管理型組織が限界を迎える時――自律自走型へ組織の変革とストレングスファインダーの力

山田裕介

山田裕介

テーマ:自律・自走型組織、組織開発・変革、ストレングスコーチング、コーチング、ストレングスファインダー


組織には大きく分けて
「管理型組織」と「自律自走型組織」
の2つのタイプがあります。

従来の管理型組織は
細かい指示とマイクロマネジメントによって
成り立ってきましたが、その限界が見え始めています。

本コラムでは、管理型組織が抱える問題点と、
自律自走型組織が生み出す効果について解説します。

そして、心理的安全性を高め、
自律的なチームを育てるために
「コーチング」と「ストレングスファインダー」
が果たす役割に迫ります。

1、管理型組織と自律自走型組織の違いとは?

組織運営のあり方には、
管理型組織と自律自走型組織という2つの大きなモデルがあります。

それぞれの特徴を理解することで、
現代の組織が抱える課題が見えてきます。

① 管理型組織:マイクロマネジメントに頼る運営

管理型組織では、リーダーが細部にわたって指示を出し、
社員はその通りに行動することが求められます。

管理型組織の特徴

・トップダウンの指示系統:上層部が決めたことを現場が実行する。
・マイクロマネジメント:業務の細かい部分まで管理され、社員の裁量が少ない。
・PDCAサイクルが回らない:現場からの改善提案が少なく、計画や指示だけが重視される。

問題点

・やる気や情熱の喪失:社員が自分で考える機会を奪われ、指示通りに動くだけでは仕事への情熱が生まれにくい。
・我慢と諦めの人生:細かい管理に従うだけの環境では、社員が「これでいいや」と現状に妥協してしまう。
・柔軟性の欠如:急激な環境変化や新しい挑戦に対応できない。

② 自律自走型組織:社員が自ら考え、行動する組織

一方で、自律自走型組織は、
社員が自ら考え、判断し、行動することを基本としています。

自律自走型組織の特徴

・目的と方向性を共有:経営者がビジョンを示し、社員一人ひとりが自分の役割を考える。
・裁量を与える:現場の社員が自由に判断し、行動する機会が増える。
・OODA(ウーダ)サイクルが活性化する:PDCAサイクルに変わる、現代の新しい考え方。「観察(Observe)」「状況判断(Orient)」「意思決定(Decide)」「実行(Act)」の4つです。このサイクルでは現場での改善提案や新しいアイデアが次々に生まれる。

効果

・やる気と情熱の向上:社員が自分の意思で行動できるため、仕事への意欲が高まる。
・柔軟性の向上:急な環境変化にも、社員が自ら考えて対応できる。
・社員の成長:試行錯誤を繰り返すことで、社員のスキルや判断力が向上する。

2、マイクロマネジメントの問題点

① 奴隷的な働き方を生む

マイクロマネジメントの環境では、
社員は与えられた作業を淡々とこなすだけの
「作業員」になりがちです。

自分で考える余地がないため、仕事への主体性が失われ、
社員は指示されたことをやる“奴隷的”な働き方に陥ります。

② イノベーションが生まれない

細かい指示に従うだけの環境では、
社員が新しいアイデアを提案したり、
試行錯誤する余地がありません。

その結果、組織全体が停滞し、変化に対応できなくなります。

③ 心理的安全性が低下する

マイクロマネジメント下では、
社員が「失敗したら怒られる」と感じ、
意見やアイデアを発言するのをためらうようになります。

これにより、心理的安全性が低下し、チームの一体感が失われます。

3、自律自走型組織を実現するために必要なこと

① 心理的安全性を高める

心理的安全性とは、
失敗や意見の違いを恐れずに行動できる環境のことです。

社員が安心して自分の意見を発信できる場をつくることで、
組織は活性化します。

具体的な取り組み

・リーダーがフィードバックを重視する:失敗を責めるのではなく、そこから学ぶ姿勢を促す。
・透明性のあるコミュニケーション:チーム内での情報共有を徹底し、メンバー全員が目標を共有する。

② コーチング型リーダーシップを導入する

コーチング型リーダーシップは、指示するのではなく、
社員の可能性を引き出す関わり方です。

具体的な取り組み

・質問で気づきを促す:社員が自ら答えを見つけられるよう、考える機会を与える。
・目標設定をサポートする:社員が自分の目標を明確にし、それを達成するプロセスを支援する。

③ ストレングスファインダーを活用する

自律自走型組織を実現するためには、
社員一人ひとりの強みを理解し、それを活かすことが重要です。
ストレングスファインダーの効果
・自己理解の促進:社員が自分の得意分野や特性を理解することで、主体的に動けるようになる。
・強みを活かした役割分担:チーム内での役割を最適化し、メンバー全員が力を発揮できる環境をつくる。
・コミュニケーションの質を向上:お互いの強みを尊重することで、心理的安全性が高まる。

4、まとめ:管理から支援へ――組織を変える第一歩

管理型組織の限界が見えつつある今、
企業が目指すべきは、社員一人ひとりが主体的に動ける自律自走型組織です。

そのためには、心理的安全性を高め、
マイクロマネジメントからコーチング型リーダーシップへと転換することが必要です。

また、ストレングスファインダーを活用することで、
社員の強みを引き出し、チーム全体で成果を出す仕組みをつくることができます。

管理するのではなく、支援する
――この考え方が、これからの組織運営の鍵となるでしょう。

心理的安全性のある職場で、
社員が自ら考え、行動する未来を一緒につくりませんか?

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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