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ハウスメーカーの住宅の値引きについて

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

個人が購入するもののうち、住宅というのは最も高い買い物ではないでしょうか。

新築住宅ともなると、建築価格は年収の数倍にもなります。

一生のうち、家を建てる機会は、そう何度もありません。

そのため普通の人は、住宅という「高額商品」の見積を見慣れていません。


一般の方が新築住宅を建てる場合、一番身近なのは、やはりハウスメーカーでしょうか。

モデルハウスをみて、パンフレットを貰って、営業担当者と話をして、見積を貰って・・・という流れで住宅を検討している人は多いと思います。

プランを提案して貰い、見積書を作って貰ったけど、それは適正価格なのか、割高なのか、そして値引きなどの値段交渉をして良いのかどうか・・・初めての人が簡単には判断出来なくて当然です。

リビング

今回は、ハウスメーカーの住宅の値引きについてのお話です。

「値引きをお願いしても良いのか」「どれくらい値引きをして貰えるのか」・・・あくまでも個人的な見解ですが、幾つかの事例を書いていきます。


◆大手ハウスメーカーの場合

大手ハウスメーカーの場合、住宅の価格とは単純な「建築材料費用」「工務費用」の積み上げだけで決定されている訳ではありません。

モデルハウス、TVコマーシャルやパンフレットなどを見て貰えれば判るとおり、大手メーカーは「広告費」「営業経費」の割合が高くなっています。

さらに「研究開発費」もかかっていますし「人件費」も安くありません。

「ブランド力」や「知名度」などを勘案した上で住宅価格を決定している、という面もあります。


経営体力のある大手ハウスメーカーの場合、単純な「住宅の製造原価」だけで考えれば、値引き出来る余地は充分にあると思います。

ただ、会社全体を維持するための費用、商品のブランド力を考えると、「単純な値引き」には、すぐには応じて貰えないかもしれません。


大手ハウスメーカーの場合、見積の値引きに応じてくれるかどうかは、その会社の「社内事情」で決まる面が大きいと思います。

たとえば、決算などで値引きしてでも売りたい場合、担当者に値段の裁量権があり値引きに応じてくれる場合など、「どうしても売りたい社内事情」があれば、値引きに応じて貰える可能性があります。

見積価格と予算に開きがある場合、「駄目でもしょうがない」という気持ちで、値引きをお願いして貰えれば良いと思います。

じっくり時間をかけて交渉するのも、良いかもしれません。

その結果、タイミングさえ合えば、大幅な値引きが得られるかもしれません。


大手メーカーの場合、値段交渉、契約を行う営業担当部門と、工事を担当する部門は完全に分かれています。

たとえ「大幅値引き」で契約した家だからといって、工事部門が気を抜くようなことはありません。


契約前の値段交渉は時間を掛けてじっくりと、納得するまで行って貰えれば良いと思います。


◆格安ハウスメーカーの場合

大手メーカーに比べて安い分、住宅の製造原価に対する粗利益は少ないため、「値引き出来る余力」は大きくないでしょう。

それでも、営業所の目標達成目前など、社内事情によっては、いくらかの値引き交渉には応じてくれると思います。


格安ハウスメーカーは住宅設備や仕上げ材料、構造仕様を限定することで、設計や施工を単純化し、材料購入コストや施工コストを下げている場合が多いと思います。

そのため、「住宅設備や建具を安い製品に変えることでコストダウンする」という方法が難しくなっています。

収納プランや間取りプランなどについて、メーカー側のいうとおり、モデルプランのまま購入するのが、「一番お買い得」になるようです。

契約前の交渉では、値引きのお願いだけでなく「どうしたら安くなるのか」という相談をした方が良いかもしれません。


また、格安ハウスメーカーの場合、営業担当者に勤務経験の浅い、若い人が多いと思います。

値段交渉は営業担当者の力量に依る部分も大きいと思いますので、なるべく「力のある担当者」を付けて貰うようにした方が良いかもしれません。


天窓


ちなみに、建築士が設計して工務店が施工する場合、見積は原価ベースで行われます。

つまり住宅の価格は、「設備、材料価格」「施工工事費」に「適切な利益」を加えたものです。

良くも悪くも「社内事情」など、他の要素が入り込む余地はありません。

そういう意味では、「お値段以上、超お買い得な家」を建てるのには向かないかもしれません。

ただ、出来上がった住宅は、必ず「支払った金額に見合う」価値のある家になると思います。


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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