“この人のためなら”と部下が思えるか？-信頼をつくる上司の「小さな習慣」-
「うちの社員は指示待ちばかりで、自分から動かない…」
と悩んでいる経営者やマネージャーの方は多いのではないでしょうか？
実は、指示待ちの原因は、社員自身の問題ではなく、
組織の環境やリーダーの関わり方にあることがほとんどです。
本コラムでは、指示待ち社員を
“自ら考え動く”自律型人材へと成長させるための
リーダーの具体的なアプローチを解説します。
1、なぜ指示待ち社員が生まれるのか？
① 指示待ちの根本原因は“環境”にある
「最近の若手は主体性がない」
と言われることがありますが、
本当にそうでしょうか？
実際には、「指示待ち文化」を生み出しているのは、
会社や上司のマネジメントスタイルであることが多いのです。
指示待ち社員が生まれる主な原因
・失敗を許さない文化
→ 「ミスをすると怒られる」「余計なことはしない方がいい」と考えるようになる
・トップダウン型のマネジメント
→ 常に上司が答えを出すため、社員が自分で考える機会がない
・評価基準の曖昧さ
→ どのような行動が評価されるのか分からず、自発的に動けない
・過去の経験による学習
→ 「指示を待っていれば怒られない」「余計なことをすると損をする」と学んでしまっている
② 指示待ち社員が引き起こす組織の課題
指示待ちの社員が増えると、以下のような問題が発生します。
・仕事のスピードが遅くなる
→ 指示がなければ動かないため、業務の停滞が発生する
・リーダーの負担が増大する
→ すべての決定を上司が下さなければならず、リーダー自身が疲弊する
・組織の成長が止まる
→ 社員が考えなくなることで、イノベーションが生まれにくくなる
では、指示待ちの社員を
“自ら考え動く”社員へと成長させるにはどうすればいいのでしょうか？
2、“自ら考え動く”社員を育てるリーダーの3つの秘密
① 明確な目的とゴールを示す
社員が主体的に動けない理由のひとつは、
「どこに向かって進めばいいのか分からない」からです。
リーダーの役割は、
「細かい指示を出すこと」ではなく、
「目的地を示し、進むべき方向を明確にすること」です。
具体的な取り組み
・会社のビジョンや目標を定期的に共有する
・「何をすべきか」ではなく、「なぜそれをするのか」を伝える
・社員自身が目標設定できる仕組みをつくる（OKRなど）
例：「このプロジェクトで大事なのは、顧客満足度を高めること。
そのために、自分たちに何ができるかを考えてほしい」
② 仕事の“任せ方”を変える
指示待ち社員を育成するには、「単なる作業の割り振り」ではなく、
「責任ある仕事」を任せることが重要です。
具体的な取り組み
・業務の「ゴール」を設定し、プロセスは社員に任せる
・社員の強みを活かせる仕事をアサインする（ストレングスファインダーなどを活用）
・「任せた仕事」に関して、最後まで責任を持たせる（途中で口を挟みすぎない）
例：「この企画を最後まで担当してみてほしい。
進め方はあなたに任せる。最後の責任は私が取るから大丈夫。」
③ 失敗を許容し、成長の機会を提供する
「失敗しても大丈夫」という環境がなければ、
社員は自発的に動くことができません。
具体的な取り組み
・チャレンジを奨励する文化をつくる（失敗したことよりも挑戦したことを評価する）
・定期的なフィードバックを行う（「うまくいかなかった部分はどう改善できるか？」と問いかける）
・成功体験を積ませる（小さな成果を積み重ね、成功を実感させる）
例：「今回の取り組みは惜しかったね。
でも、この部分はすごく良かった。次はどう改善できるかな？」
3、指示待ち社員が“自ら考え動く”チームに変わるとどうなるか
指示待ち社員が主体的に動くようになると、
以下のような変化が起こります。
・業務のスピードが向上する
→ 上司の指示を待たずに、社員が自主的に動くようになる
・チームの創造性が高まる
→ 一人ひとりが考え、提案する文化が根付く
・リーダーが本来の役割に集中できる
→ 指示出しに追われることがなくなり、戦略的な業務に専念できる
・社員のモチベーションが向上する
→ 「自分で考え、行動し、結果を出す」ことで、仕事への充実感が増す
実際、強みを活かしながら自主性を引き出すリーダーのもとでは、
社員のエンゲージメントが向上し、組織の生産性も向上することが多くの研究で証明されています。
4、まとめ：「指示待ち社員」はリーダーの関わり方で変わる！
指示待ち社員を変えるには、
リーダーが「細かく指示を出す存在」から
「目的を示し、成長を支援する存在」へと変わることが必要です。
指示待ち社員を“自ら考え動く”人材に育てるための3つのステップ
1. 目的とゴールを明確に伝える
2. 業務の進め方は社員に任せ、裁量を与える
3. 失敗を許容し、成長の機会を提供する
リーダーが変われば、チームも変わります。
指示待ち社員を自律型リーダーに育てることで、
組織全体が活性化し、持続的な成長が可能になります。
あなたのチームでも、今すぐ“指示待ち文化”から脱却し、
自律型の組織を目指してみませんか？
