“働きやすさ”と“成果”は両立できるのか──その鍵は“関係性の質”

強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。
・「心理的安全性なんて、うちはいらない」
・「波風立てずに、なあなあでやるなんてうちの社風じゃない」
そうおっしゃる経営者の方は少なくありません。
でも、それは心理的安全性を
“仲良しクラブ”と誤解しているからかもしれません。
心理的安全性とは、単なる“居心地の良さ”ではありません。
それは、「違いを出しても、関係性が壊れない安心感」のことです。
今回は、この大きな誤解を解きながら、
変化に強い組織をつくる“本当の心理的安全性”についてお伝えします。
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1、よくある誤解:「心理的安全=平穏無事な仲良し組織」
・ある経営者がこう言いました。
「ウチは体育会系だから、心理的安全なんて気にしない。
ズバズバ言える関係だから問題ないよ」
・別の管理職はこう言います。
「むしろ“波風が立たないこと”が心理的安全だと思ってました」
このように、心理的安全性という言葉は、しばしば
- 「同調圧力のない、平和な職場」
- 「仲良く和やかな雰囲気」
といったイメージで誤解されがちです。
でも、それは真逆の解釈です。
2、本来の意味:心理的安全性=「安心して“違い”を出せる土壌
心理的安全性の第一人者、エイミー・エドモンドソン教授はこう定義しています:
「チームの中で、自分の意見や質問、懸念、失敗を安心して共有できる状態」
つまり、心理的安全性とは、
- 意見が違っても、関係性が壊れない
- 質問しても「そんなのも知らないの?」と笑われない
- ミスを報告しても、責められない
という、“リスクをとって発言できる環境”のことなのです。
3、勘違いが生む「なあなあ組織」と「声が上がらない職場」
「仲良し=心理的安全」と考えると、
- あえて異論を唱えない
- 改善提案を控える
- 不満があっても、波風を立てたくないから黙る
という、“穏やかだが停滞した空気”が生まれてしまいます。
こうした環境では、社員は“空気を読む”ことに神経を使い、
本音やアイデア、改善の芽が表に出ることはありません。
意見が出ない組織に、成長はありません。
むしろ、「仲良し風」の職場ほど、変化への耐性が弱くなりやすいのです。
4、心理的安全性が高い組織ほど、“健全な衝突”がある
「心理的安全性がある=衝突がない」わけではありません。
むしろ、安全性があるからこそ、
- 異なる意見が出る
- 不安や不満も共有される
- 立場や経験に関係なく建設的にぶつかれる
といった、健全な衝突=クリエイティブな対話が生まれるのです。
実際、GoogleやIDEOなどのイノベーティブな企業では、
心理的安全性を高めることで「議論を恐れない文化」を築いています。
5、経営者にこそ知ってほしい、“強い組織”に必要な土壌
変化が激しい今の時代。
・「間違えたら終わり」
・「指示がないと動けない」
では、対応しきれません。
- 社員一人ひとりが“気づき”を出せる
- ミスやトラブルを“早期に共有”できる
- 違いを活かして“多様な視点”で動ける
この状態こそ、心理的安全性がある組織の姿です。
強い組織に必要なのは、
「仲良し」ではなく、「言える」「聴ける」「受け止められる」関係性なのです。
6、ストレングスファインダーは、心理的安全性を高めるツールになる
心理的安全性を高めるために、ストレングスファインダーは非常に効果的です。
なぜなら、
- お互いの“違い”を資質という共通言語で理解できる
- 誤解を“意味の違い”として解きほぐせる
- 自分自身の反応や感情の傾向を客観視できる
からです。
たとえば、否定されたと感じたとき、
「あの人の“分析思考”が出たんだな」と理解できれば、
感情的な対立にはなりません。
違いを“正す”のではなく、“活かす”土壌ができる。
それが、ストレングスファインダーの持つ力です。
7、まとめ:心理的安全性は“ぬるさ”ではなく“強さ”の源泉
心理的安全性は、「なれ合い」ではなく、
「対話と違いの許容」です。
経営に必要なのは、ぬるい仲良し組織ではなく、
違いがぶつかって進化する組織。
そのための土台をつくるのが、心理的安全性。
そして、それを育む道具として、ストレングスファインダーは極めて有効です。
【ご相談・導入のご案内】
株式会社ストレングスアスリードでは、
・「心理的安全性を育てる職場づくり」
・「ストレングスを活用した対話支援」
を行っています。
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「心理的安全性=甘やかすこと」と思っていた人にこそ、
この本当の意味が届き、変革のきっかけになりますように。



