事前のすり合わせでセミナーの充実度が大幅にup!

辻村豊

辻村豊

テーマ:研究開発のヒント

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

約1年前の出来事

約1年前に『技術報告書、プレゼン資料の作成ノウハウ』という題で数時間のWEBセミナーの講師をすることがありました。
これはいわゆるセミナー屋が運営するものでした。セミナー当日の様子を全て録画されて後日、配信版として、別途動画視聴を希望する申込者が視聴ことになっていました。
ところが、セミナー直後にセミナー屋のホームページから案内広告が突然消え、配信版も中止になったようです。こちらに何の連絡もなしでした。その理由についてセミナー屋にも問い合わせてみましたが、納得の行く答は戻って来ませんでした。

名誉教授の先生も

時をほぼ同じくして、懇意にしている名誉教授の先生もそのセミナー屋のWEBセミナーの講師をやったものの、非常に嫌な思いをしたみたいです。
このあたりについては、既に下記に書いております。

(今やセミナーもエンターテイメント?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5208868/



別のセミナー屋からも

その後、2か月くらいして、別のセミナー屋から同じことを頼まれました。
まずはセミナーの内容の目次を提出するように言われました。
この目次提出はセミナー屋がやるお決まりのパターンです。
宣伝広告には内容説明が必要であることは理解できますが、原稿をほとんど書いていない時に目次を出せと言われるのはかなりキツイものがあります。講演で述べる順番なんぞ、原稿を作る過程で行ったり来たり、試行錯誤する中で入れ替わったりは良くあるからです。もちろん、大まかな構想はありますが、セミナー屋が要求するような事細かな目次は最初からとでも準備できるものではありません。
そのあたりをセミナー屋もわかっていれば、また状況は変わるのですが、ぶっきらぼうに『出せ出せ』言われるだけで、正直嫌になります。

イチャモンを付けまくられた

それでも、そのセミナー屋には、何とか目次を出しました。ところが、その目次に対して、ことごとくイチャモンを付けて来ました。これまでセミナー屋というところは、余程のことが無い限り、何も言って来ず、提出した事前情報がそのまま広告に掲載されていました。
例えば『格調高い書き言葉での書き方』というセミナーにしろ、とかでした。そんな、実務で作る技術報告書であり、芥川賞や直木賞を取ろうとしているものではありません。正直セミナー屋が言うことが理解できませんでした。おそらく、刺激的なタイトルや目次があれば、受講者が多く集まる法則でもあるのでしょう。
更に、『人がアッと驚く報告書の書き方』にしろ、というのもありましたが、これも同じ理由でしょう。確かに人様にアッと言わせる文章は私も含めて誰でも書きたいです。しかしながら、日々の技術報告書等には必要ありません。そもそも、まずは書くことそのものに対して苦戦している人たちに、いきなり難しいことを言っても意味がないからです。如何に現場を知らない発想であるかが、良~くわかりました。

あちらの事情

もっとも、セミナー屋にはセミナー屋の事情もありました。窓口担当者はどこかの会社を定年退職して、再就職した人でした。そして、世の中あるある、窓口の人より、ずっと若い『上司』とやらがいるみたいでした。その上司がいつまで経ってもああ言えばこう言われ続けました。そして、窓口担当者は単なるメッセンジャーに過ぎませんでした。ハッキリとは聞き出せませんでしたが、おそらく窓口担当者の本音は異なるようでした。普通であれば、ある程度難航すると、その上司とやらが自ら出て来て説明もはずですが、ついぞ最後まで現れませんでした。
そして、それより何より何とギャラの話は一切ありませんでした。前代未聞です!
さすがに、信用のこともあるので、そのセミナー屋の話は断りました。
ちなみに、窓口担当者はお断りを打診したとき、困るというより、ホッとした様子でした。板挟みだったのでしょう。

対面での話が来た

その後時は流れ、3か月ほど前のことでした。
『報告書の書き方を基礎の基礎から』ということでセミナーの講師を頼まれました。『基礎の基礎から』がポイントでした。
ただ、今回は実際にその会社へ出向き、『対面での講演』が先方の強い希望でした。
WEBとはいえ、既に一度講演をしているので、スライドとかもあり、簡単にできるだろうと思いました。ところが、そうは行きませんでした。

前代未聞の事前相談

その依頼をかけて来た会社の担当者、非常に真面目で熱心でした。最初から『良いセミナーにしたい!』という意気込みが十分伝わって来ました。何やら巷の過去のセミナーの広告なども検索して調べたみたいですが、親身になって基礎から寄り添えるような講師はなかなか見つからなかったみたいです。そして、何がどうなっているのか?わかりませんが、約一年前の広告が、消去したセミナー屋以外のどこかに残っていて、検索に引っ掛かったらしいです。
セミナー開催までの一か月ほどの間に、WEBでの打ち合わせが3回、最後の方は毎日のようにメールのやり取りが続きました。
もう20年前からセミナーの講師経験はありますが、これほどまで事前の打ち合わせをやったことがありません。初めての経験でした。

バイブルを紹介して欲しい

まず、『報告書の書き方が学べるバイブルを紹介して欲しい』と言われました。
パッと思いついたのは、既に廃刊になっている本でしたが、そんな本を紹介するわけにいきません。現行本の中で最初から探さねばなりませんでした。大きな本屋にも何度も行きました。識者にも相談しました。
その結果、10冊ほど大急ぎで本も読みました。
その中で、良さげな本を数冊、立ち読みできるように致しました。
もしよろしければ、下記へアクセスしていただき、気になる場合は実物を手に取って読まれてはいかがでしょうか?

(論文の書き方)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/49/6a5c69768339d49.pdf

(知的生産の技術)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/48/6a5c2c7e0fa8948.pdf

(技術系の文章作法)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/50/6a704eb070f0e50.pdf

(オタク科学者の超コミュニケーション術)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/55/6a9c3ab20d59f55.pdf

(AIは人間を殺さない、飼い殺す)
https://smooooth9-site-one.ssl-link.jp/banyokagakukenkyusho230710/uploads/blog/54/6a9c20256838554.pdf

演習問題とクイズ

セミナー当日や事前にやってもらう演習問題の内容についても、かなりのやり取りがありました。
その結果、『小学生の夏休み自由研究』のような初歩的な内容をアレンジして、文章の並べ替えを行うものを作りました。
その一方で、実際の過去の学会発表での予稿を題材に項目名やよく使うキーワードを隠して選択肢とし、用語を埋める問題も作りました。敢えて用語の長さと空欄も同じにして、埋めやすいようにしましたが、これが良かったようです。
特に項目名(背景と目的、内容、結果、結論、今後の予定など)については、その意義の説明もリクエストがあり、実際に使うスライド案も提示しながら完成度を高めました。
更に、セミナーの随所に簡単なクイズも入れました。クイズは気楽にできるものばかりで、選択肢がある場合は手を挙げてもらったりしました。
演習問題、クイズ、いずれも好評でした。

これこそニーズに答えることができたのでは?

そんなこんなで、怒涛の一か月でした。結局、入社三年目までを中心に40名ほどの社員さんに受講してもらいました。
その一方でこちらも非常に勉強になりました。まず読書ですが、改めて学習の大切さを痛感致しました。如何に知らない事が多いか?も気づかされました。
例えば、下記も今回学んだことの一つです。

(『漢字が楽に打てるようになった!』という革命)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5232674/

更に今回の件をきっかけに、本をこれまで以上に読むようになりました。しかも一気呵成に…

(本は端折らずに一気に読む方が良い?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5229535/



そんなこんなで、一か月間の事前相談のおかげで、セミナーの内容は飛躍的に充実し、セミナー当日も非常に濃い内容で進めることができました。
私のような営業経験のない研究開発中心の技術屋上がりだと、至る所で『営業戦略がなっていない』、特に『ニーズというものが全くわかっていない』と言われ続けております。
しかしながら、今回は事前に内容をすり合わせた結果、ニーズというものを十分把握できました。いや、少なくとも『把握できたような気』にはなれました。その結果、講演も自信を持って行うことができました。セミナー前の一か月間、しっかり寄り添って、本当に良かったと思います。私自身も成長できました。このような機会を与えて下さった会社様には心より感謝をしております。
今回の件を元に、ご案内もバージョンアップすることもできました。

(実務に役立つ技術報告書、プレゼン資料の作成指南)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5231127/

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

原料や素材の研究開発、製造工程、PRなどに関するお困りごとをサポート致します。専用の実験室で実証実験や試作も可能です。技術系社員の育成、技術承継のご相談なども承ります。博士(工学、1997年大阪大学)

辻村豊プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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