行動習慣-

山田裕介プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼