商標登録は商標とその商標を使用する商品やサービスとセットで行います
アマゾンのブランド登録など、ネットショップの商標に関して、よく35類の小売商標と普通の商品商標の違いの説明を求められることがあります。
例えば
35類 所謂 基金毒の卸売り又は小売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供(小売り商標)
と
14類 所謂 貴金属(商品商標)
との違いについて
以前は、小売り商標というものがなく、他社メーカー品を小売りする小売店が
小売店としてのお店の名前を保護するには、扱っている全ての商品を指定して
商品商標を取得するしか方法はありませんでした。
そうすると、例えばコンビニであれば、商品数が膨大になり、指定する区分数が多く
維持費も膨大になっていました。
そこで、法改正により、商品ではなく、「他社商品を小売りする」という、サービスに
ついて、商標を取得できるようにしたのが35類です。
よって35類の効力は、商品そのものに商標を付けること自体は独占できず、
小売店の看板、包装紙、カタログ、広告、店員の制服、等に、商標を使用する
権利を独占できるものです。
商品商標の場合は、他人が店頭にならべなくても、商品に登録商標を付けるだけで侵害になります。
小売等役務の登録商標があるときに、他人が商品にその登録商標または登録商標と類似する商標を付して販売した場合に
侵害になるか否か。
これは、侵害になる場合と侵害にならない場合の両方の判決がでています。
製造する者と販売する者が、通常共通するか否かなどの状況によって侵害の成否が
変わるようです。まだ、裁判例が少ないので、今後の動向に注意が必要です。
一般には、オリジナルブランドの商品を扱っていれば、商品商標
他社ブランドの商品の小売であれば、35類になります。
オリジナルブランドの商品がなければ、商品そのものを保護する必要がないからです。