設計事務所の考える住宅価格・・・ローコスト住宅について考える

浅井知彦

浅井知彦

テーマ:住宅

ローコストで家を建てるとしたらどんな家を計画したらいいのかについて、今回は考えていきます。

※関連コラム
鉄筋コンクリートでつくるローコスト住宅

どんな家を設計したらローコストなのか・・・簡単にいうなら「シンプル」「量産品の利用」がキーワードでしょうか。

例を挙げて説明していきます。


まず、家の大きさと形について。

通常のファミリータイプの住宅なら、2階建てが無難でしょう。
(土地が狭い場合、3階建て、地下室なども欲しくなりますが、これらは一般的に2階建てより少し高くなります。)

家の形は四角、1階と2階の大きさが同じ、いわゆる総二階がコスト的に有利です。

屋根の形はなるべく単純に。片流れか切妻が基本になります。

外壁は・・・サイディングあたりがコスト的に有利でしょうか。

屋根材はスレートやガルバニウム鋼板など、軽いもの。

これらの材料は様々な色、デザインがありますので、コストの関係で選択の余地が狭まることは無いと思います。

ローコスト住宅

サイディング外壁、片流れ屋根の例


内装については壁と天井はクロス貼り、床はフローリング。

キッチンやトイレ、バスルームは、国内メーカーの量産品で揃えます。

建具も国産メーカー品。

内装ドアや収納スペースなどは減らすことでコストダウンできますが、住み心地が悪くなったり冷暖房費が余計に掛かってもいけないので、それなりにちゃんと部屋を区切りましょう。

窓はペアガラスの断熱アルミサッシ。

壁にはきっちり断熱材。

こういうところでコストを削ると、後で酷い目に遭いますから、ここはキッチリと対応します。


これで機能的には充分、性能の高い住宅が出来ると思います。


では、具体的に、これで幾らくらいの家になるのか。

施工する工務店に依るのではっきりとした金額は言えませんが、設計者としての想定としては、

  140平米、4LDKで1500万円~

くらいではないかと思います。

住むのに充分な性能を持つ、機能的なローコスト住宅のベース価格は、これくらいかかると考えて頂いて良いでしょう。


この価格を参考にして頂いた上で、あとはこれに「やりたいこと」「住みたい家」という要望、夢の部分を足していくという作業です。

土地が狭いので3階建てにする、隣地が近いので上手く陽当たりがとれるように窓をつける、などの住む場所に合わせた設計。

広いバルコニーを作る、オープンで天井の高いリビングダイニング、こだわりのフローリング、屋上庭園など、オリジナル設計ならではの夢を実現する部分。

やってみたことはいろいろあるでしょう。

コストを考えながら、これらの夢の部分を設計していくのが、設計事務所と一緒に家を建てる楽しみだと思います。

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浅井知彦
専門家

浅井知彦(一級建築士、コンクリート診断士、マンション管理士)

レヴォントリ株式会社 一級建築士事務所

素材メーカーで研究してきた技術者としての経験を生かし、鉄筋コンクリート造の住宅を提案。快適な住空間に仕上げるため、デザインありきではなく機能性重視の家づくりを行っています。

浅井知彦プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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