【2018新年の挨拶(スピーチ)】これでバッチリ!文例&心に響くポイント解説つき
スピーチは情報だけを伝えるものではありません。
そこに語り手の人間性や個性が感じられるからこそ、聞き手は共感できるのです。
野田佳彦首相の年頭記者会見を聞いていて、少し残念に思いました。
民主党代表選で自らを「ドジョウ」にたとえた野田首相には、親しみやすく温かみのある言葉を期待していたのですが・・・。
野田首相のスピーチは、落ち着いた語り口で言い淀みもなく、主語と述語が合わない個所もなく、とても流暢です。
それなのに、聞き手が距離感を感じるのは、文末の表現、言い回しのせいではないでしょうか。
「推進をしていきたいというふうに思っております」「~という状況だと思います」「~していきたいと考えている次第であります」など、謙虚で丁重ですが、「持って回った」表現でリズムがないのです。
かつて、小泉純一郎元首相は、セリフ的な言葉を随所に取り入れることで、リズム感と自分自身の言葉で語りかけているという印象を生み出していました。
文末もシンプルで、「何がどうした」をズバリ言いきることが多かったのも、力強いリーダーのイメージにつながっていました。
経営者の方や組織のリーダーの方には、こういう時勢だからこそ、強さと同時に人間味を感じさせる、血の通った言葉で語っていただきたいと思います。