【部下への指導法】“自分の強みを認められない部下”をどう支援するか-自己否定の壁の越え方-

山田裕介

山田裕介

テーマ:自律・自走型組織、組織開発・変革、ストレングスコーチング、コーチング、ストレングスファインダー

強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

・「自分には強みなんてないと思います…」

・「診断はしましたが、あまりピンときません」
そんな“強みを受け入れられない部下”に出会ったことはありませんか?


自己理解の第一歩を踏み出したはずなのに、

どこか自信がなかったり、強みを否定していたり。

今回は、「強みを信じられない・認められない」状態にある部下に対して、
どう関わり、どう自己肯定感を育てていくか
マネジメントとしてできる支援のあり方をお伝えします。

【合わせて読みたいコラム】
“強み”をチームで活かすには?-成果が出る“役割設計”の視点
前回は「チームとして強みを活かす仕組み」をご紹介しました。
今回は“個人の内面の壁”に焦点を当てます。

1、「強みを活かせ」と言われても、本人が信じていない

ストレングスファインダーの診断結果を見ても、

「これが自分の強みだと思えない」

「昔から“もっと社交的に”とか、“もっとリーダーシップを”って言われてきたから…」
と否定的に受け取る部下は、少なくありません。

その背景には、以下のような心理が潜んでいます。

  • 「過去に認められた経験が少ない」
  • 「比較されて、自分は劣っていると思っている」
  • 「強み=目立つ資質だと誤解している」


つまり、“強み”という言葉の定義が、本人の中でねじれているのです。

2、強み=派手な才能ではない

強みとは、「その人が無意識にやっている感情・思考・行動のパターン」であり、

それが“成果につながる”形で使われたときに、はじめて“強み”になります。
例えば:

  • 回復志向:問題の本質を見抜き、改善へと導く力。状況を立て直し、前に進めることができる
  • 学習欲:学ぶこと自体に喜びを感じ、成長のきっかけを見つける力。新しい知識や経験を吸収し続ける
  • 社交性:初対面でもすぐに打ち解けられる力。人とのつながりを広げ、関係性を築くことができる
  • 適応性:変化を受け入れ、柔軟に対応できる力。その場の流れに合わせて自然に動くことができる


これらは決して目立つ資質ではありませんが、

“組織に不可欠な土台”としての力を持っています。

3、認められた経験が、“強み”を信じる力になる

強みは、「他者との比較」ではなく
「自分なりの成果」によって磨かれます。


そのため、部下が自分の強みを信じられるようになるには、
以下のような支援が有効です。

  1. 日常の中で“強みを発揮した場面”を言語化してあげる
。例:「あの場面で落ち着いて対応してたね。慎重さが活きてたと思うよ」
  2. “らしさ”を肯定的にフィードバックする
。例:「その考え方、君らしいね。内省があるからこその深さだと思う」
  3. 強みを発揮しやすいタスクを任せる
→ 成功体験によって“やっぱりこれでいいんだ”という感覚が育つ

4、「自分には強みがない」と言う部下のタイプ

特に以下の資質を持つ部下は、自己評価が厳しめである傾向があります。

資質傾向上司の対応例
公平性他人との比較で自分を平均化しがち個人の価値を具体的に言語化して伝える
親密性信頼できる人としか深く関わろうとせず、輪に入るのに時間がかかる少人数でじっくり関係を築ける場を用意し、「あなたの存在が安心感を生んでいる」と伝える
着想アイデアが次々に浮かび、周囲のスピードや現実性とのギャップに戸惑うことがあるアイデアの価値を認めた上で「一つを深掘りしてみよう」と焦点を絞るサポートをする
活発性行動が先に立ち、周囲がついてこられず浮いてしまうことがある「動き出しが早くて助かっている」と前向きに伝え、周囲との連携ポイントを一緒に考える

5、自信は“結果”ではなく“関係性”の中で育つ

強みを活かせるようになるには、

「何ができるか」よりも「どう関わってもらえるか」が重要です。

  • 上司が信じてくれている
  • 自分の“らしさ”を認めてくれる
  • 成果でなく“姿勢や意図”を見てくれている


こうした関係性の中で、部下は少しずつ自己肯定感を取り戻し、

自分の強みに対して「これでいいんだ」と思えるようになっていきます。

6、まとめ

「強みを知っているのに活かせない」

その背景には、“自己否定”という見えない壁があるかもしれません。

  1. 強みの誤解を解く
  2. 日常の中での強み発揮を言語化する
  3. 承認と信頼の関係を築く


こうしたマネジメントが、部下の心に小さな自信の芽を育てていきます。

ご相談・導入のご案内

株式会社ストレングスアスリードでは、

ストレングスファインダーを活用した
・「強みの自己認知支援」や、

・「自己否定を乗り越える対話型育成」
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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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