「最高のチームの条件」――“強みを活かす実感”が業績を左右する

あなたのチームのメンバーは、
「自分の強みを活かせている」
と日々実感しているでしょうか？

実は、仕事の中で「自分の強みを発揮できる」と感じることが、
チームの成果を大きく左右することが、
数々の研究で証明されています。

本コラムでは、最高のチームをつくるために必要な
「強みを活かす機会の重要性」と、それを実現するための具体的な方法を解説します。

1、最高のチームに必要な「強みを活かす機会」とは？

① なぜ「強みを活かす機会」が重要なのか？

Gallup社の調査によると、
「自分の強みを発揮できる」と感じる社員は、
そうでない社員に比べて仕事のパフォーマンスが6倍高いというデータがあります。

つまり、「自分の強みが仕事の役に立っている」と感じることが、
仕事のモチベーションを高め、結果的にチームの業績向上につながるのです。

強みを活かす実感がないと…

- 仕事が「やらされている感覚」になる
　→ モチベーション低下
- 自分の存在価値を感じられない
　→ エンゲージメント低下
- チームに貢献している実感が持てない
　→ 離職率の増加

反対に、「自分の強みが発揮できている」と実感できると、
社員の満足度も生産性も向上します。

② 強みを活かす機会があるチームの特徴

最高のチームには、メンバー全員が
「自分の強みが活きている」と実感できる環境があります。

強みを活かす機会が多いチームの特徴

メンバーの強みがリーダーに把握されている
強みに基づいた役割が与えられている
成功体験を通して自信を持てる機会が多い
「強みを活かせたこと」を定期的に振り返る文化がある

これらの要素が揃ったチームは、個々の能力が最大限に発揮され、
組織全体のパフォーマンス向上につながります。

2、最高のチームをつくるための3つのステップ

① メンバーの強みを明確にする

強みを活かすためには、
まず「それぞれの強みが何か？」を知ることが重要です。

具体的な取り組み

ストレングスファインダーを活用する
　→個々の才能を数値化し、強みを客観的に把握する。
1on1ミーティングで強みを話し合う
　→「どんな時に力を発揮できたか？」を振り返る機会をつくる。
メンバー同士の強みを共有する
　→お互いの強みを知ることで、助け合いや役割分担がしやすくなる。

② 仕事の割り振りを「強みベース」にする

「適材適所」の考え方を徹底し、
仕事を人に合わせて割り振ることが大切です。

具体的な取り組み

得意な業務を積極的に担当させる
　- 例：論理的思考が得意な人に戦略立案を任せ、
　　　コミュニケーション力が強い人に顧客対応を担当させる。
強みを活かしたプロジェクトリーダーの配置
　- 例：調整力のある人にプロジェクトマネジメントを任せる。
「苦手を克服させる」より、「得意なことを伸ばす」
- 苦手を無理に克服させるのではなく、得意分野で成長できる環境を整える。

③ 「強みを活かせたこと」を振り返る文化をつくる

「自分の強みが活かせている」と実感するには、
その実感を言語化し、振り返ることが重要です。

具体的な取り組み

定期的な「強み振り返りミーティング」を実施
　例：「今週、どんな場面で自分の強みが活かせたか？」を共有する時間をつくる。
上司が積極的にフィードバックを行う
　例：「○○さんの分析力のおかげで、プロジェクトがスムーズに進んだね！」
　　　と具体的に伝える。
「強みを称賛する文化」をつくる
　メンバー同士が、お互いの強みを認識し、感謝を伝える機会を増やす。

これにより、社員は「自分の強みが組織の役に立っている」と実感しやすくなります。