スキップフロアの家/ロフトのある家の問題点/注意点について。
今回のコラムは台風など強風のときに家が揺れたり、きしみ音がしたりするのが嫌という人に、揺れやきしみ音のない家を建てる方法を、主に家の構造から書いていきたいと思います。
今の家でも揺れやきしみ音があるの?
現在の家はそのほとんどがちゃんとした構造計算を行っており、地震でもそう簡単には壊れないような構造になっています。
「耐震性がある家なのに風で揺れるなんて」と思うかもしれませんが、実際に揺れを感じることはあるのです。
強風でのきしみ音、そしてかすかに感じる揺れ。
マンションに住んでいた人であれば、考えられないことかもしれません。
しかしたとえ家の安全性としては問題なくても、家の構造によっては「かすかな揺れ」「きしみ音」を感じる家はあります。
木造は揺れるのか?
かすかに揺れを感じる、きしみ音がする可能性が一番高いのは木造住宅でしょうか。
今の木造住宅は壁量も多く昔に比べると揺れの少ない構造ですが、それでも比較的変形の大きな構造ですので、どうしても「揺れ」「きしみ」が発生しやすくなります。
屋根が大きめで風の影響を受けやすいことも不利な点ですね。
軽量鉄骨は揺れるのか?
軽量鉄骨、いわゆる大手ハウスメーカーに多い「プレハブ住宅」ですね。
軽量鉄骨の家の構造、見た目には柱は細く鉄骨の厚みもありませんが、筋交いをうまく配置して剛性を高めて、高い耐震性をもっています。
(実際、過去の地震でも倒壊したプレハブ住宅というのは無かったと思います)
耐震性が高いことについては疑いの余地はないのですが、強風突風をまったく寄せ付けないのかというと・・・微妙ですね。
実際、私は軽量鉄骨の家に住んでいたことがありますが、台風の夜にはかすかに揺れを感じたり、突風のきしみ音に驚いたりしたことがあります。
ハウスメーカーの技術もどんどん進化していますので揺れやきしみは減っているとは思いますが「まったく無くなった」と言えるかどうかはわかりません。
重量鉄骨は揺れるのか?
あまり住宅で採用されることのない重量鉄骨構造ですが、この構造の家はほとんど揺れを感じることは無いと思います。
「鉄骨のマンションは揺れると聞いた」という人もいるかもしれませんがそれは階数が高いからで、2階建、3階建くらいの住宅であれば重量鉄骨構造ではほとんど揺れを感じることはないでしょう。
特に床にデッキプレート(コンクリート床)を使った重量鉄骨であれば、たとえ2階でジャンプしてもきしみ音も発生しないと思います。
(軽量鉄骨の家は床がパネル構造なので、そこまでの床剛性はありません)
鉄筋コンクリートは揺れるのか?
住宅で使われる鉄筋コンクリート構造といえば「壁式鉄筋コンクリート」ですが、これはまったく揺れません。もちろんきしみ音もありません。
(壁式鉄筋コンクリート構造も、過去の地震で倒壊したことがない家の構造です)
もうひとつ他の構造と違うのは壁の剛性も高いことですね。
木造、軽量鉄骨、重量鉄骨・・・どの構造も、外壁面は「パネル」です。
台風でモノが飛んできたとき、外壁のパネルは「割れる」可能性があります。
しかし、鉄筋コンクリートの家は壁がコンクリートですから、多少モノが飛んできてぶつかっても問題ありません。
「揺れない」「軋まない」「モノが飛んできても大丈夫」という意味で、台風などの突風時には一番安心出来る構造でしょう。
結論
台風、強風、突風でも揺れない、きしみ音のしない家を建てるのであれば、一番は鉄筋コンクリート造になるでしょう。
次点は重量鉄骨。この構造でも揺れやきしみを感じることはほぼ無いでしょう。
木造や軽量鉄骨について、耐震性に問題があるわけではありません。
ただ耐震性が充分で安全な家であっても、揺れやきしみを考えると不利な構造であることも確かです。
「安全」と「安心」は違います。
台風など強風のときに揺れたり、きしみ音がしたりするのは絶対嫌という人は、鉄筋コンクリートか重量鉄骨を選んで貰った方が良いと思います。



