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マンションのリノベーションでトラブルにならないために。

浅井知彦

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テーマ:住宅

今回はマンションのリノベーションに関するお話です。

リノベーション
※写真は、弊社が担当したリノベーション物件です。


分譲マンションの戸数が増えるにつれて、新築分譲だけでなく、中古マンションの販売も増えてきています。

中古マンションを購入した人は、リフォームを行ってから住む人が多いと思います。

また、築年数の古いマンションの購入については、間取り、水回りまで含めた大規模な改修、いわゆる「リノベーション」を行ってから住む人も多くなってきました。


こういったリノベーション物件を選ぶ理由としては、

・価格が安い

・立地が便利

・新築同様のインテリア、住宅設備、間取りに出来る

などの利点が考えられます。


また、販売する業者側もリノベーションを行うことを前提としているようで、最近では、工事業者と提携して改修後のイメージ画像を見せたり、工事業者を斡旋するところもあるようです。


分譲マンションリノベーションは、工事内容としては、殆どの場合「内装工事」になります。

これらの工事は新築工事と違って、工事会社に特別な資格が必要だったり、構造計算などの技術が必要だったりする訳ではありません。

そういう意味では、一戸建て住宅に比べて工事に関するトラブルは少なそうに思えます。


しかし、一戸建て住宅とは違う点として、分譲マンションは「区分所有法」という法律、更にそのマンション独自のルール「管理規約」があります。

分譲マンションの住人(所有者)はこれらの法律、規約に従わなければいけません。

部屋内部の工事に関しても、これらの法律、規約によって「出来ること」「出来ないこと」「許可が必要なこと」が決まっています。

「購入した部屋は自分のもの」・・・だからといって、何でも勝手に行って良い訳ではありません。

リノベーション
※これも弊社設計のリノベーション物件です。


たとえば、リノベーション工事に関しても、窓ガラスのサッシや玄関ドアを勝手に取り替えることは出来ません。
バルコニーの改修も、基本的には出来ません。

室内の配管も、住人が取り替えて良い部分と、勝手に取り替えられない部分があります。

床材の変更や水回りの変更にも、殆どの場合「管理規約」による制限があります。

大規模なリノベーションには、「管理組合への届け出、承認」が必要な場合も多いと思います。


実際、床材の変更、水回りの変更を行った場合、隣接する部屋から騒音の苦情が出ることもあります。

このような場合、正規の手続きを行っていなければ、管理組合から再改修の指示が出されることもあります。

最悪の場合、管理組合から部屋の「使用禁止請求」が出されることもあります。


※この場合の「管理組合」とは、分譲マンションの所有者で組織されたもので、掃除やメンテナンスを行う「マンション管理会社」とは違うものです。
「管理組合」にはかなりの強制力もありますので、「違反行為差し止め請求」や「使用禁止請求」などを行うことが出来ます。


マンションは「個人宅がくっついている」という構造の住宅形態です。

たくさんの人、家族がひとつの建物に住んでいるのですから、近隣トラブルの深刻度については、戸建住宅より注意する必要があります。

工事の内容、仕上がり、予算も気になると思いますが、近隣トラブル、管理組合とのトラブルも、後々まで大きな問題になります。


分譲マンションのリノベーションは、そこに住むために行うものです。

工事中、工事の結果でトラブルが発生するのなら、何のためのリノベーションか判らなくなります。

リノベーションを行うことを前提に分譲マンションを購入する方は、業者選びに充分注意してください。

業者を選ぶときはデザイン案と見積書を見るだけでなく、区分所有法や管理規約の理解、管理組合への届け出、近隣への配慮など、工事以外の部分がちゃんとしているかどうかを確認することが大事だと思います。


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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