【経営者・管理職向け】社員が育たない本当の理由―『社員が主体的に動かない』という経営者の言動が組織を停滞させる!

山田裕介

山田裕介

テーマ:自律・自走型組織、組織開発・変革、ストレングスコーチング、コーチング、ストレングスファインダー


強みを活かせば、職場が変わり
職場が変われば、成果が変わる。
組織変革ファシリテーターのやまちゃんです。

「社員が主体性を持っていないから、育たない」
という声を耳にすることがあります。

しかし、この考え方自体が、
組織の成長を阻んでいる可能性があります。
社員が育たない本当の理由は、
「社員が悪い」のではなく、経営者自身が変わる必要があるという点にあります。

本コラムでは、主体性を育む組織づくりのために、経営者が気づくべきポイントを解説します。

こちらの記事も参考にしてください。
【経営者・管理職のあなたへ】指示待ち部下にならず、自ら動く部下にならず、自ら動く部下に育てるには?

1、なぜ社員に主体性がないと感じるのか?

社員に主体性がないと感じる経営者の多くが抱える課題は、
「結果を社員に求めすぎるあまり、
 過程や環境を整える役割を見落としている」という点です。

① 社員が指示待ちになる環境をつくっていないか?

社員が指示待ちになる背景には、
次のような原因があります。
・上司が細かく指示を出しすぎている
ー社員が「言われたことだけをやればいい」と感じ、
  考える機会を失っている。
・失敗を許容しない文化がある
ー社員が自ら動いた結果、失敗した際に責められる環境では、
  挑戦する意欲が削がれる。
・目標が不明確である
ー目指すべき方向性が明確でないため、社員が動き方を見失う。

② 経営者の「主体性欠如論」がもたらす弊害

経営者が「社員に主体性がない」と決めつけることで、
以下のような悪循環が生まれます。
・社員が萎縮し、ますます指示待ちになる
・経営者が社員の成長を阻害していることに気づかない
・経営者と社員の間で信頼関係が損なわれる

主体性がないのではなく、
「主体性を発揮する機会が与えられていない」
ことが問題である場合がほとんどです。

2、社員が育たない本当の理由

社員が成長しない原因は、社員個人の問題ではなく、
環境や組織文化の影響が大きいことを理解する必要があります。

① 経営者が全てをコントロールしようとしている

経営者が「こうあるべきだ」という強い意志を持ちすぎると、
社員が自分の考えを押し殺してしまう場合があります。
・経営者が答えをすべて提示してしまうことで、
 社員が考える余地を失う。
・社員が「どうせ意見を言っても意味がない」と感じる。

② 成長するためのサポートが不足している

社員が成長するには、適切な支援やフィードバックが必要です。
・教育や研修が不足している
 ー必要なスキルや知識を学ぶ機会が与えられていない。
・フィードバックがない
 ー行動や成果に対する具体的な改善案や称賛がない。
・キャリアビジョンが描けない
 ー自分がどのように成長し、貢献できるかが見えない。

③ チームや上司の影響が大きい

マネージャーが社員に寄り添わず、
単なる管理者になっている場合、社員がモチベーションを失います。
・「サポート」よりも「監視」を重視するマネージャーが多い。
・チーム内で意見が共有されず、孤立感を抱く社員が増える。

3、社員が主体性を発揮し、成長する組織をつくる方法

① 経営者が意識を変える

まず、経営者自身が「社員が悪い」という考え方を改め、
「社員が主体性を発揮できる環境をつくるのが自分の役割」
と考えることが重要です。
具体的な取り組み
・裁量を与える
 ー細かい指示ではなく、大枠の目標を伝え、
  社員に自由に動く余地を与える。
・失敗を許容する文化をつくる(心理的安全性)
 ー「失敗から学ぶことが成長につながる」
   という考えを組織全体に浸透させる。
・対話の機会を増やす
 ー社員一人ひとりと向き合い、課題や希望を直接聞く。

② マネージャーが環境を整える

社員が働きやすい環境を整えることは、
マネージャーの重要な役割です。
具体的な取り組み
・1on1ミーティングを定期的に実施する
 ー社員の悩みや目標を聞き、具体的な支援を行う。
・社員の強みを引き出す
 ーストレングスファインダーなどのツールを活用し、
  個々の特性を活かす働き方をサポートする。
・心理的安全性を高める
 ー意見が否定されない、安心して発言できる場をつくる。

③ 組織全体で目的を共有する

社員が主体的に動くには、
自分の仕事が組織全体にどう貢献しているかを
理解する必要があります。

スクエアホイールサーベイを活用する
スクエアホイールサーベイは、
組織の課題を見える化し、
全員が目的を共有するための有効なツールです。
・組織の現状を可視化し、経営者、マネージャー、社員が
 同じ方向を向けるようにする。
・社員が課題に対して意見を出しやすい仕組みをつくる。
・改善策を全員で共有し、実行に移す。

4、まとめ:社員を育てるのは経営者の意識改革から

社員が育たない本当の理由は、
「主体性がない」という一方的な考えではなく、
 社員が主体性を発揮できない環境をつくっていることに
 あるのかもしれません。

社員が成長するためには、
経営者が「環境を整える役割」を果たし、
マネージャーが「支援と育成」を徹底することが必要です。

そして、組織全体で目的やビジョンを共有し、
一体感を高めることで、社員は自然と主体性を
発揮できるようになります。

スクエアホイールサーベイを活用し、
組織の課題を見える化することで、
より良い環境づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか?

社員の成長が、組織の未来をつくる鍵です。

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山田裕介
専門家

山田裕介(企業研修講師・ストレングスコーチ)

株式会社ストレングスアスリード

リーダーが自分やメンバーの強みを見つけ、本来持っている能力を発揮させる。その結果、組織のパフォーマンスが向上し業績もあがっていく。持続的成長を遂げている企業が取り入れている、新しい対話型研修です。

山田裕介プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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