働きがいと働きやすさってどっちが重要?

ライフワークバランスが注目されて久しいですが、
近年はその概念をさらに進化させた
「ワーク&ライフインテグレーション」が話題となっています。
単に仕事と私生活のバランスを取るのではなく、
仕事そのものに充実感や意義を見出し、私生活と調和させる考え方です。
本コラムでは、この新しい働き方の考え方と、実践するためのヒントを解説します。
目次
1、ライフワークバランスとは何が違うのか?
① ライフワークバランスの限界
ライフワークバランスとは、
仕事と私生活の両立を目指す考え方で、
働きすぎによる心身の負担を軽減し、
プライベートの時間を確保することに重点を置いています。
しかし、このアプローチには以下のような限界があります。
・仕事と私生活を分けて考えることによる対立構造
→「仕事がプライベートを奪うもの」という認識が生まれやすい。
・ 仕事が単なる義務感になりやすい
→バランスを重視するあまり、仕事へのやりがいや充実感が軽視される場合がある。
② ワーク&ライフインテグレーションとは?
ワーク&ライフインテグレーションは、
仕事と私生活を切り分けるのではなく、互いを調和させ、充実感を得る考え方です。
・仕事の充実感を人生の一部として捉える
→仕事を通じて得られる成長ややりがいを、人生の喜びと結びつける。
・私生活が仕事に良い影響を与える
→家族や趣味から得たエネルギーやインスピレーションを仕事に活かす。
2、ワーク&ライフインテグレーションが注目される理由
① 働き方や価値観の多様化
リモートワークやフレックスタイムが普及したことで、
仕事と生活が自然と交わるようになりました。
また、Z世代やミレニアル世代は、
「仕事が生活を支えるための手段」という考え方から、
「仕事そのものに意味や価値を見出したい」という傾向が強くなっています。
② 精神的な充実が求められる時代
収入や福利厚生だけでは、
社員が幸福を感じられない時代になりました。
・「この仕事は自分にとってどんな意味があるのか?」
・「自分の価値観に合った働き方ができているのか?」
こうした内的な問いへの答えを提供することが、企業にとって重要になっています。
③ 組織にもたらすプラスの効果
ワーク&ライフインテグレーションを実現すると、
個人だけでなく、組織全体にも良い影響を与えます。
・社員のエンゲージメントが向上
→仕事が「義務」から「意義ある活動」へと変わり、生産性が向上する。
・離職率の低下
→充実感のある働き方が、社員の定着率向上につながる。
・イノベーションの創出
→私生活で得た視点やアイデアを仕事に活かせる環境が、創造性を引き出す。
3、ワーク&ライフインテグレーションを実現するためのヒント
① 仕事の意義を見つける
社員一人ひとりが、
「自分の仕事がどのように社会や組織に貢献しているのか」
を理解することが重要です。
具体的な取り組み
・ビジョンやミッションを共有する
→組織全体の目標と個々の役割を結びつけ、仕事へのやりがいを高める。
・個々の強みを活かす仕組みを整える
→ストレングスファインダーなどを活用し、
社員が自分の得意分野で力を発揮できる環境をつくる。
② 私生活と仕事を柔軟に調和させる
柔軟な働き方を導入し、
社員が自分のペースで働ける環境を整えましょう。
具体的な取り組み
・リモートワークやフレックスタイムの活用
→時間や場所に縛られない働き方を推進する。
・ワークスペースの自由化
→社員が自分の最も集中できる環境で働けるようにする。
③ マネージャーが「個人の価値観」に寄り添う
マネージャーは、部下の価値観やキャリアの目標を理解し、
働き方に反映させることが求められます。
具体的な取り組み
・1on1ミーティングで対話を深める
→個々の価値観や目標を共有し、適切なサポートを行う。
・働き方の選択肢を広げる
→社員一人ひとりのニーズに応じた柔軟な制度を提供する。
4、まとめ:仕事と人生を調和させる新しい働き方を
ワーク&ライフインテグレーションは、
仕事と私生活を切り分けるのではなく、
お互いを補完し合う形で調和させる働き方です。
この考え方を実現することで、
社員は仕事にやりがいを感じると同時に、
私生活でも充実感を得られるようになります。
企業がこの新しい働き方を取り入れることで、
社員の幸福度を高め、組織全体の生産性を向上させることができます。
未来の働き方を共に考え、実践していく第一歩として、
ワーク&ライフインテグレーションを意識した取り組みを始めてみませんか?



