基本動作重要性
パーセーブしたい!
パッティングラインはどう読むか? タッチの強さはどう出すか?
前から書いてきたコラムで、寄せワンを獲るためのアプローチをご紹介してきました。
今回は、せっかく寄せたのですから、何とかカップに入れたい。少なくともタップインできるくらいまでは近づけたい。
そのためのライン読みとタッチの出し方について書いていきたいと思います。
以前ラウンドレッスンした時の、生徒さんとの会話で進めていきますね。
コースは三木よかわカントリー倶楽部、西コース5番ホール。160ヤードのパー3です。
(以下、私は私。生は生徒さん。なお、文中の方向はすべてティーインググランドからピンに向かってのものです)
生『先生、なんでしゃがんでるんですか?』
私がパッティングラインを読むためにしゃがんでいると、生徒さんが訊いてきました。
私『こうやってしゃがんで、帽子のつばに手を当てて目を陰に入れてやるとラインの起伏が光の反射で良く見えるからですよ。』
生『へぇ!そうなんですか? ちょっとやってみよ! って・・・なんも分かりませんよ?』
私『ちょっと角度を変えてみてください。光ってるところと、濃く見えるところが分かりませんか?』
後ろの組は、最低でも2ホールは空いていることが分かっていましたから、少し時間をかけてラインの読み方のレッスンをすることにしました。
私『幸後ろとは空いていますから、今日はじっくりラインの読み方をやりましょうか。じゃ、さっきのしゃがんで見るのはいったん置いておいて、最初からやりましょう。さて、貴方のラインですがどう見ますか?』
生『えっと、カップ1個フックですかね?』
私『なぜそう思いましたか?』
生『んん・・・カップの右の方がやや高いように見えます。』
私『では貴方の足元はどうでしょうか?』
生『え?足元ですか?』
生徒さんのボールは、カップの手前約4メートル。ここのグリーンは奥に向かって上っており、右から左への傾斜があります。ですが、場所(ピンポジション)によっては、逆に左が右より高い場所もあるのです。
生徒さんは、何度もこのホールを廻っているため、右から左という先入観から、足元の確認をしていなかったのです。
私『足元はややつま先下がり、つまりスライスになっていないですか?』
生徒さん、キョトンとしているので、ラインを横から見る位置に連れて行きました。
私『見てください。足元から2メートルくらいはこちら側が高いでしょう?つまりスライスなんです。で、カップの際だけが向こうが高い。だからフックはほんの少しで、スライスの方が強いんです。』
生『はぁ。なるほど。たしかに手前側はスライスで、途中から真っすぐになって、最後だけフックですね。こうやって見ると、良く分かりますね!』
往々にして、プレーヤーはカップ周辺だけか、あるいは自分の足元だけを見がちです。
でもここで述べたように、足元の傾斜、道中、カップ周辺の最低3か所はチェックしないと、実際のラインがどうなのか?は分かりません。
私『よくトーナメントの中継なんかで、プレーヤー(プロ)がボールとカップの間に立ってワッグルしているのを見るでしょう?あれは、そこの傾斜と、そこからの強さを確認しているんですよ。』
生『へぇ。じゃあ、そこからどれくらいの強さで打ったら入るか?を見ているんですね。』
私『そうですね。そういう場合が多いと思います。またそのワッグルしている場所の多くは、ブレーキングポイントと呼ばれる『ここまで打ったら曲がりが始まる』というポイントであることが多いです。』
生『じゃぁさっきのしゃがんで見る。は、どういう意味があるんですか?
私『そうですね。光の反射等で、より細かくアンジュレーションを読んでいるんです。目を陰に入れることによって、より分かりやすくなりますね。』
生『なるほど!そしたら、ラインとタッチのどちらがより重要なんですか?』
私『もっともな疑問ですね(笑) もちろんどちらも重要ですが、まずは距離感でしょう。ブレーキングポイントまで打てなければ先に曲がってしまいますし、強すぎれば曲がらずに抜けてしまいますから。アマチュアの方に多いのは、ラインを気にしすぎて距離感がおろそかになってしまうことです。どこまで打ったらどう曲がるのか?であって、どう曲がるからどの強さで打つ・・・いや、おんなじことですね(苦笑) まぁ、タッチもラインも重要ですが、まず距離感を養わないと、せっかく読んだラインが正しくても、寄らないし入らないということです。』
生『ではタッチの出し方はどうしたら養えますか?』
私『いつもスタート前の練習グリーンでやっている、あの距離感。はい、『今日の自分の基準のタッチ』を養うことです。基準がはっきりしていると、それに合わせたタッチが出しやすくなりますから。』
基準となるタッチの出し方をご説明しましょう。
練習グリーンで、できるだけ平坦なところを探してボールを3個置きます。
次に『自分が一番スムーズにストロークできる大きさ』を決めます。
これはテイクバックが何センチで、フォローが何センチという風に何らかの目安を設けると、実際のパッティングの時に参考にしやすいです。
1球目に対して目をつむり、基準のストロークでパットします。
転がってゆくボールを目で追わず=下を向いたまま次のボールに向かい、また目を閉じてストロークします。
3球目も同じです。
3球打ち終わったら、だいたい1メートル半径の中に集まっていると思いますから、立っているところからその円の中心までを歩測します。
それが7歩だったら、7歩が今日のあなたの基準のタッチです。
もし15歩もあったら、それは基準のタッチがきつすぎますから、もう少し小さなストロークを基準にできるよう調節してください。
この基準のタッチに、上り下りなどを加味してストロークを組み立てていくと、3パットは減ると思います。
まとめ
グリーン上では、ボールからカップまでを距離によって何分割かし、足元・道中・カップ周りのアンジュレーションを縦(ボールからカップ方向・また反対方向からも)だけで見るのではなく、横からも確認してみる。
ただし、これは他のプレーヤーがプレーしている背後などであらかじめやっておくべきものであり、自分の番が来てからアンジュレーションを見たり測ったりしてはスロープレーにつながりますから気をつけましょう。
どこで曲がり始めるのか?のブレーキングポイントを確認し、それを踏まえてタッチの強さを考えましょう。
ラインを気にしすぎると、タッチがおろそかになりますから距離感を第一に考えた方がいいでしょう。
タッチの強さは、練習グリーンで基準となる距離(歩測)を把握しておきましょう。
基準が7歩で、カップまでが14歩だったら、基準の2倍の強さで・・・という感覚が出しやすいですから。
いずれにしても、グリーン上は意外と時間を喰います。
準備は他者がプレーしている間に済ませ、自分の順番が来たらさっさと決め事だけをやってプレーをしましょう。
いかがでしたか?
パッテングラインを読むというのは、私たちプロにとっても難しいものです。
風とラインの読みは本当に難しいです。
でも、もしこれを学びたい!と思われましたら、是非オーシャンゴルフアカデミーにお越しください。
ラウンドレッスンを通じて、可能な限りのことはお教えさせて頂きますから。