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注文住宅の電気設備についてのアドバイス

浅井知彦

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テーマ:住宅

前回、照明設備についてのお話を書きましたので、今回はその他の電気設備について書いていきます。

【参考】注文住宅の照明についてのアドバイス


◆スイッチ、スイッチプレートについて

スイッチボックスのサイズは、おおむね規格サイズが決まっていますが、スイッチやスイッチプレート(カバー)にはいろいろなデザインのものがあります。

これらの商品も、最近はインターネットショップなどで購入出来るようになりました。

通販専門サイトをみてみると、かなり凝ったデザインのものもあるようです。


部屋のインテリアデザインによっては、凝ったスイッチ、スイッチプレートが欲しくなるかもしれません。

しかし、機能面、信頼性を考えると、やはり「プッシュONNOFF」方式、それもワイドタイプが便利だと思います。

このタイプは、両手にモノを持っていても肘で押したり出来ますし、出っ張りも最小限で、服に引っかかったりしません。

スイッチ

写真はPanasonicのラフィーネアというシリーズのものです。

シンプルなデザインですが、インテリアとしても合わせやすいと思います。
(ハウスメーカーの白一色スイッチより、インテリアを邪魔しません)

Panasonicの量産製品なので、値段、信頼性も問題ありません。


もし国内メーカー製以外の個性的なスイッチ、スイッチプレートを使いたい場合は、信頼性、納品の問題もありますので、設計時、早めに御相談ください。


◆照明器具、後で買うのとあらかじめ設置するのは、どっちが安い?

家を建てるとき、照明器具の購入、取り付け方法は、

・電気工事で、建築工事として照明器具を設置する

・取り付け器具(引っかけシーリング)だけ付けておいて、後から自分で照明器具を購入する

の2つのパターンがあります。

引っかけシーリング
左側が天井に埋め込んだダウンライト。右側が後で照明器具を付ける引っかけシーリング。


照明器具を最初から付けるのか、後から買うのか・・・

リビングなどの大きな居室はインテリアデザインの問題として決めやすい面もあるのですが、悩むのがトイレや洗面、納戸のような狭い場所です。

この2つの違いを考えてみると、

・建築工事で取り付け
 →取り付け面がスッキリする。

・後で購入する
 →若干、コストが安くなる(安い照明器具を購入した場合)
 →機器の取り替えが出来る

こんな感じになるかと思います。


正直、コスト面も含めて、それほど大きな違いは出てきません。

このあたりは設計者と相談した上で、好みで決めて貰って良いと思います。


◆センサースイッチ(ライト)は便利

廊下や階段などにはセンサー式のスイッチ、ライトがおすすめです。

センサーライト

最近は、照明器具自体に人感センサーがついているものもありますが、新築時ならセンサースイッチをおすすめします。

通常のスイッチのようにONOFFも出来ますし、点灯時間の調整もできますので、便利です。

消し忘れが無くなって便利なセンサースイッチですが、トイレの照明に使うときには注意しましょう。

トイレの中で人はあまり動きませんから、人が居ても照明が消えて真っ暗になることがことがあります。


◆空配管(カラ配管)

部屋のコンセントボックスには、電線だけでなく、いろいろなものが引き込まれています。

リビングだとテレビアンテナ、電話線、書斎などの居室にはLANケーブル(インターネット)など、コードの種類は様々です。

そして、その種類は昔に比べてどんどん増えていく傾向にあります。

近い将来、光ファイバを各部屋に引き込むのが普通になるかもしれません。更にもっと、考えもしなかった配線が出てくるかもしれません。


住宅の耐用年数から考えると、電気設備の技術トレンドの変化は、非常に早いものであるといえます。

将来のことを考えると、家の中には、幾つかの「空(カラ)配管」を入れておくのが良いかもしれません。

空配管は、設計時に建築士、施工業者に相談すれば、設置してくれると思います。

少しお金は掛かりますが、後から配線工事をするのに比べれば、お得かもしれません。


最近では防犯カメラやホームセキュリティを設置する家も増えてきました。

【参考】泥棒、空き巣に強い家を作る方法

【参考】防犯性能の高い家を作る方法

防犯カメラ、ホームセキュリティを使う場合、室内だけでなく、外部用に通じる空配管があると良いかもしれません。


◆コンセントは何処に付けるのか

部屋のコンセントについて、従来は「6畳間で2つくらい」が、標準の設置個数でした。

しかし、電化製品の増加、多様化がすすみ、最近では多めに設置しておく傾向にあります。

家具でコンセントが隠れてしまうことなどを考えると、多めに設置しておくのが正解なのですが、当然、個数が増えればコストも上がってきます。

注文住宅では、家具を何処に置くのかを考えながら、「使える位置」にコンセントの位置をするように計画して下さい。


あと注意して欲しいのは、通常の居室以外のコンセントについてです。

たとえば、

 ・キッチンまわり
  → ハンドミキサー、ノンオイルフライヤーなどの調理器具

 ・ダイニング
  → IH卓上コンロ、ホットプレートなど

 ・廊下、階段
  → 電気掃除機

 ・洗面、脱衣室
  → ドライヤー

・・・のように、いつも出しておく訳ではないけど時々使いたいモノについては、コンセントの設置を忘れがちです。

どういう電化製品があり、どこのコンセントを使うのか、設計時に考えておいた方が良いでしょう。


また、ガーデニングでは電動芝刈り機などを使うかもしれませんし、掃除で高圧洗浄機を使うかもしれません。

玄関まわりにあるコンセントは、クリスマスツリーを飾るのに便利です。

屋外、玄関まわりにも、コンセントがあった方が良いかもしれません。


コンセントの位置については、想像力を働かせて、設計者ともよく話し合って、設置し忘れがないように決めていって下さい。


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 ◇ ◇ ◇


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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

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