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理想の住まいは存在しない?!

2016年12月20日 公開 / 2020年9月14日更新

テーマ:不動産賃貸・購入

コラムカテゴリ:住宅・建物

こんばんは、アルデ株式会社の林﨑です。
当コラムをいつもご覧頂き、有難うございます!

良く聞きます。
『理想の住まい』。
これって、キッチリ定義があるのでしょうか?私自身は、無い、
と思ってます。
夢のマイホーム、という言葉と似てますが、根本的に違います。
現に今では「夢」でもなんでもなく、ほとんどの人がマイホームを
購入出来る機会がありますから。
その現実的なマイホームに「理想の住まい」を求めるのは少し
違和感があります。
じゃあ、一部の不動産業者ですら謳い文句にしている「理想の
住まい」を借りたり買ったりするのはおかしいのか?
とお叱りを受けそうですが、そういう意味ではありません。
順を追ってご説明しますね。

そもそも、理想の住まい、とは

理想とは、「人が心に描き求め続ける、それ以上望む所の
無い完全なもの。」「あることについての完璧な考え。」「実現
したいと願う最善の状態」など、とあります。今、現在の「完璧」と
いう意味では「理想の住まい」は存在するでしょう。しかし、よく
お考え頂きたいのですが、住み替えられる方達のほとんどは、今の
住まいに対して、何らかの不満を抱えている為、次の物件を探す
ワケですよね?それが、広さなのか、場所なのか、築年数なのか…、
その人が不満と感じる項目は十人十色でしょう。共通しているのは
「現状不満」
なのです。例えば、単身の方が結婚すると、ほとんどの方が新居を探します。
今「そこ」に気に入って住んでいても、世帯人数が多くなれば「狭い」と
感じる方がほとんどでしょう。もし、広さが足りていても、お互いの通勤面や
実家までの距離などを考慮すると、やはり新居探しをされるでしょう。

自分の住まいを自分で良くする方法、とは

じゃあ、なるべく「理想の住まい」を実現する為には何が必要と
思われますか?簡単にお答えしますと、100点満点(実際には
かなり難しいですが)の家には住まない、という事になります。
「えっ!何で?」と思われるでしょう。原則、人は欲深い生き物ですから、
現状、もし100点であっても、その先、年月を重ねていくと、設備が
物足りない、とか、もっと収納が多ければ良かったのに、とか、色々と
考えてしまうものなのです。もっとも大事なのは、今の自分(達)に
とって、一番重要な項目を外さない事。それが通勤時間なのか、
駅までの距離なのか、広さなのか、ここでも十人十色の意見が出る
でしょう。ただ、その方(達)にとっての重要項目を外さない事によって、
不満感の程度は確実に変わります。ですので、住み始めた当初は
70~80点くらいでも、将来的に見ると、重要項目の大事さが目立って、
評価が上がる事も珍しくないのです。
賃貸のお話しですが、
私のお客様には、駅近(=利便性)重視の方が比較的多く
いらっしゃいます。駅まで15~25分にお住まいの方達と比べて、
駅近物件での居住年数は実際に長く、市場でも、利便性重視の
方は多いでしょう。その証拠に、新築や築浅でなくても、JR駅近の
物件は入居率が高いのです。但し、子育て世帯の方達や利便性に
拘らない方達にとっての「重要項目」は全く別のものになるでしょう。

欲では無く、全ては向上心、では?

人は欲深い生き物、と前述しましたが、いくら欲があっても、何も
しないで望みが叶うものではありません。という事は、自分はこう
ありたい、だから頑張る!という向上心があればこそ、住まいに
関しても100に近い点数をキープする事が出来るのではないでしょうか。
例えば、「もっと駅に近い家」や「もっと新しい建物」や「もっと広い
空間」に、頑張って稼いだお金で「もっと良い住まい」への引越しも
出来ると思いますし、賃貸住まいからマイホーム購入など選択肢が
増えるようになるでしょう。
逆に、お金をかけなくても、「模様替えして広く使えるようにする」とか
「整理整頓をキッチリして収納スペースを活かす」という事も向上心が
あればこそ、だと思います。自分で考え、行動し、試してみて失敗だと
感じれば、改めて考え、また試す。これを繰り返す事により、住んでいる家に
愛着が湧いてきます。

何かと不満を抱え、しょっちゅう引越しをされる方が多ければ、
不動産業界(特に仲介)にとって、その時々は良いように思えます。
しかし、長い目で見れば、対症療法的な提案しか出来ていない
現状が浮き彫りになってしまいます。
第一線の営業マン本人が、実際に住んだ事のある物件って、
一体何件あるでしょう?
実際に住んだ事がない物件に対し、顧客視点を欠いた提案が
数多くあるように感じます。
基本的に、それなりに長く住む予定の「住まい」は、住んでからの事を
もっと考え、提案していくべきでしょう。その結果、退去(引越し)
されるお客様が「理想の住まい」だった、と思ってくれるように、プロの
営業とは、そうありたいものです。

参考コラム:家探しの無駄な労力を無くす!打率5割超えにする方法

当社HP:アルデ株式会社

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この記事を書いたプロ

林﨑哲也

不動産売買仲介・賃貸仲介のプロ

林﨑哲也(アルデ株式会社)

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