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髙岡恭平

人生100年時代の健康寿命リフォームのプロ

髙岡恭平(たかおかきょうへい) / 福祉住環境コーディネーター

森林浴生活株式会社

コラム

床と天井が木質(無垢材)の住宅は快眠・健康、木質化率50%が最適!

2015年11月9日 公開 / 2020年4月24日更新

テーマ:マンション 調湿 

コラムカテゴリ:住宅・建物


【神戸市須磨区妙法寺 サンヴェール須磨妙法寺モデルルーム ログハウス風】

杉や桧を単なる建材として使う以外に、住む人の健康面で積極的に関与できるという検証結果が、2000年頃から森林医学の専門家から相次いで発表されていました。
私は下記の文献を参考に「マンションと無垢内装」の研究をしてきました。
①森林医学 森本兼嚢・宮崎良文・平野秀樹【編集】 朝倉書店 
②森林医学Ⅱ 大井玄・宮崎良文・平野秀樹【編集】 朝倉書店 
③木と森の快適さを科学する 宮崎良文【著】全国林業改良普及協会 
④森林浴はなぜ体にいいか 宮崎良文【著】文藝春秋 
⑤快適さのおはなし 宮崎良文【編著】日本規格協会 
⑥人が快・不快を感じる理由 武者利光【著】KAWADE夢新書


【神戸市須磨区横尾7丁目 横尾モデルルーム 桧床の音楽ハウス】

宮崎良文先生が、木質化(30%、45%、90%)内装された3パターン部屋で人の生理指数を調べた論文があります。
今までは人の感覚でしか、木質内装の評価がなされなかったのが、新たに開発された計測機器や手法で、人の感情とは別に、人体そのものがストレスを感じているのか、いないのかを明らかにしたのはとても画期的なことでした。

以下「木の癒し」にまとめていますのでご覧ください⇒http://forestreform.co.jp/healing/


【神戸市須磨区清水台 グレーシィ須磨アルテピアモデルルーム 杉の置き床生活第1号】

一方で、マンションの結露対策を中心に住まいの高断熱化を自社モデル(サンヴェール須磨妙法寺モデル、横尾モデル、グレーシィ須磨アルテピアモデル)で検証していた私が、「健康と省エネを推進する国民会議(前身はNPO法人シックハウスを考える会)」に参画したのは、昨年7月のことです。
今では全国の都道府県に地元行政・医療・建築林業界が一体となった地方組織が出来あがりました。
いまや、全国で450社を超える会社がメンバーです。

その中で、実際のエビデンスにもとづいた実証研究の主導的な立場で引っ張ってくださっている伊香賀先生(慶応大学理工学部 システムデザイン工学教授)が、とても興味深い研究結果を今年の1月に発表されました。


【神戸市西区井吹台東町 ベルエール西神南モデルルーム 木製家具満載のモデル】

建物内装の50%程度を木質化している場合が、最も睡眠効率が高いことが分かったのです。
木質内装化率の目安は下記の通りです。
① 0%  合板の床材を床のみに使用
① 25%  杉や桧の無垢材を床のみに使用
② 50%  杉や桧の無垢材を床と天井に使用
③ 75%  杉や桧の無垢材を床と天井、壁の腰板に使用
④ 100% 杉や桧の無垢材を床と壁と天井すべてに使用

睡眠の質にまで踏み込んで検証されたのは、伊香賀先生が初めてではないでしょうか。
宮崎先生の検証では、木質化率30%の部屋が最も生体がリラックスするという結果で、最高血圧などストレスを表す指標が最も低下したのが30%の部屋だったのです。
実際、当社で杉を使った建具、杉の床材を寝室に使用されたお客様からは、不思議によく眠れるようになったというお話をいただいています。

伊香賀先生は、いくつか考えられる要因の中で、無垢材の見た目と香りがもたらすリラックス効果の点から、木質化と良好な睡眠の関係を検証されました。
香りの面では…
① 木の香りが強いほど好ましさとリラックス度が高まる。
② 木質化率(木の使用量)が高いほど、香を好ましいと感じる人の好ましさも上がる。


【杉の羽目板で施工した天井】

興味深いのは無垢材を使用している量と見た目の関係を分析した結果です。
③ 床や天井では、好ましさと使用量が正比例したのに、壁に木の使用量が多くなると見た目の好ましさが低下した。
④ さらに木質化率50%をピークに好ましいと感じる人が減っている。
これについては「室内の全面を木質化すると、暗い印象や圧迫感がでるのではないだろうか」と分析されています。

これら、香りと見た目の両方の結果を考慮すると、住まい手がリラックスしやすいのは、木質化率50%程度(=天井と床を木質化)であるということになったのです。
ただし、寝室だけをこのようにしたからよいと言うわけではなく、就寝前に過ごすリビングやダイニングなどのリッラクス度も影響するので、室内全体で50%程度が望ましいと締めくくられました。

伊香賀先生のお話は、何度となく講演会や勉強会で聞いていますが、私はある種の住まいの革命ではないかと思っています。新建材一辺倒の内装から、日本の山にある杉や桧を使う方が私たち日本人の健康観には合っているということなのですから。
健やかに眠るためには室内の温度バリアフリーや自然の調湿力が欠かせません。
杉や桧を使った高断熱リフォームの工夫にこれからも邁進したいと思います。

こんな天然木を使った健康快適なマンションリフォームに興味のある方はこちら⇒http://forestreform.co.jp/

丸4年を経過した総天然木リノベーションマンションでその効果の継続を確認したい方はこちら⇒http://mansion.forestreform.co.jp/

古民家の知恵をインテリアに活かしたマンションモデルを見学したい方はこちら⇒http://modelroom.forestreform.co.jp/

神戸市灘区で杉の置き床生活を施工したマンションをご覧になりたい方はこちら⇒078-766-2435(近日ホームページ公開)

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