子どもの可能性を伸ばす家【1】子供とともに成長する部屋

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:子どもの可能性を伸ばす家

家を建てようと考える大きな動機のひとつに「子育てのため」があります。

これから数回にわたって、子育て世代のための家作りについて書いていこうと思います。


まず最初は子供部屋についての考え方ですが、子どもの成長に従って必要なスペース・用途が変わってくると思います。


最初に子ども部屋の必要性を感じるのは、小学校に入学する頃でしょうか。

小学校に入ると教科書やランドセルなどを置くスペースが必要になります。

自分のことは自分でやるという習慣をつけるためにも、子どもに「自分の場所」を作ってあげる必要があるかもしれません。

しかし、きっちりとした「子ども部屋」を作っても、小学校低学年では、まだ自分の部屋に一人で居ることは少ないと思います。

殆どの時間は、リビングなどで家族と過ごすのではないでしょうか。

小学校低学年くらいなら、リビングの中あるいは程近い場所に、子供の勉強する空間を作ってあげると良いと思います。


子ども部屋ロフト

リビングのロフトスペース。

子どもが小さいうちは、こういう場所を子ども部屋にしても良いかもしれません。


小学校高学年から中学生くらいになって、一人で宿題などが出来るようになれば、個室の子供部屋も良いと思います。

さらに中学生から高校生くらいになれば、勉強だけでなく、趣味なども増えるでしょう。

服なども増えてくるし、大きな収納が必要になるかもしれません。

広い部屋が欲しいと言われそうです。


しかし、そこから数年して子供が独立してしまえば、また子供部屋は不要となってしまいます。

そのときに広い空き部屋を作るのも効率の悪い話です。

将来は空いた部屋を書斎にするなど、このあたりは上手く流用できるように、考えるべきでしょう。



リビングと子ども部屋を直結させるなどして、子ども部屋をあまり独立させないという考え方もあるかと思います。

将来、子ども部屋が不要になったときの部屋の使い勝手を考えると合理的な考えかもしれません。

しかし、「子どもに個室を与えると家族のコミュニケーションが希薄になる」「個室の子ども部屋は、子どもが部屋に閉じこもって良くない」というネガティブな考えは、ちょっと違うと思います。

子ども部屋について考えるとき、「子どもが○○しないように」という否定的な考えではなく、「○○出来るように」というふうに可能性を伸ばすような考えを持って欲しいと思います。


子育てのために家を建てるのなら「子どもともに成長する間取り」「子どもの可能性を伸ばす部屋」であるように考えたいですね。

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士、コンクリート診断士、マンション管理士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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