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自らの力で未来へ羽ばたくために、一人一人の可能性を育み続ける

「学ぶ・暮らす・働く」を支える障害福祉支援のプロ

木村貴之

木村貴之 きむらたかゆき
木村貴之 きむらたかゆき

#chapter1

「学ぶ・暮らす・働く」をつなぐ切れ目のない支援体制

 「障害のある人や生きづらさを抱える人が、住み慣れた地域で自分らしく暮らしていくために」と、北海道札幌市で障害福祉サービスを展開する「PiSTEJAPAN(ぴすとじゃぱん)」。放課後等デイサービス「ぴすと学舎・プラス」、相談支援事業「相談室ぴすと」、自立訓練(生活訓練)・就労継続支援B型「ジョブベース・ぴすと」を運営し、子どもから大人までを対象とした支援を行っています。

 「『どんな人生を歩んでいくのか』は、成長する過程で誰もが頭を悩ませるテーマです。支援を必要とする人にとっては、学齢期以降の選択肢が限られていることに加え、基本的な生活リズムの確立や対人関係、社会参加への不安といった課題も少なくありません」

 そう話すのは、精神保健や障害福祉分野の経験を持つ、代表の木村貴之さん。子ども時代の療育から進学や就職に向けた準備、地域で暮らし続けるための生活支援まで、「学ぶ」「暮らす」「働く」をトータルに支える体制を整え、自立への基盤づくりをサポートしています。

 「特に大切にしているのは、利用者自身が自分の特性や困りごとを理解し、自分らしい生き方や働き方を見つけていくことです。「当事者研究」の考え方を取り入れながら、支援者が答えを示すのではなく、自ら気づき、考え、選択していく過程を支えることが、本当の意味での自立につながると考えています」

 各事業所には、精神保健福祉士や社会福祉士、保育士など多職種のスタッフが在籍しており、専門分野の知見を生かしながら、生活力や社会性を身につけるためのプログラムを通じて、個々の状況やペースに合わせた支援を行っています。

#chapter2

医療と福祉の現場経験を生かし、自立を支える仕組みづくりへ

 木村さんが福祉の道を歩み始める契機となったのは、札幌市内の精神科病院で精神保健・障害福祉分野に携わったことでした。
 
 「2000年より札幌市内の精神科病院で働き始めました。看護助手として現場に立ち始めて数年後に体調を崩したこともあり、転職先の病院では事務部門に配属され、経営に近い分野にも関わるようになりました」

 現場と運営の両面から医療に携わるなかで木村さんが感じたのは、医療だけでは解決できない課題の多さでした。
 
 「当初は、治療によって回復へ向かう方々の姿に驚くばかりでした。しかし長く勤めるうちに、退院後の生活にはまた別の難しさがあることに気付いたのです」

 「求められているのは、社会とのつながりを維持しながら、その後の暮らしを支える仕組みではないか」と思い至ると、就労支援・発達支援分野で全国展開する企業へ転職。障害のある人の就労や地域での生活支援、事業運営に携わりました。

 障害福祉の現場では、新たな気づきもあったといいます。

 「就労への道筋をつくるだけではなく、その前段階となる準備が必要だと感じたんです。例えば、身だしなみを整える、時間やルールを守る、人と適切な距離感で関わるなど、社会で生活していくための力を身につけること。そして、自分自身の特性や得意不得意を理解し、自分に合った生活や働き方を見つけることも重要だと感じました」

 「自立に向けた土台づくりから関われる場所をつくりたい」。その思いを実現するため、2015年に事業を立ち上げると、現在に続く支援体制づくりが始まったのです。

木村貴之 きむらたかゆき

#chapter3

未来の選択肢を増やし、笑顔や喜びが循環する社会を目指す

 学齢期から大人まで切れ目なく支える現在の支援体制への展開は、当初から計画したものではありませんでした。

 「最初に立ち上げた自立訓練の事業所で、就職前の実習などで出会った方とそのご家族から『学生時代にも、こうしたサポートがあれば』『利用期限が終了しても、ぴすとさんとつながっていたい』などという声をいただきました。そのニーズに応える形で、順次、学齢期を対象とする療育の場、継続した就労の場と支援の幅を広げていったのです」

 利用者の可能性をさらに広げる取り組みにも挑戦しています。石狩市の水産加工会社が運営する飲食店では、人気メニューの盛り付けや接客に参加するなど、地域交流の機会を創出。今後はキッチンカー事業も計画しており、接客や販売を通じて地域との接点を広げながら、工賃向上や社会参加につながる取り組みを進めています。

 「生産活動の幅を広げ、収入を増やすことはもちろん、魅力ある商品やサービスを提供することで地域の人々とも喜びを共にし、やりがいや達成感を得ながら収入向上を目指せる環境づくりを進めています」

 木村さんが目指しているのは、一人一人の未来の選択肢を増やすだけでなく、社会全体に笑顔や喜びが循環すること。そんな願いを込めた社名の「Piste(ピスト)」とは、フランス語で「滑走路」を意味します。

 「利用者さまをどこかへ送り届けるのではなく、飛行機が大空へ舞い上がるように、自らの力でそれぞれの未来へ飛び立つための滑走路を支えたいですね」
 
(取材年月:2026年6月)

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専門家プロフィール

木村貴之

「学ぶ・暮らす・働く」を支える障害福祉支援のプロ

木村貴之プロ

福祉事業所運営

株式会社PiSTEJAPAN

札幌市で放課後等デイサービス、自立訓練(生活訓練)、就労継続支援B型、相談支援を展開。「学ぶ・暮らす・働く」を切れ目なく支え、一人一人の自己理解、自立、社会参加をサポートします。

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