【人材育成】部下が“育たない”のは、上司が“育てすぎている”からかもしれない

山田裕介

山田裕介

テーマ:人材育成、幹部育成、リーダー育成、モチベーションUP、やる気UP、ストレングスファインダー



強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

・「教えても、動けるようにならない」

・「育成に時間をかけているのに成果が出ない」
そんな悩みを抱える上司の方は多いのではないでしょうか。


もしかすると、その原因は“教え方”ではなく、
“教えすぎ”にあるかもしれません。

今回は、「指導」と「成長」の関係性を見直し、

部下が“自ら考えて動く”ための関わり方、
そしてストレングスファインダーによる育成のヒントをご紹介します。

【合わせて読みたいコラム】
「“できる人”ほど育成がうまくいかない理由-幹部が育たない構造的な壁
「成果を出してきた人が育成でつまずく理由」がより深く理解できます。

1、「ここまで教えたのに、なぜ育たないのか?」

  • 「ここまで教えたのに、なぜ育たないのか?」
  • 「何度も同じことを教えているのに理解できない」

  • 「言われたことはやるけど、応用が利かない」

  • 「マニュアル通りでしか動けない」

こうした悩みは、管理職・育成担当者の“あるある”です。

でも、それは本当に「部下が未熟」だからでしょうか?

実はその背景には、
上司の“教えすぎ”による依存構造があることが少なくありません。

2、教えることが“考えなくなる”をつくっている?

私たちは、「部下を育てなきゃ」という思いから、
つい“正解を先に与えてしまう”傾向があります。

  • 「こうやればうまくいく」
  • 「こういうときはこう動け」
  • 「失敗しないように、ここまで指示しておこう」

もちろん、それ自体は善意ですし、
効率化の意図もあるでしょう。

しかしその結果、部下はこうなります:

  • 「考える前に答えがくる」
  • 「とりあえず言われたことだけやればいい」
  • 「ミスしたら全部自分の責任になるから怖い」

つまり、思考停止と指示待ちの文化が自然とできあがってしまうのです。

3、本来の育成とは、「問いを返すこと」

育成で本当に必要なのは、
“答えを渡すこと”ではなく、

“問いを返して考えさせること”です。

たとえば:

  • 「あなたはどう考える?」
  • 「なぜそう判断したの?」
  • 「やってみてどうだった?」

こうした問いが、相手の中に
・自己内省
・行動振り返り
・自己決定
のプロセスを生み出し、
“自ら考える力”を育てていくのです。

4、ストレングスファインダーで“育て方のクセ”を知る

ここで効果を発揮するのが、ストレングスファインダーです。


育成がうまくいかない理由の1つに、
上司自身の資質による“関わりのクセ”があります。

たとえば:

  1. 責任感が強い人は「自分がやったほうが早い」に陥りやすい
  2. 最上志向が強いと「つい完璧を求めてしまう」
  3. 調和性が高いと「フィードバックを避けてしまう」
  4. 達成欲が高い人は「スピード重視で待てない」傾向も


このように、良かれと思っての行動が、

部下の“主体性”を奪ってしまうこともあるのです。

5、育てる側が“自分を知る”ことで、関わりが変わる

ストレングスファインダーを通じて、
まずは上司自身の育成スタイルを言語化します。

  • 「私は、相手の進捗をつい管理しすぎる傾向があるな」
  • 「自分が早く動いてしまって、相手に考える時間を与えてなかったかも」
  • 「厳しさよりも、問いかけの工夫を増やそう」


こうした気づきが、関わり方の質を変え、

結果的に“育てられる部下”を増やしていきます。

6、部下の資質に合わせて「問いの質」も変える

育成がうまくいかない理由のもう一つは、

部下の資質に合わせた問い・関わりがされていないことです。

たとえば:

  • 内省タイプには「何を考えた?」という深堀の質問
  • 社交性タイプには「誰と話してるときが一番元気?」という人間関係軸の問い
  • 慎重さタイプには「どんなリスクを見ていた?」という安全志向に寄り添う問い


このように、“資質に合わせた育成”を行うことで、

部下の強みを引き出しながら成長を促進できます。

7、自走型チームへの第一歩

・「指示待ち社員を卒業させたい」

・「自分で考えて動ける人を増やしたい」
そう思うなら、最初に変わるべきは“上司の関わり方”かもしれません。

  1. 答えを渡すのではなく、問いを返す
  2. 自分のクセを理解し、関わりを調整する
  3. 部下の資質を知り、声かけを変える


その連鎖が、「自ら考え、動くチーム」=自律型組織への第一歩となるのです。

8、まとめ

育成が機能する組織には、「対話」と「資質理解」の文化があります。


ストレングスファインダーを活用すれば、
育てる側・育てられる側の“強みと関わり方”が見えるようになります。

「教えても育たない」は、決して部下だけの問題ではありません。

育成の“質”を変えることで、人も組織も自然に動き出します。

【ご相談・導入のご案内】

株式会社ストレングスアスリードでは、

ストレングスファインダーを用いた育成スタイルの見える化、

“問いかけ型マネジメント”へのシフト支援を行っています。

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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