マンションの和室、面白くない普通の改装をどうする!
【アルテピアⅡ番街で貼りかえたM様邸】
ここ最近、襖(ふすま)紙貼り替えのご依頼が立て続けに有りました。
正直なところ、襖についてはよく知らなかったのですが、須磨区で古くからやっている表具屋さんのご主人とご縁があり、教えを乞うことが出来ました。
襖には大きく分けて、和ふすまと量産ふすまがあります。
和ふすまの構造は組子骨というようです。簡単に言えば四方と内部に桟が渡してあってその木部の上に糊をつけて下地をつくり、その上にふすま紙を貼りつけます。
下地は和紙を重ね貼りするので表面のふすま紙にビニール系を使わなければ、中の空洞も含めて調湿効果が期待出来ます。それから何度でも貼り替えできるのが一番の特徴です。
妙法寺近辺では、横尾団地の元々の襖がこれにあたります。30数年前の古いマンションにはまだ伝統工法が活きていたのですね。
【リビングとの間の3枚引込み襖も貼りかえました】
量産ふすまはその芯材によって何種類かあるようです。
発泡系、段ボール系、ペーパーコア系の3つのようですが、アルテピアと10年前のワコーレは発泡系芯材でした。表具屋さんはスタイロと呼んでいました。
これは剥がすことが出来なくて上に重ね貼りするのが普通なのですが、古いふすま紙の糊が劣化してシミになることが多いそうです。
【3枚引込みの室内側は、押入れの無地部分を使いました】
でも驚いたことに、この表具屋のご主人は、劣化して変色した糊を丹念に削り落としてくれました。
凹凸の下地調整に和紙を使ってくれたので新しいふすまの貼り上りがきれいになりました。
おまけに襖の縁の木部が紫外線で退色しているからと、きれいに塗装までしてくれたのです。
プロ中のプロの仕事ですね。感謝感激でした。
【敷居や鴨居、襖の下に塗る蝋(ろう)です】
普通、敷居の滑りをよくするために蝋(ろう)を塗るのはよく知られていますが、これは表具屋のご主人が愛用しているすべり剤です。普通の蝋よりも品質が劣化しないのです。
ご主人は蝋がわくという言い方をしていましたが、敷居に付着しているところが汚れにくいのだろう思います。
【マンションによくある引込み襖】
居間と和室を仕切るふすまは当然、両面貼ることになります。
当然、異なる素材を貼るとその張力で襖が反りかえりますね。発泡系の場合は特にそうなります。
片方をクロス、片方をふすま紙にするには襖ではなく、板戸でなくては無理ですね。
それと肝心なのは風当たりです。貼りかえた直後は、引込まずに両面均等に空気に当るようしてください。同じように乾いてくれれば片方に引っ張られて反る可能性は低くなります。
マンションの和室は軽んじられているような気がしますが、襖を直して畳の表替えをするだけでリビングの雰囲気もがらりと変わります。
蛇足ですが、畳は国産(熊本産)のイグサを使いましょう。中国製と違ってその香りが段違いです。
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