『漢字が楽に打てるようになった!』という革命(2)

辻村豊

辻村豊

テーマ:日々雑感

皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

漢字が楽に打てるようになった

『漢字が楽に打てるようになった』お話は既にしております。
タイプライターという武器を持ったアルファベット族に対して不利な戦いを強いられていた漢字文化が大きく失地を取り戻したか?の出来事でした。

(『漢字が楽に打てるようになった!』という革命)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5232674/

更に大きな出来事となった人たちがいるはず…

しからば、漢字をパソコンなどで打ち込めることになったことで、更に大きな影響を受けた人たちがいるはずです。それは中国人です。
言うまでもなく、中国語は全てが漢字です。
時々私自身も(極めて怪しいレベルではありながら)中国語でメールを書くこともあります。
ピンインと呼ばれる日本語の読み仮名に相当する部分をアルファベットで打ち込めば、候補がいろいろ出て来ますので、日本語の場合と感覚は同じです。
もっとも、ピンインを覚えていないと、この手は使えませんが…

中国語はコンパクトになる

学生時代に我流で勉強した拙い知識ではありますが、中国語は同じことを言っているのに、書くと非常に少ないスペースに収まります。
随分前ですが、かつて李香蘭として活躍していた山口淑子さんはテレビ番組の中で自身も歌っていた『何日君再来』という歌について語っていました。
(李香蘭 - 何日君再來)

歌詞の冒頭は『好花不常開 好景不常在』と10文字で始まるのですが、『あの美しいメロディーに乗せて、短い言い回しで多くを表現できるのは中国語だから出来る技!』と断言していたことが印象的でした。
ちなみに同じ個所を日本語に直訳すると『花はいつまでも咲かず 良い景色も永遠には続かない』と21文字と倍増し、間延びしたような感は否めません。更に英語となれば、『Good flowers never bloom forever, Fine scenes never last for long.』と50文字以上となります。

ビジュアル的効果

もはや言うまでもないことかと思いますが、漢字にはビジュアル的効果があります。漢字は元々絵でしたので、一文字一文字、絵を連続して次から次へと眺めているようなもので、何の意味も持たないアルファベット一文字とは大違いです。
漢字の歴史については、例えば下記を…
(【漢字雑学】漢字の歴史 ~甲骨文字から楷書までの3300年~)

漢字は集積回路?

てなことで、漢字のみで読み書きすれば、頭の中も集積回路のようになっているのではないか?という気がしてきました。
頭脳を使う分野でも中国人の台頭が叫ばれるようになってから久しくなりました。
ひょっとすると、幼少の時から漢字のみを使っていたことにより、脳が鍛えられているのではないか?
そして、『漢字が楽に打てるようになった!』ことで、漢字のデメリットが軽減したからではないか?そんな気が致します。

中国語を勉強していれば…

しからば、中国語を勉強すれば頭が良くなるか?となるのですが、さずがに専門家でないとわかりません。
しかしながら、中国語を勉強していれば、違う結果になったのではないか?という事例には最近遭遇しております。
岩波新書に『論文の書き方』という本があります。著者の清水幾太郎先生は下記のようなことを述べています。

(経験と抽象との間を往復しよう)
P165
経験の言葉から抽象の言葉へ
例えば、「現実的」という言葉がある。「現実的」はドイツ語のwirklichを訳したもの、少なくとも、これに対応するものである。wirklich?というのは、「本当?」というような意味で、ドイツでは誰でも平気で頻繁に使う。それを名詞化したWirklichkeitも、そう特別の言葉ではない。しかし、これを訳した、或いは、これに対応する日本語、即ち、「現実」や「現実性」になると、これに手を出すには、誰でも多少の勇気が要るであろう。

これを見た瞬間に『違うな』と思いました。
ここでのポイントは『的』にあり、中国語では『所有格』を表します。しかも、中国語のごく初歩の段階で勉強します。

名詞や人称代名詞は,構造助詞“的”を伴って他の名詞を修飾し,所有関係を表します。“的”は連体修飾語を名詞につなげる,連体修飾語のマークと覚えましょう。
(例)老师的词典(先生の辞書) 、图书馆的杂志(図書館の雑誌)、我的大衣(私のコート)
*東京外国語大学言語モジュール

清水幾太郎先生はドイツ語とフランス語に堪能だったことは有名ですが、おそらく中国語は勉強していなかったのでしょう。もし中国語を知っていたのであれば、上記はもっとスッキリしたものになっていたはずです。

中国語を勉強すべきか否か?

以上より、中国語を勉強すればご利益があるかどうか?になります。
ここまで日中関係が冷え込むと、やる気にならないのも当然かと思います。
私も過去に中国語を勉強していたので、自営業を始めてから中国ビジネスにも興味を持ち始めておりましたが、今はすっかりなくなりました。
ただ、中国語が集積化された言語であり、それを操ることが脳の活性化につながる可能性もありますので、そのあたりの研究はやってみる価値があるかもしれません。

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辻村豊
専門家

辻村豊(技術コンサルタント)

合同会社 播羊化学研究所

原料や素材の研究開発、製造工程、PRなどに関するお困りごとをサポート致します。専用の実験室で実証実験や試作も可能です。技術系社員の育成、技術承継のご相談なども承ります。博士(工学、1997年大阪大学)

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