成果主義の罠-“数字”に追われる職場が失っているものとは?-

強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。
・「また勝手にやってる…」
・「なぜ報告してくれなかったのか」
そんな声が飛び交っていた職場が、
たった3ヶ月で“対話と信頼”の文化に変わった事例をご紹介します。
鍵となったのは、報連相のルールでも仕組みでもなく、
「共通言語」としてのストレングスファインダーでした。
社員の「言えない理由」と、上司の「伝えてるつもり」のズレ。
この壁を超えたストーリーから、変革のリアルをお伝えします。
【合わせて読みたいコラム】
「“報告がない”“相談が遅い”職場で起きていること-心理的安全性の視点から」
報連相が機能しない職場に共通する“空気”の正体とは?前回のコラムとあわせて読むと効果的です。
目次
1、「うちは報連相が弱いんです」から始まったご相談
今回ご紹介するのは、社員数約40名、地方の製造業A社。
ベテラン社員と若手の世代交代が進む中で、業務ミスや品質トラブルが多発していました。
現場責任者から聞こえてきたのは、こんな声です。
- 「勝手にやってしまう」
- 「相談がないまま事後報告」
- 「言われなきゃやらない」
一方、若手社員からは…
- 「相談したいけど、怒られそう」
- 「タイミングがつかめない」
- 「どう言えばいいか分からない」
まさに、“すれ違いの連鎖”が起きていました。
2、報告が「ない」のではなく、「できない空気」
社内にヒアリングを行う中で、私たちはある空気に気づきました。
それは
・「言ったら責められる」
・「報告すると余計面倒になる」という心理的ブレーキです。
特に、慎重さや調和性の資質が強い社員は、
「相手にどう思われるか」が気になり、言葉を飲み込む傾向があります。
ここに、報連相を阻む“組織の空気”がありました。
3、ストレングスファインダーを共通言語に
この状況を変えるために、私たちが提案したのが
全社員のストレングスファインダー受検と資質の見える化でした。
次に行ったのが、資質を共有し合う「強み共有ワークショップ」。
ここで、初めて「お互いの“報告のクセ”」について対話が生まれました。
4、 “資質で語る”と、関係性が柔らかくなる
ある若手社員の声:
「僕、“分析思考”と“慎重さ”があるので、情報が整理できないうちは話せないんです」
それを聞いた上司は驚きます。
「なんだ、やる気がないわけじゃなかったのか。納得したよ」
こうしたやり取りが、あちこちで起きました。
「報告が遅い」「報告しない」は、やる気や能力の問題ではなく、
資質の違いによって起こっていたのです。
5、3ヶ月後、職場が変わりはじめた
導入から3ヶ月で、以下のような変化が起きました:
- 報告・相談件数が圧倒的にUP
- ミスやクレームが激減
- 会議中の発言が明らかに増えた
- 「ありがとう」が自然に飛び交うようになった
ベテラン社員も若手社員も、
“強みでつながる共通言語”ができたことで、関係性の質が変化したのです。
6、変化のきっかけは、“資質の翻訳”
この事例から分かることは、
「報告させるための制度」よりも、
「報告したくなる空気」のほうが重要だということです。
そしてその空気は、資質で語れる文化があるかどうかで変わります。
・「なぜ伝えにくいのか?」
・「どうすれば伝えやすくなるのか?」
それは、“人柄”や“性格”ではなく、資質として共に理解し合うことで、
初めて対話と信頼が育ち始めるのです。
7、まとめ
報連相が増える仕組みは、ルールではなく信頼の仕組みです。
ストレングスファインダーによる資質の見える化は、
「伝え方・受け取り方のズレ」を埋め、組織に共通言語をもたらします。
その結果、指示を出さなくても動き出す、対話のある職場へと自然に変わっていくのです。
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