「働く」の前に、自分を知ることが大切な理由
「困っているけれど、どう伝えたらいいのか分からない。」
そんな経験はありませんか。
仕事でも日常生活でも、困ったことが起きたときに、すべてを一人で解決できるとは限りません。
大切なのは、「困っています」と言えることだけではなく、自分が何に困っていて、どうしてほしいのかを相手に伝えることだと私は考えています。
例えば、
「仕事の説明を聞いたけれど、途中から分からなくなってしまった」
「周りの音が気になって、作業に集中できない」
「予定が急に変わると、どう動けばいいのか分からなくなる」
「疲れてきたけれど、休憩していいのか分からない」
こうしたときに、何も伝えずに我慢し続けてしまうと、本人も周囲も困っていることに気づけない場合があります。
反対に、
「もう一度説明してもらえますか」
「少し静かな場所で作業できますか」
「予定を紙に書いてもらえると分かりやすいです」
と伝えることができれば、周囲も一緒に方法を考えることができます。
これは、単に「人に頼る」ということではありません。
自分のことを理解し、必要なことを相手に伝える力です。
そして、この力は働き続けるうえでも、とても大切になります。
PiSTEJAPANの自立訓練(生活訓練)では、当事者研究などを通して、自分がどんな場面で困りやすいのか、どんな方法ならうまくいくのかを一緒に整理しています。
自分の困りごとが分かってくると、次はそれを「どう伝えるか」を考えることができます。
最初から上手に相談できる必要はありません。
「なんとなく調子が悪い」
「うまく説明できないけれど困っている」
そこからでも構いません。
一緒に整理し、少しずつ言葉にしていくことも、自立訓練でできる大切な経験です。
自分を知る。
自分に合った方法を見つける。
そして、必要なことを周囲に伝える。
この積み重ねが、自分らしく暮らし、自分らしく働くための土台になっていくと、私は考えています。
相談する力は、困ったときだけに必要なものではありません。
自分らしい生活や働き方を、自分で選んでいくための大切な力なのです。
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次回は、「自分の『取扱説明書』をつくるという考え方」についてお伝えします。


