【完全保存版】ストレングスファインダーとは何か? -“自分を知る”が、すべてのマネジメントを変える-

山田裕介

山田裕介

テーマ:心理的安全性、ストレングスファインダー、強み、才能


強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

・「なぜ部下とわかり合えないのか?」
・「伝えているのに、伝わらない…」
そんな経験はありませんか?

実はその原因の多くは、“価値観のズレ”です。

自分の“当たり前”が、他人にとっては“非常識”かもしれない。
このギャップを放置したままでは、いくら制度や評価を整えても、組織は動きません。

今、組織の関係性を根本から変えるカギ──
それが、「ストレングスファインダー」です。

今、多くの企業の経営者・管理職の方と話をしていて
一人として、嫌われる上司になりたい!なんて思っている人はいません。

問題なのは、自分が当たり前にしてしまっていることが
実は、社員にとっては「不快に感じていること」なのかもしれない!
ということに気がつくこと。

このコラムでは、ストレングスファインダーの誕生背景から、
理論、活かし方、職場での実例までを“完全解説”します。

1.なぜ今、ストレングスファインダーが求められるのか?

数字で見る「やる気のなさ」

ギャラップ社が2022年に発表した
日本の労働者のエンゲージメントデータは衝撃的でした。

なんと、、、

  • やる気のある社員:5%(世界最下位)
  • 71%は意欲なし
  • 24%は周囲に不満をまき散らしている



私も企業研修に行くと、冒頭に毎回訪ねている質問があります。
「皆さんは、毎日うきうきしながら仕事に臨むことができていますか?」
あなたの会社で、質問をするとどのぐらいの社員が手を挙げるでしょうか?

例えば、30名ぐらいの参加者の中で
遠慮がちに手を挙げてくれる人が、1、2名いるか、いないかです。

本当に残念な状況だと感じています。

なぜなら、こんなに豊かな国に生まれてきたはずなのに
仕事を心から楽しんできる人が、全然いない、、、

私はこの状況を目の当たりにするたびに
自分の仕事の意義を感じずにいられなくなります!

そして、この数字の背景には、経済構造と価値観の変化があります。

変わる仕事への価値観とマネジメント

今、大きく時代が変化しています。
それに伴い、仕事やマネージメントに対する価値観も大きく変化しています。

私が社会人になりたての頃は
「黄色と黒は勇気の印、24時間戦えますか?
 ビジネスマン、ビジネスマン、ジャパニーズビジネスマン」
というCMが流行ったように、がむしゃらに働く、モウレツサラリーマンが
称賛されていましたが、現在の若者の間では通用しません。

むしろ、24時間働けなどといった日には、パワハラだと言って
訴えれる時代です。
世界中で働く人々の職場ニーズが劇的に変化してきています。


今の時代、人は
・「自分が価値を発揮できている」
・「自分らしく貢献できている」
と思えない職場に魅力を感じません。

その意味で、人の個性や価値観を大切にする
「強みに基づく人材開発」こそが、
これからの人材育成・組織開発の要になると確信しています。

2.ストレングスファインダーとは何か?

開発の背景

ひとが、弱みを直そうとするのではなく
強みを活かすことにフォーカスしたら
どうなるのだろうか?
ドン・クリフトン(開発者)博士の疑問から誕生しました。

アメリカのギャラップ社が約200万人へのインタビュー調査を元に
開発した“才能発見ツール”

5000個以上のユニークな行動・思考のパターンを抽出し、
34の資質(才能クラスター)に分類。

その人が無意識に繰り返している
“感情・思考・行動のパターン”を可視化します。

34の資質と4つの領域

ストレングスファインダーは、
一人ひとりが持って生まれた“才能の種”を、
34の資質に分類して可視化しています。

これらの資質は、
あなたが「無意識に選んでいる感情・思考・行動のパターン」。
だからこそ、自分では気づきにくく、「なぜそうしてしまうのか」が
説明できないこともあります。

でもこの“無意識の才能”こそが、あなたにしかない強みの原石。

大切なのは、これらの資質には「必ず二面性がある」ということです。
ときに「強み」として周囲に貢献する一方で、
場面や相手によっては
・「ちょっと扱いにくい人」
・「配慮に欠ける」
と捉えられてしまうこともあるので、要注意が必要です。

だからこそ、「気づき」から始まる強みのマネジメントが必要です。

自分の資質を理解し、意識して使えるようになることで、
・つい出過ぎてしまう部分をコントロールできるようになり、
・眠っていた強みが職場や日常で発揮されるようになります。

そして、自分の価値を再認識し、
他者の“違い”を尊重できるようになったとき、
チームや組織は自然と変わり始めます。



3.才能と強みの違いとは?

才能とは、人の「鼻」です!
と研修ではお伝えしています。

理由は、
人の「鼻」は自分では見えそうで、見えない。
でも、人からは丸見えですよね!

才能も同じで、自分では「見えそうで、見えない」
でも他人から見たら、結構丸見えだったりするものです!

言葉の定義

  • 才能(Talent):無意識で繰り返すパターン(原石)
  • 強み(Strength):意識的に磨き、成果に結びつけているもの


強みの構成要素

では、どうやって、才能が強みなっていくのかというと
才能 × 投資(知識・スキル・経験)= 強み
だからこそ、まずは「才能」に気づくことが第一歩になります。

4.“強み”を活かすと何が起きるのか?

ギャラップ社は、世界中の成功しているチームにヒアリングを行い
どうすれば、売り上げが上がるのか?を導き出しています。

それがこちらのギャラップ・パスです。


株価を上昇させるために、ポイントとなるのが
1、エンゲージした(やる気のある)従業員
2、強みを特定し、適材適所できるマネージャーの存在
この2点です。

株価を上昇させる=売り上げを上がるために大切なことは
いかに優秀なマネージャーを育てることができるか!!

そして、マネージャーが
従業員をいかにやる気にさせることができるのか!!

そのために、最も大事なことが
適材適所に配置されているか!!

つまりは、強みを特定できているか!!
これが大切になっていくわけです。

冒頭でもお伝えしましたが
今の若手の人が求めていることは
自分の成長や仕事のやりがい。

この成長ややりがいを感じるためには
自分の「強みを活かせているか」が重要な要素になっています!

その他のギャラップ社の調査データ

  • 生産性:プラス7.8%
  • 収益性:プラス8.9%
  • 離職率:マイナス14.9%
  • エンゲージメント:大幅向上

強みを活かす職場の特長

ギャラップ社は強みを活かして成功している職場の特徴も導き出しています。
それがこちら!

ギャラップ社が提唱するチームが成果を出す要素「5C」とは

Commonー共通の目的・目標があり
Connectionー信頼関係で繋がりを作って
Communicationーしっかりチームの中で対話を生み出し、コミュニケーションを取ることで
Collaborationー協力関係、コラボレーションが生まれる
Celebrationー最後に成果を共に仲間で認め合う文化がある
この5Cを回すことで、チームが成果を出す循環に入ります。
→ストレングスファインダーは、これらの5Cを育むための“共通言語”になります。

5Cが作られているチームで起こる変化は

  • 対話が増える
  • ミスコミュニケーションが減る
  • 感謝と尊重が生まれる
  • 適材適所が進む

などのものが挙げられます。

この好循環を生むために、大切な考え方を成功の循環モデルです。

5.成功循環モデルで見る、強みの本質的価値

MITダニエル・キム教授が提唱する「成功循環モデル」では、
成果を生む源流は“関係性の質”にあります。

バッドサイクル(悪循環)


結果だけを求める →できていないところばかり気になる
関係の質は→指示待ち・受け身になる
思考の質は→与えられたことだけこなす・従うふり・自ら考えない
行動の質は→指示待ち、受け身な行動
→結果として、成果がでなくなる!

グッドサイクル(好循環)

関係の質が高まる →考えや想いの共有・価値観の相互理解
思考の質が変わる →チャレンジする意識・相手への応援・相互尊重
行動が主体的になる →主体性ある行動・リーダーシップ
結果の質が上がる→個々の成長・チームの成果の向上

関係の質を高めるツールこそ、ストレングスファインダー

資質をお互いに理解し、違いを認め合い、
相互に補い合うチームがグッドサイクルに入る第一歩です。

6.成功循環を阻むもの:価値観のズレが起こすすれ違い

例:ポジティブ vs 慎重さ


資質行動誤解
ポジティブ「とにかくやってみよう!」「根拠がなく軽率」と思われる
慎重さ「まずリスクを洗い出そう」「遅い・慎重すぎる」と思われる


例:個別化 vs 公平性

個別化Aさんにはこれ、Bさんにはあれ「不公平だ」と思われる
公平性全員同じルールで「個々を見てくれない」と不満に


例のように、お互いに良かれと思ってやっていることが
実は相手にとっては不快に感じていることがあるかもしれません。

これが、自分のごくごく自然の行動が招いているとしたら
気づくことは難しい。

さらには、
こっちは良かれと思ってやっているのに、何でわからないだ!
やっぱり、あいつのことは理解できないな。
という結論になってしまっていることがありませんか?

こんなすれ違いを無くすためにも、お互いの強みを見える化することが
とても大切になってきます。

すれ違いの例

7.ジョハリの窓と“気づき”のプロセス

自分の強みは、自分だけでは気づけない。

ジョハリの4つの窓


開放の窓:自他ともに知る領域
盲点の窓:自分は知らないが他人は知っている
秘密の窓:自分だけが知っている
未知の窓:誰も知らない

組織の仲間と、対話を通して、

  • 自己開示を行うことで「秘密の窓」が開き
  • お互いにフィーバックをすることで「盲点の窓」が開き
  • この対話を繰り返すことで「未知の窓」も開く

ストレングスファインダーを通じて、共通言語を作り
対話を繰り返すことで、自己認識が深まる。

そうやって、お互いの理解を深めることで
チームの中に「心理的安生」が生まれてきます。

8.ストレングスファインダー活用の実例

製造業・100名規模の企業

ストレングスファインダーの研修を実施したことで

  • 管理職が資質を理解することで、部下との対話が増えた
  • 離職率が半減
  • 若手が自発的に提案するように

お互いのことを知っているようで、実は全然知ることが出来ていなかった。

職場では、ついつい「結果・成果」にフォーカスしてしまい
指示・命令をしていることが多かった。

なぜ、思った通りに動けないのか?
指示した通りに動くこともできない、出来ない社員
だと決めつけていたけれど、実は自分自身の当たり前を
押し付けて頂けれに過ぎなかった。

現在は相手の強み(出来ること)にフォーカスを当てて
話を聞くようにしています。
そうするだけで、人との関係性が劇的に変化しています。

医療法人

  • ストレングスを用いた1on1を導入
  • もともと「教えるのが苦手だった」上司が、資質をベースにした声かけで育成に成功
  • 看護師の定着率が20%以上改善

研修の時に気がついたことは、
自分が良かれと思ってやっていることが
目の前の人にとっては、お節介なのではということに気がついた。

自分と相手は持っている価値観が違う。
今まで自分の価値観を押し付けていたのではないか?

やる気を引き出すための、声がけは人によって全然違う。
自分が言って欲しい言葉と、相手が言って欲しい言葉が
全然違うことに衝撃を受けた。

実施後、組織の中の相互理解が深まり
より強固な協力関係が作れたことと

現場から新しいアイデアや意見が出るようなったことが
本当に大きな変化です。

9.導入の注意点と誤解を避けるポイント

NG:レッテル貼りに使ってしまう

「君は共感性が低いから無理だね」といった使い方は逆効果

OK:「今の言動って、この資質が影響してそうだね」

行動の背景を理解するための“仮説”として使う

資質は両刃の剣

資質には必ず、両面がある。
活かせば「強み」になるが、
出過ぎてしまうと弱みになる。

例を添付

10.まとめ──人は“強みでつながる”とき、動き出す

職場での悩みの多くは、人間関係です。
人間関係の多くのすれ違いは、“価値観のズレ”です。

その“ズレ”の正体を、見える化してくれるのが
ストレングスファインダーです。

  • 「あなたの普通は、誰かの非常識」
  • 「でも、それがチームの多様性であり、可能性」

自分を知り、相手を理解する。

そのシンプルで奥深い対話が、組織を変える。

私たちストレングスアスリードは、
あなたの職場に“強みの対話”を届け、ポジティブな循環を創ります。

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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