業界は「窓断熱」、でも生活者は「結露」がいやなのです!

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション 結露


【マンション廊下の結露の川、玄関と部屋から流れていますね】

COP21パリ会議の採択から、ようやく住宅の高断熱について政府も業界も本腰を入れてきました。
先日も国交省と経産省の支援制度の説明会にいってきましたが、住宅・非住宅を問わず、省エネやCO2削減につながる支援制度は以前よりも具体的になっています。
政府としてはCO2削減、建築・住宅業界は省エネ高断熱というイメージですが、日頃、私がお客様から相談を受けるのは、結露の方が寒さよりも、優先順位が高いのです。


【アルミサッシとガラスにびっしりの結露】

私が所属している健康・省エネを推進する国民会議では、家の寒さと病気の関係、特に高齢者のそれについて検証を続けていますが、各地のシンポジウムでは必ず、現役の医師の方の講演があります。
この国民会議と地域協議会の良い点は、地元の現役の医師がメンバーであることです。
われわれ建築業者が集めたエビデンスの検証に医師が加わっていることです。売らんがための高断熱志向ではないのです。でも、現役の医師の中には、家の寒さと健康の関係に無関心な方はまだいらっしゃいますが、結露をなくすことが、病気の原因を取り除くことになることについては一致しています。
結露・湿気の次に来るのは、ダニ・カビだからです。


【結露には換気が重要、換気小窓付きの木製内窓】

主婦目線で言うと…
① 窓の結露が気になって毎日、窓ガラスを拭くことが重労働だからなんとかしたい。
② 結露を放置していたら、窓周りにカビがびっしりついてなんとかしたい。
③ 子供が(原因不明の)咳をするので、ネットで調べてみたらカビではないか?
マンションに住んでいる方からは、寒さもありますが、結露で行動を起こす人の方が多いのが現実です。
でも、結露は外気温や室内の暖房利用によって常に変わるので、これをすれば絶対に結露を止められると言い切れないのです。


【ガラスブロック窓に、上下分離型の木製内窓】

マンションは戸建と違って、窓サッシ&サッシ枠は共用部に当りますの、アルミサッシを樹脂サッシの交換すること、ガラスを断熱ガラスに入れ替えることができません。
必然的に室内側にもうひとつの窓を取り付ける二重窓、内窓しか手段がなくなります。
でも、結露対策には、この内窓以外によい方法はありません。
同じ面積で調べると、アルミサッシの方がガラスよりも結露が多く発生します。

一番室内側のアルミサッシ枠についた結露が室内側に浸みこんだり、流れたりして被害を広げます。
MDFの枠が膨らんだり、木枠が腐る、壁紙が剥がれる状態になります。結露が多いと、石膏ボードがぽろりと落ちたりすることすらあります。そこまで行かなくても、放置しておくと黒カビがびっしり。
でも、ご安心ください。マンションは鉄筋コンクリートですし、戸建と違って躯体そのものを触れない分、表面部分の改修で済みますので、費用はかなり違います。


【リビング2連の木製内窓】

次は部屋全体のインテリアや耐久性をどう考えるかによって、内窓の素材がかわります。
当社では、無垢材の内窓&木製枠をオススメしています。
無垢が一番熱伝導率が低いということは、各種のデータでも明らかです。
あとは、外気温や風当たりによる外壁の冷え具合と、暖房の種類で断熱ガラスのグレードをどのように考えるかです。
当社でも、ここが一番悩ましいところです。一足飛びに超高断熱のガラスにすれば、まずここらあたりでは結露の心配はありませんが、お客様が負担する費用も大きくなります。
段階的に対応できる仕組みを考えるべきかも知れません。
森林浴生活は、結露と戦い続けるのです。

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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