スキップフロアの家/ロフトのある家の問題点/注意点について。
今回は倉庫をリノベーションして住むというお話です。
倉庫のリノベーションについては、時々テレビ番組などで採り上げられることがありますね。
建築価格の高騰が続いていて住宅の価格もどんどん上がってきているので、こういうちょっと変わった物件にも興味がある人が増えているかもしれません。
現実問題として倉庫に住むことは出来るのか、そのあたりを書いていきたいと思います。
倉庫の良さ
最初に倉庫の建築物としてのポテンシャルについて書いていきたいと思います。
倉庫の特長というと、まず天井が高いこと。
そして内部空間が広く改装の自由度が高いことが挙げられます。
内部に邪魔な柱や壁が少ないので、間取りは自由自在。
天井高も自由に設定できます。
もう一つの特徴は床の設計荷重が高いこと。
倉庫の床は、少なくとも一般住宅の2倍以上の重さに耐えるように設計されていますので、この点でも安心して自由なリノベーションが可能になってきます。
倉庫の駄目さ
倉庫に住むときに問題になりそうな点としては、まず断熱がまったく期待出来ないことでしょうか。
冷蔵、冷凍倉庫でも無い限り、倉庫に断熱は無いと思った方が良いでしょう。
気密性も駄目だと思いますので、まず最初にやることは断熱性能の確保かもしれません。
水廻りの処理も厳しいですね。
倉庫にある水廻りはせいぜいトイレと手洗い程度だと思いますので、水廻りについては配管も含めて大幅な更新工事が必要です。
窓についても、位置、サイズ、断熱性どれも期待出来ませんので、取り替えを前提に考えた方が良いかと思います。
そもそも法的に大丈夫なのか
建物として完成している倉庫であれば、内装をリフォームすることは自由なのではないかと思っている人があるかもしれませんが、そうとは限りません。
むしろほとんどの場合、建築検査が必要になると思っておいた方が良いでしょう。
この建築検査、実は新築よりもやっかいです。
古い建物だと図面が残っていないこともありますし、そう簡単に「安全性を確認」することは出来ません。
もし倉庫を購入して住居にリノベーションすることを検討しているのでしたら、
設計図面が残っているのか(それは正確な図面なのか)
確認申請書類、検査済証はあるのか
などをチェックしておいてください。
「なるべく自分で自由にリノベーションしたい」という場合であっても、建築士なしで工事することはほとんど不可能だと思います。
相棒になってくれる建築士を見つけて、一緒に家づくりをすることをおすすめします。