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家事調停事件 ~電話会議システムの利用~

川島英雄

川島英雄

テーマ:家庭・親族問題

 昨年1月から家事事件手続法という法律が施行されました。
 制度が180度変わったということはないのですが、実務に関わる弁護士からすると、細かい部分でそれなりの改正となっています。

 もっとも、利用者にとって最も大きな変更点となったのは、家事調停で電話会議システムが利用できるようになったことではないかと思います。

調停での電話会議システム

 この法律が施行される以前は、家事調停では必ず当事者が調停の場に出席しなければなりませんでした。

 また、家事調停は、現在でも相手方の住所地の裁判所でなければ調停の管轄がない場合が意外と多いです。
 そのため、家事事件手続法施行前は、調停を申し立てた側は必ず相手方の住所地を管轄する裁判所へ行かなければなりませんでした。
 これは、かなりの負担です。

 それが、電話会議システムが利用できるようになったことで、当事者は電話で調停に参加できることになりました。これにより、遠隔地への移動の負担が軽減されることになり、家事調停を申し立てることへのハードルが少しは下がったではないかと思います。
 
 もっとも、裁判所も全く調停に出頭しなくてよいといっているわけではありません。
 電話会議システムが利用できるといっても、本人確認のため一度は出頭を求める運用が多いようです。
 この点はご注意ください。

スピーカーホンが便利です

 なお、私の事務所には、裁判所で使用するような電話会議用のスピーカーホンがあります。
 複数の弁護士が所属しているので、使用頻度が高いと判断して購入したものです。

 私も使用しましたが、依頼者の方と事務所の一室で一緒に電話会議による手続に参加できるので、非常に便利です。
 こういうところは、弁護士複数の事務所のよいところだなあと実感します。

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川島英雄
専門家

川島英雄(弁護士)

札幌おおぞら法律事務所

 コミュニケーション能力と、医学的な知識を武器に、交通事故・医療事故の被害者側の案件を重点的に取り扱っている。複数の弁護士が所属する法律事務所の一員で、サポート体制も万全。

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