素敵な五月人形2013⑦ ≪驚きの4000回。 鑽彫り(たがねぼり)兜 黄金 ≫
今回ご紹介させて頂く兜は、前年もご案内させて頂いた鏨彫鍬形(たがねぼりくわがた)の兜です。
兜部分は矧ぎ合わせ鉢に金色の鋲をびっしり埋め込んだ鉢となっており、重厚感をグッとだしてます。
吹返し(ふきかえし)、眉庇(まびさし・兜のつばの部分)にはトンボ柄の甲州印伝が施されています。トンボは古くから「勝ち虫」と呼ばれ、昔の武将達は験担ぎでこの紋様を好んだと言われます。
この他、鍬形受け部分には蝶の装飾が施されています。過去に「なんで男の子の節句に蝶?」と不思議に思った私は職人に尋ねたところ、「蝶は仏の使い」「蛹(さなぎ)から美しく羽ばたいていく」などのと言い伝えがある事から、こちらもトンボと同様に験担ぎで愛用されていたようです。なるほど♪
びっしりと埋め込まれた鋲です。鉢を矧ぎあわせた縦筋の部分には覆輪(金具)を施し、重厚感が溢れます。
現代の鍬形の殆どが機械打ちが多いのですが、こちらは皇室に雛具を納められる際、金具を任された二代目上昇さんの手打ちです。この2本の鍬形だけでも約4000回打ち込むそうです(表打ち約3000回裏打ち調整打ち約1000回)。打ち込んだ柄に魔除けの色「朱・あか」を刷り込んでくれています。機会では作れない風合いです。
兜の後ろ部分はあまり目に触れることが無いのですが、通す本数も多くしっかりとした縅(おどし・通した紐の事)
となっています。
袱紗(ふくさ・兜の下に敷いている布のこと)も鷹の柄が入っており、力強く鋭い爪で掴んだ幸せを離さないと縁起のよい生き物とと言われております。
飾り台はどっしりとした足つきの黒塗り台となっており、屏風はスマートに金沢箔の二曲屏風(にきょく・二つ折りの屏風)でのセッティングです。
(※前年のスタイルでのご提供も可能です)
ん~、デザインよし、縁起よし、重厚感どっしり。素敵です♪
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参考までに♪
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