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戸建て住宅の建て替え、リフォーム、リノベーション【1】

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

今回は、住宅の建て替え、リフォーム、リノベーションについて書いていきたいと思います。


住んでいる家が古くなった、家族構成が変わったなどの理由で、今住んでいる家をなんとかしたいという人は多いと思います。


その場合、今の家を取り壊して新築住宅に建て変えるのか、今の家をリフォームしてそのまま住むのか、大規模なリノベーションを行うのか・・・その判断は簡単ではありません。


リフォーム業者さんに相談すると、当然リフォームを薦められるし、新築業者はリフォームと新築の比較をしてくれる訳ではないでしょう。

結局、自分でどちらかに決めてから、業者さんを探すことになると思います。


建て替えか、リフォームか、リノベーションか・・・今回は、その為のヒントとなることを挙げていきます。

今住んでいる家に手を入れたいと思っている人は参考にしてください。

リフォーム、リノベーション


◇建て替えとリフォーム・リノベーション、費用の違いは?

リフォームについては、間取りは今のままで床、天井、壁などの部屋の内装を綺麗に替えるだけであれば、そんなに高額な費用にはなりません。

しかし、キッチンやお風呂、トイレなどの「水回り」に手を入れる場合、費用は一気に高くなります。

どんな住宅設備を入れるのかにも依りますが、多分、数百万円くらいの予算は必要になるでしょう。

更に「屋根の修繕」「壁に断熱材」など、住環境の機能面まできちんと手を入れるとなると、その予算は一千万円クラスになると思います。

要するに、「新築レベルの家」に改築する場合、その費用も「新築レベル」になると思って下さい。

「新築レベル」のリフォーム・リノベーションというと、大手業者が行っている「新築そっくりさん」などもありますが、これも全面的な工事になりますと、新築するよりはるかに高額になることが珍しくありません。

予算については、

「”見た目”を綺麗にするリフォームであれば、そんなに費用は掛からない」

「”機能”を向上させるリフォームには、かなりの予算が掛かる」

「”新築並”のリフォーム・リノベーションでは、新築並、あるいはそれ以上の費用がかかる」

と考えておいて下さい。



◇安全性は大丈夫か?

木造2階建て住宅をリフォームする場合に気をつけて貰いたいのは、住宅の「構造的安全性」についてです。

古い木造2階建ての住宅の多くは、建築時に構造計算を行っておりません。

そして、残念ながらその多くは、現在の耐震基準を満たしておりません。

リフォーム、リノベーションで耐震性を向上させ「新築住宅レベルの安全、安心を確保したい」場合には、見た目のリフォームだけでなく、柱や壁などの構造補強が必要になると思います。

しかし、リフォーム専門業者の多くは「内装工事」が専門で、構造計算まで行う会社はそんなに多くありません。

リフォームで「新築住宅レベルの安全、安心を確保したい」場合、構造計算の出来る建築施工会社を選んで下さい。

※木造住宅の安全性ついては、多くの自治体で耐震診断を行っておりますので、まずは、それらを利用するのも良いかもしれません。

※絶対的な家の安全性を重視するなら、鉄筋コンクリート構造の住宅をお勧めします。



◇断熱性能をあげて新築並に快適な家にしたい

古い住宅が現在の住宅に比べて劣っていることの一つに、家全体の断熱性能があります。

平成24年度の国土交通省の調査では、既存住宅のうち、その約4割が無断熱住宅。平成11年の断熱基準性能を満たしている住宅は約5%となっております。
現在の住宅に比べると、古い家の断熱性能は著しく低いと言って良いでしょう。

断熱については、壁、床、天井に断熱材を入れるのも重要ですが、一番効果があるのは、窓の断熱性を向上させることです。

窓については、サッシを最新の高断熱タイプのものに入れ替えることで、家全体の断熱性能はかなり上がります。

最新の高断熱サッシへの交換は、

・気密性が上がり、すきま風が無くなる

・窓の結露が減る

・騒音対策としても有効

などの効果もあります。

高断熱で快適な家を目指してリフォームするのでしたら、窓サッシの交換も是非お勧めしたいのですが・・・窓サッシの交換については、結構費用がかかります。

予算を優先するか、性能を優先するか、このあたりの判断は難しいところです。



◇防水は大丈夫か

古い家の緊急性を要するトラブルとして、雨漏りがあります。

住宅設備が古いのは我慢が出来るかもしれませんが、雨漏りの修繕には猶予がありません。

屋根の点検、補修のポイントは、なんといっても信頼できる業者を選ぶことです。

内装と違って、屋根は仕上がりを簡単にはチェック出来ません。

屋根の点検・工事業者は、信用できる会社を選んで下さい。

また、屋根を全面吹き替える場合、相当の工事費用が掛かります。

あと何年住むのかを考えながら、必要なところのみ部分補修で済ませるという方法も良いかもしれません。



◇昔の住宅と今の住宅の違いについて

見た目だけでなく、昔の家と今の家にはいろいろな違いがあります。

たとえば、

・古い木造住宅は、基礎や地盤についてあまり考慮されておりません(地盤調査なし、基礎は布基礎が多い)

・古い住宅地の場合、水道の引き込み口径が小さい(12mm)の場合があります。

・電気の引き込み容量、分電盤の回路数が今とは全然違います。

など、あまり目にしない部分についても、様々な違いがあります。

リフォーム、リノベーション

リフォーム・リノベーションは、やり方次第では、現在の新築住宅と同様の安全性、快適性を手に入れることも可能です。

ただ、すべてを新築並にしようと思ったら、費用は「新築以上」にかかります。


戸建て住宅のリフォーム・リノベーションを行う場合、「改修後の家に何年住む予定なのか」などを想定しながら、まず、予算を決めて、その範囲内で工事をした方が良いと思います。


  ◇ ◇ ◇


家を作るときに考えて欲しいことについて、こちらのページに纏めてみました。

テーマ別コラムのまとめ【ペット/寒さ対策/子育て/地震に強い鉄筋コンクリート住宅など】

興味のある分野があれば、是非、目を通して下さい。


 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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