古材屋さんが語る合板(ベニヤ)の罪

髙岡恭平

髙岡恭平

テーマ:マンション 調湿 

15日(木)は久しぶりに休みが取れました。朝から鼻がむずむずしていたのですが、部屋を暖かくして昼寝をしたのですっかり元気になりました。
杉無垢の床と建具、漆喰壁に囲まれた寝室はいつも僕を爆睡させてくれます。

14日(水)、新しい御簾戸(みすど)を買い付けに行った時に古材屋さんから興味深い話を聞きました。
古材屋とは、古い民家を解体してその古材を販売します。
建具、家具、壁板、床板、時には土壁まで売り物にします。
簡単な手入れだけで通用するモノや、かなり手を入れて再生するモノもたくさんあります。





【今回、買い付けた御簾戸です】

彼は、ベニヤ板が日本の家をダメにしたというのです。

1912年(大正元年)に某商社が、ロシアから合板を輸入した際にベニヤと呼んだのが最初です。
ベニヤが輸入されて今年でちょうど100年なのです。
参考までに、石膏ボードはその10年後の1922年に吉野石膏が製造販売を開始したのが最初です。

ウィキペディアによると合板は次のように紹介されています。
• 厚さ・サイズが豊富である。
• あらゆる方向からの力に対して、高い抵抗力を発揮する。
• 下地材として使われることが多く、仕上げには使われないため、外見はあまりよくないものが多い。
  そのため上下に仕上げ材を貼り付けた化粧合板も存在する。
• 無垢板と比較して、価格が安い。
• 接着剤を含有するので燃焼時に黒煙がでる。
• 接着剤の層は水に弱く、長時間曝露されると加水分解が進む。このため濡れる可能性がある場所では、  防水処理をすることが欠かせない。短時間の濡れに対しては乾かせば問題ないが、木質層が吸水して波  打つことがある。
• 接着剤の層を有するので、白蟻の食害には無垢板より強い。
• 接着剤の層を有するので、水蒸気は透過しない(無垢板は水蒸気を透過する)。

合板を使用していない古民家の板(無垢材)は、傷みが少ないのだそうです。

古材屋は一方では解体工事のプロでもあります。当然ですね、解体した古材を再販するのですから。

彼は、合板に接している無垢材はほとんど状態が悪く再利用できないというのです。

ウィキペディアの最後の説明にある、「合板は接着剤の層があるので、水蒸気が透過しないこと」がその原因です。

次の写真は、横尾モデルルーム(築後約30年)を解体したときのものです。





コンクリートの耐力壁に接着剤でベッタリつけてありました。
接着剤の層がコンクリート壁の水分を吸って膨らんでいたのでしょうね、ぼろぼろでした。

合板はシックハウス症候群の原因にもなる素材なので、元々、換気状態のよくない中古マンションには本来、適さない素材だと私は考えています。

だから、できるだけ合板の使用量を減らそうとするのが当社のスタンスです。
キッチン・洗面化粧台を自ら無垢材で作ったり、ホーロー製品を使うのはそのためです。

しかし、マンションリフォームでは100%排除できない現実もあります。
間仕切り壁に板を打つ場合は下地材として使う場合があります。
下地に無垢を使うと部屋の温度や湿度の変化で反りが出る場合があるのでベニヤ方が優れています。

今、木造戸建住宅の構造材として外壁に構造用合板が盛んに使われています。
解体したマンションのベニヤを見ると、50年後いや30年後の耐久性がとても心配です。

無垢材は水蒸気、つまり湿気を透過するので、冬には収縮し、夏には膨張しながら200年も持つといわれるのですね。

無垢材でマンションをリフォームすることに興味のある方はこちら⇒http://forestreform.co.jp/top/index.php

実際にそのモデルルームをご覧になりたい方はこちら⇒http://forestreform.co.jp/about/modelroom.html

無垢材の源流に興味のある方はこちら⇒http://www.fujirin.co.jp/top/

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髙岡恭平
専門家

髙岡恭平(福祉住環境コーディネーター)

森林浴生活株式会社

暑くない・寒くない・湿気ない...おまけに結露やカビもない。外気温に左右されない健康と家計に優しい断熱リフォームが得意。スギやヒノキ等の天然木は断熱・調湿効果に優れ、住まいの温湿度を快適に保ちます。

髙岡恭平プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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